生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

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Journal of Japanese Biochemical Society 89(5): 634-643 (2017)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2017.890634

特集Special Review

ポリシアル酸転移酵素遺伝子ST8SIA2と精神疾患の関わりPolysialyltransferase ST8SIA2 and psychiatric disorders

1名古屋大学・生物機能開発利用研究センターBioscience and Biotechnology Center, Nagoya University ◇ 〒464–8601名古屋市千種区不老町 ◇ Chikusa, Nagoya 464–8601, Japan

2University of California, San Diego, Department of Cellular & Molecular MedicineUniversity of California, San Diego, Department of Cellular & Molecular Medicine ◇ 9500 Gilman Drive MC 0687 La Jolla, CA 92093–0687, USA ◇ 9500 Gilman Drive MC 0687, USA

発行日:2017年10月25日Published: October 25, 2017
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脳に特異的な糖鎖エピトープであるポリシアル酸はシアル酸の直鎖状のホモポリマーであり,大きな負電荷とかさ高い排除体積によって,細胞接着を負に制御する反接着機能分子として働く.同時に,脳の分化・発達,高次機能に関わる因子群を結合し,細胞表面近傍でそれらの作用を制御する足場機能を持つ.近年,大規模な比較ゲノム解析が行われ,ポリシアル酸を生合成する糖鎖関連遺伝子ST8SIA2が統合失調症や双極性障害などの精神疾患に関わる遺伝子の一つである可能性が出てきている.このST8SIA2遺伝子およびポリシアル酸と精神疾患との関係性を明らかにするために,ST8SIA2遺伝子上に見いだされる種々の一塩基変異多型(SNP)に着目した生化学的解析が行われている.その結果,多くのSNPは,実際にポリシアル酸の質と量を変化させて,機能不全をもたらし,精神疾患のリスクを上げることが示唆されている.

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