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公益社団法人日本生化学会
Journal of Japanese Biochemical Society 89(5): 666-672 (2017)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2017.890666

特集

自己免疫疾患とシアル酸転移酵素

中部大学生命健康科学部臨床工学科,生命健康科学研究所 ◇ 〒487–0027 愛知県春日井市松本町1200

発行日:2017年10月25日
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生体では,タンパク質や脂質などに多様な糖鎖が結合することによって,細胞・組織の構築やさまざまな生体反応に関与している.負電荷を持つシアル酸は,主にN-アセチルグルコサミン,ガラクトースの末端にα2,3, α2,6, あるいはシアル酸の次にα2,8結合によって付加されるユニークな糖である.本稿では,ST6Gal1遺伝子によって発現するガラクトースの末端にα2,6結合でシアル酸を付加するα2,6-シアル酸転移酵素が,代表的な自己免疫疾患である関節リウマチでみられる自己抗体上のシアル酸の増減に関与すること,シアル酸の減少が病態の増悪を招くこと,さらにはシアル酸付加自己抗体を関節炎の制御に応用しうることにつき,最新の知見を踏まえて報告したい.

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