生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

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Journal of Japanese Biochemical Society 89(5): 710-718 (2017)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2017.890710

総説Review

Cdk5の多彩な機能——神経細胞から非神経系へCdk5: A multifunctional protein kinase in the nervous system and beyond

首都大学東京・理工学研究科・生命科学専攻・神経分子機能研究室Department of Biological Sciences, Graduate School of Science, Tokyo Metropolitan University ◇ 東京都八王子市南大沢1–1 ◇ 1–1 Hachiohji, Tokyo 192–0397, Japan

発行日:2017年10月25日Published: October 25, 2017
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Cdk5は神経細胞で多様な役割をするユニークかつ重要なキナーゼである.Cdk5は活性化サブユニットp35やp39との結合により,恒常的に活性化されるホメオスタティックなキナーゼである.Cdk5-p35は細胞質に存在し,細胞膜や膜小器官に結合している.Cdk5はエンドソーム輸送を介して,神経突起伸長を制御している.また,Cdk5は前シナプスでの神経伝達物質の分泌・取り込みを抑制している.一方,後シナプスでは,Cdk5はアクチンフィラメントを介して,スパイン形成を制御している.Cdk5は神経の過活動を抑えるキナーゼと考えられる.Cdk5の活性制御の逸脱は異常活性化となり,神経細胞死・神経変性を引き起こす.最近では,他の分化細胞での報告が増えており,特に糖尿病やがん細胞などとの関連が示唆され,Cdk5研究の広がりがみられている.

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