Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 89(5): 660-665 (2017)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2017.890660

特集Special Review

ヒトパラインフルエンザウイルスの糖鎖結合性と感染制御Sialic acid binding specificity of human parainfluenza virus controls the viral infectivity

静岡県立大学薬学部生体機能薬学大講座生化学分野Department of Biochemistry, School of Pharmaceutical Sciences, University of Shizuoka ◇ 〒422–8526 静岡市駿河区谷田52番1号 ◇ 52–1 Yada, Suruga-ku, Shizuoka 422–8526

発行日:2017年10月25日Published: October 25, 2017
HTMLPDFEPUB3

ヒトパラインフルエンザウイルス(hPIV)はhPIV1~hPIV4に分類され,小児におけるかぜ症候群の15~20%を占める病原体で,細胞膜上のシアル酸を利用して感染する.筆者らは,非還元末端にシアル酸を持つポリラクトサミン系列の糖鎖にhPIV1とhPIV3が強い結合性を示すこと,これらウイルスのシアル酸結合様式に関する特異性が異なることを明らかにした.さらに,hemagglutinin-neuraminidase(HN)糖タンパク質がウイルスの糖鎖結合性を規定し,HN糖タンパク質のシアル酸結合部位近傍に位置する4か所のアミノ酸残基がα2,6型シアル酸認識に関与していることを明らかにした.また,hPIVの細胞融合と糖鎖の関連性を見いだした.本稿ではヒトパラインフルエンザウイルス感染と糖鎖の機能について紹介する.

This page was created on 2017-08-24T15:39:22.613+09:00
This page was last modified on 2017-10-17T13:52:57.175+09:00


このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。