多様な染色体ダイナミクスのmodulator kinase, Cdc7
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発行日:2017年10月25日
Cdc7はHartwellにより出芽酵母の細胞周期進行変異体(cell division cycle:cdc)の責任遺伝子として初めて同定された.Cdc7は酵母からヒトまで進化的に保存されるセリン・トレオニンキナーゼをコードする.複製開始においては,Cdc7は複製装置のDNA鎖巻き戻しを触媒する複製ヘリカーゼの中心因子Mcmをリン酸化し,複製開始複合体の形成を促す.一方Cdc7は複製以外の多くの過程(減数分裂期組換え,細胞分裂,修復,ヒストン,クロマチン制御,神経変性疾患など)に関わる因子をリン酸化することが続々と明らかになっており,種々のタンパク質の活性を調整するmodulator kinaseであることがわかってきた.本稿ではこれまでに明らかになっているmodulator kinaseとしてのCdc7の構造と機能についてまとめる.
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