ガングリオシドGM3合成酵素欠損症からみるスフィンゴ糖脂質機能
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発行日:2017年10月25日
ガングリオシドはその糖鎖構造中にシアル酸を含むスフィンゴ糖脂質の総称であり,脊椎動物の多細胞社会構築と各細胞の機能(増殖,分化など)制御に重要な分子群と考えられてきた.一方で,これまで各種ガングリオシド生合成酵素欠損マウスが作製されてきたが,その症状は予想よりはるかに軽度であり驚きをもって解析が続けられてきた.近年,ガングリオシド合成酵素の変異による欠損症が多数報告された.GM3合成酵素欠損症とGM3合成酵素欠損マウスで見いだされた症状は共通した部分だけでなく大きく違う部分もあった.本稿では,GM3合成酵素欠損症からみえてきた聴覚におけるガングリオシド機能に関して概説するとともに,マウスとヒトでみられたGM3合成酵素欠損時の症状の違いを代謝の観点から新知見を交えて考察した.
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