生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

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Journal of Japanese Biochemical Society 89(6): 808-819 (2017)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2017.890808

総説Review

スフィンゴ脂質活性化タンパク質—サポシン—の生理機能と疾患Significance of sphingolipid activator proteins—saposins and prosaposin—in health and disease

川崎医科大学病態代謝学Department of Pathophysiology and Metabolism, Kawasaki Medical School ◇ 〒701–0192 岡山県倉敷市松島577 ◇ 577 Matsushima, Kurashiki, Okayama 701–0192, Japan

発行日:2017年12月25日Published: December 25, 2017
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サポシン(SAP)A, B, C, Dはリソソーム内でのスフィンゴ糖脂質の加水分解に必要な触媒活性を持たない補因子である.これら四つのサポシンは共通の前駆体タンパク質であるプロサポシン(PSAP)上に直列に並んで存在しており,リソソームで複数のプロテアーゼによるプロセシングを経て生成される.PSAPは細胞外へも分泌される.四つのSAPはいずれも疎水性アミノ酸に富む約80個のアミノ酸からなり,三つのジスルフィド結合,N結合型糖鎖を持つ相同性の高い構造を有している.ヒトではSAP-A, B, Cの各単独欠損症が報告されており,SAP-A欠損症はガラクトシルセラミダーゼ欠損症であるクラッベ病に類似した病像を,SAP-B欠損症はアリールスルファターゼA欠損症である異染性白質ジストロフィー様の病像を,SAP-C欠損症はグルコシルセラミダーゼ欠損症であるゴーシェ病様の病像を呈する.SAP-Dに関しては今のところヒトの疾患は報告されていないが,酸性セラミダーゼの活性化に関与していると報告されている.本稿では我々が作製した各SAPの特異的欠損マウスから得られた知見を中心に,SAPおよびPSAPの新規機能に関する知見を交えて概説する.

1. はじめに

スフィンゴ糖脂質(glycosphingolipid:GSL)は,セラミド(ceramide)と呼ばれる脂質部分と糖鎖部分からなる両親媒性分子群である.GSLはすべての脊椎動物の細胞膜の外層(outer leaflet)に存在し,細胞内外のシグナル伝達に関わる細胞膜上の超分子構造「脂質ラフト」の構成成分として,細胞の分化・増殖・接着などに関わっていると考えられている1).細胞内のGSL量は生合成系と分解系のバランスによって厳格にコントロールされており,その存在量がさまざまな疾患と関連することが報告されている2).GSLはエンドサイトーシスされた細胞膜がリソソームに運ばれ,リソソームに存在する加水分解酵素(リソソーム酵素)によって分解される.疎水性のGSLを親水性のリソソーム酵素で分解するためにはスフィンゴ脂質活性化タンパク質(sphingolipid activator protein)と呼ばれる疎水性の糖タンパク質が必要であることがわかっている.これまでに二つの遺伝子にコードされた五つのスフィンゴ脂質活性化タンパク質(GM2アクチベータータンパク質と四つのサポシン(saposin:SAP-A, SAP-B, SAP-C, SAP-D)が知られており,それぞれが特定のリソソーム酵素ととともに触媒活性を持たない補因子としてGSLの分解に寄与する(図13).各GSLの加水分解酵素あるいはスフィンゴ脂質活性化タンパク質が遺伝的に欠損するとGSLが未分解代謝物としてリソソーム内に蓄積するために,リソソームの機能が障害され,いわゆるリソソーム蓄積症(lysosomal storage disorder:LSD)の一つであるスフィンゴリピドーシス(sphingolipidosis)を発症する(図12, 3).スフィンゴリピドーシスの多くは主として小児期に発症し,重篤な神経症状を呈する.本稿ではスフィンゴ脂質活性化タンパク質の一つであるサポシン(saposin:SAP)の遺伝的欠損症と我々が作製した各SAPの特異的欠損マウスから得られた知見を中心に,SAPおよびその前駆体タンパク質であるプロサポシン(prosaposin:PSAP)の新規機能に関する知見を交えて述べる.

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図1 スフィンゴ糖脂質の主な分解経路とサポシン

立字体は各ステップに関与するリソソーム酵素名,網掛けは各サポシン,斜字体は各スフィンゴリピドーシスの疾患名を表す.

2. サポシン,プロサポシン

SAP-A, B, C, Dは,第10番染色体上(10q21-q22)に存在するプロサポシン遺伝子(PSAP)によりコードされる.PSAPは前駆体タンパク質であるプロサポシンをコードし,このプロサポシン内に直列に並んで四つのサポシンが存在する.合成されたプロサポシン(PSAP)は主としてゴルジ体からリソソームへ輸送されるが,細胞外へも分泌され,分泌されたPSAPは細胞膜上の受容体を介して再取り込みされるとされている3).一般的にタンパク質のリソソームへの選別輸送には,マンノース6-リン酸受容体(mannose 6-phosphate receptor:M6PR)を介した経路がよく知られている.PSAPのリソソームへの輸送にもM6PRの関与があると推定されているが,マンノース6-リン酸残基の合成障害であるI細胞病(ムコリピドーシスII)由来細胞では,PSAPの輸送の多くが保たれていると報告されており,M6PR以外の輸送経路の関与が示唆されている.その一つがソーチリン(sortilin)による輸送で4, 5),ソーチリンとPSAPの結合にはPSAPのC末端配列が重要であると報告されている6).リソソームに運ばれた,PSAPはリソソーム内でカテプシンD(cathepsin D)を含む複数のプロテアーゼによるプロセシングを経て4種類のSAPが生成される.

SAP-A, B, C, Dは,疎水性アミノ酸に富む約80個のアミノ酸からなり,いずれも構造的にきわめて相同性が高く,種間の保存性も高い(reference genomic sequence:GenBank NC_000010.9, reference mRNA sequence:GenBank NM_002778.1, reference protein sequence:UniProtKB/Swiss-Prot P07602).共通する構造の特徴は,四つのα-へリックス構造,六つのシステイン残基からなる三つのジスルフィド結合,N結合型糖鎖である3, 7–12).ヒトの欠損症やモデルマウスの解析から,各SAPはいくつかのオーバーラップはあるが,それぞれが主として特定のリソソーム酵素を活性化することが明らかになっている.SAP-Aはガラクトシルセラミド(galactosylceramide:GalCer)を分解するガラクトシルセラミダーゼ(galactosylceramidase:GALC)を,SAP-Bはスルファチド(sulfatide)を分解するアリールスルファターゼA(arylsulfatase A:ARSA)を,SAP-Cはグルコシルセラミド(glucosylceramide:GlcCer)を分解するグルコシルセラミダーゼ(glucosylceramidase:GCase)を活性化する.SAP-Dはセラミドを分解する酸性セラミダーゼ(acid ceramidase:ACDase)を主として活性化するとされている(1, 2).

上述のとおり,PSAPは細胞外へも分泌される.脳脊髄液や母乳,精液などの体液中に豊富に存在することから,SAPの前駆体タンパク質としての機能以外に,神経栄養因子としての機能,精子形成における機能などの,独自の生物活性が報告されている13–18).分泌されたPSAPの再取り込みは細胞膜上の低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質(low-density-lipoprotein-receptor-related-protein:LRP)やM6PR,マンノース受容体(mannose receptor)を介しているとされている19).分泌型のPSAPは多量体化するという報告もある20)

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図2 ヒトプロサポシンおよびサポシン

(A)PSAP遺伝子構造と疾患.(B)SAPタンパク質の構造の特徴.灰色のハイライトと*: N結合型糖鎖の認識配列,●:システイン残基.a.a.:アミノ酸.

3. PSAP欠損症(prosaposin deficiency, OMIM 611721)

本疾患はPSAP遺伝子の変異により,PSAPが欠損することが病因で,常染色体劣性の遺伝形式をとる.全SAPの欠損により複数のリソソーム酵素の活性が低下するため,種々のGSLが多臓器に蓄積し重症のスフィンゴリピドーシスの病像を呈する.

これまでに少なくとも世界で4家系の報告がある21–29).いずれの報告例も,出生直後あるいは新生児・乳児期早期から,全般性の痙攣発作を起こすなどの重篤な神経症状と著明な肝脾腫を呈し,ゴーシェ病II型(急性神経型)の症状に類似した臨床所見を示す.胎児死亡例も報告されている.胎児例の解析では,肝臓にセラミド,グルコシルセラミド,ラクトシルセラミド(lactosylceramide:LacCer),スルファチド,ジガラクトシルセラミド(digalactosylceramide),グロボトリアオシルセラミド(globotriaosylceramide:Gb3),グロボシド(globoside:Gb4),GM1, GM2ガングリオシドなど種々のGSLの蓄積が認められる.リソソーム酵素活性は患者由来の培養線維芽細胞においてGALC, GCase, ACDaseの活性低下が報告されている.報告されている3種類の遺伝子変異はPSAPの開始コドンの変異を含め,[p.M1L]+[p.M1L],[c.803delG]+[c.803delG],[c.1006-2A>G]+[c.1006-2A>G]といずれもPSAPタンパク質の欠損を来す変異のホモ接合体である.

一方,1996年には,FujitaらによってPSAP欠損マウスが作製され,ヒトのPSAP欠損症と非常に類似した表現型を呈することが明らかにされている.PSAP欠損マウスの出生率はきわめて低く,多くが胎生致死あるいは生後1~2日で死亡する.生存しえたマウスも生後20日ごろから振戦などの神経症状,髄鞘化遅延など,重篤な神経症状を呈して生後30日前後で死亡する.日齢30のPSAP欠損マウスでは全SAPの欠損によりヒトの症例とほぼ同様に全身組織に種々のGSLが蓄積し,神経系,網内系組織の細胞内に多数の膜様封入体がみられる30–32)

4. SAP-A欠損症(saposin A deficiency, OMIM 611722)

本疾患はPSAP遺伝子のSAP-A領域の遺伝子変異によって,SAP-Aが単独欠損することが病因で,常染色体劣性の遺伝形式をとる.SAP-Aは主としてGALCによるGalCerの加水分解を活性化するため,SAP-A欠損症は,GALCの遺伝的欠損症であるクラッベ病(Krabbe disease,別名:globoid cell leukodystrophy, OMIM 245200)に類似した白質ジストロフィーの病像を呈する(図1).

2005年にSpiegelらにより乳児型クラッベ病様の病像を呈するSAP-A欠損症の1家系が報告されている33).症例は血族結婚のアラブ人両親の間に生まれた女児例で,生後3.5か月ごろから発達遅滞,筋緊張亢進,腱反射の低下,眼振などが出現し,生後6か月ごろには寝たきりとなり,生後8か月で呼吸障害により死亡している.脳MRI画像で脳萎縮と白質の広範な脱髄所見を認め,脳脊髄液中のタンパク質レベルは高値であった.これらの所見からクラッベ病が疑われたためGALCの酵素活性測定が行われ,白血球では低下していたが,培養皮膚線維芽細胞では正常範囲内であった.そこで,PSAP遺伝子の解析が行われた.その結果,PSAP遺伝子のSAP-A領域にインフレームの3塩基の欠失変異(c.207 del TGT),すなわちSAP-Aの11番目のアミノ酸残基のバリンを欠失する変異(p.V70del)のホモ接合体であることが見いだされた(図3A).この変異型SAP-Aは構造が不安定になると推測され,両親はこの変異のヘテロ接合体であった.この報告から,SAP-Aは生体内でGALCの活性化に必須で,その欠損はGALCの遺伝的欠損症であるクラッベ病に類似した病態を呈することが示された.現時点で,ヒトSAP-A欠損症の報告はこの1例のみであり,非常にまれな疾患であるといえる.これは,PSAPの合成,リソソームへの輸送,およびリソソーム内での四つのSAPへのプロセシングが正常に行われ他の三つのSAPが機能的に維持されなければならないからであると推測される.しかしながら,クラッベ病に酷似した臨床症状や検査結果が得られるにもかかわらず,GALCの酵素活性が正常あるいは軽度の低下である場合にはSAP-A欠損症を考慮する必要がある.Spiegelらの症例ではGALC活性が白血球では低下していたが,培養線維芽細胞では正常範囲内であったと記述されており,複数の細胞(白血球と培養皮膚線維芽細胞など)を用いて酵素活性測定を行い,結果が一致しない場合にもSAP-A欠損症を考慮する必要があるだろう.確定診断にはSAP-Aに対する特異抗体を用いたウエスタンブロット法などでSAP-Aが検出されないことを証明するか,PSAP遺伝子の解析が必要である.また,Spiegelらの症例は乳児型クラッベ病様の病像を呈したが,下述のマウスモデルの表現型からは若年型や成人型などの遅発型の臨床病型も存在することが推測され,今後の症例の蓄積が必要である.

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図3 ヒトサポシンの構造と遺伝子変異

(A)ヒトサポシンAの構造と遺伝子変異.(B)ヒトサポシンBの構造と代表的遺伝子変異.(C)ヒトサポシンCの構造と代表的遺伝子変異.

一方,我々は,上述のヒトSAP-A欠損症が発見される前の2001年に,ヒトのSAP-BまたはSAP-C欠損症を引き起こす遺伝子変異を模倣して,マウスPsap遺伝子のSAP-A領域の4番目のシステインをフェニルアラニンに置換(C106F)し(図3B, C),SAP-A内の三つのジスルフィド結合の一つを欠失させることによってSAP-A欠損マウスを作製した34–36).このマウスは生後60日ごろより四肢麻痺が明らかになり,神経病理学的解析で末梢神経系および中枢神経系の脱髄病変と脱髄領域へのPAS陽性多核マクロファージの浸潤を認めた.寿命は約120日であった.生化学的分析の結果,脳,脊髄にガラクトシルスフィンゴシン[galactosylsphingosine:GalSph,別名:サイコシン(psychosine)]が正常の2倍程度と統計学的に有意に蓄積し,腎臓にGalCerなど,GALCの基質が蓄積していた.脳組織のGALC活性は野生型マウスの約50%に低下していた.これらのSAP-A欠損マウスの表現型は,臨床的,生化学的および病理学的に,自然発生のGALC欠損モデルマウス(Twitcherマウス)の表現型と同一であるが,Twitcherマウスの寿命が約40日であること,脳のサイコシン濃度が正常の10倍程度まで増加すること,神経病理所見も早期に出現することなどから,明らかに軽症であった.以上の結果から,SAP-AはマウスにおいてGALCに必須の活性化タンパク質であり,SAP-Aの欠損が遅発型のクラッベ病を引き起こすと結論した(図4).一部のSAP-A欠損マウスには,Twitcherマウスにみられる表現型以外に,肝臓が腫大し,LacCerが蓄積するマウスが散見され,SAP-AがLacCer分解に関わるもう一つのβ-ガラクトシダーゼであるGM1-β-ガラクトシダーゼ(GM1-β-galactosidase:BGAL)の活性化タンパク質でもある可能性が示唆された.

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図4 サポシンA欠損マウスの表現型(文献34より改変引用)

サポシンA欠損マウスは臨床的,病理学的,生化学的に遅発型クラッベ病(GALC欠損症)の表現型を呈する.臨床症状:緩徐進行性の四肢麻痺を呈し,寿命は120日前後である.生化学的所見:GALCの基質であるGalCerの蓄積を腎臓で,GalSph(サイコシン)の蓄積を脳で認める.神経病理学的所見:末梢神経,中枢神経の脱髄と脱髄領域へのPAS陽性マクロファージ様細胞の浸潤,脂質様封入体(矢印)を含む多核マクロファージ様細胞(Globoid cell)の存在を認める.LFB-PAS stain:Luxol fast blue-pediodic acid-Schiff stain.

また,予想外にSAP-A欠損マウスの雌マウスが継続的に妊娠すると,四肢麻痺症状および脱髄病変の劇的な改善を認めることを見いだし,この現象はエストロゲン徐放剤の投与により再現できた37).多発性硬化症の女性は,妊娠時にしばしば臨床的改善を示すことが知られており,エストロゲンが遅発型クラッベ病における脱髄病変の治療に応用できるかもしれない.しかし,その作用機序に関しては免疫抑制効果やミエリンの安定化などが推定されるにとどまっており,今後の検討が必要な領域である.さらには,SAP-A欠損マウスに対する骨髄移植で中枢神経系の脱髄病変がほぼ完全に抑制されたことから,SAP-A欠損マウスは,遅発型クラッベ病に対する治療法開発に有用なツールになる可能性がある38)

5. SAP-B欠損症(saposin B deficiency, OMIM 249900)

本疾患はPSAP遺伝子のSAP-B領域の遺伝子変異によってSAP-Bが単独欠損することが病因で,常染色体劣性の遺伝形式をとる.SAP-Bは主としてARSAによるスルファチドの加水分解を活性化するため,SAP-B欠損症はARSAの遺伝的欠損症である異染性白質ジストロフィー(metachromatic leukodystrophy:MLD, OMIM 250100)に類似した病像を呈する(図1).

これまでに世界で数家系の報告がある.主な報告例(6家系)のPSAP遺伝子異常と臨床症状を表1にまとめた(図3B28, 39–47).家系1はいとこ結婚のメキシコ系アメリカ人の両親から生まれた兄妹例で,PSAP遺伝子のSAP-B領域の23番目のトレオニンがイソロイシンに置換するミスセンス変異がホモ接合体で見いだされ,この結果,N結合型糖鎖の認識配列(Asn-X-The/Ser)が消去され,糖鎖修飾を持たない変異型SAP-Bは機能障害や細胞内輸送の障害,構造の不安定性を来すと推測された.家系2はいとこ結婚のフランス系カナダ人の両親から生まれた女性例で,PSAP遺伝子の777番目と778番目の塩基の間に33塩基の挿入がホモ接合体で見いだされた.この挿入変異はイントロン4中のCからAへの1塩基置換により新たなスプライシングアクセプターサイトが発生したためと推測された.33塩基の挿入はSAP-B領域への11アミノ酸残基の付加をもたらし,変異型SAP-Bは構造の不安定性を来すと推測された.家系3にはSAP-B内のジスルフィド結合に関わるシステインの置換を来す変異を認めた.家系4はトルコ人の男児例で,PSAP遺伝子のイントロン5中のGのTへの1塩基置換により新たなスプライシングアクセプターサイトが生じ,SAP-B領域であるエクソン6の欠失を来す変異が見いだされた.家系5はスペイン人の両親から生まれた女性例で,PSAP遺伝子のSAP-B領域のN結合型糖鎖の認識配列のアスパラギンがヒスチジンに置換するミスセンス変異がホモ接合体で見いだされ,この変異によりSAP-BのN結合型糖鎖の認識配列が消去されると推測された.家系6は,PSAP遺伝子のイントロン5のAからGへの1塩基置換により新たなスプライシングアクセプターサイトが生じ,エクソン6の欠失を来す変異と,エクソン8中の2塩基の欠失によるフレームシフトのために早期に終止コドンが生じてPSAPタンパク質の欠損を来す変異の複合ヘテロ接合体であった.このように,報告されている遺伝子変異にはSAP-B領域のミスセンス変異やスプライス変異,挿入変異,欠失変異などのホモ接合体と,これらとPSAPタンパク質の欠損を来す変異との複合ヘテロ接合体がある.これらの中にはSAP-B内のN結合型糖鎖の認識配列のアスパラギンやトレオニンの置換を来す変異や,三つのジスルフィド結合に関わるシステインの置換を来す変異が複数含まれており,SAP内のN結合型糖鎖やジスルフィド結合がSAPの機能や高次構造を保持する上で重要であることを示唆している.報告例では,発達遅滞,痙性四肢麻痺,筋緊張低下,腱反射の低下,眼振などの神経症状を呈し,異染性白質ジストロフィーの後期乳幼児型,若年型に類似した臨床経過をとっている.頭部画像検査(CT, MRI)では白質の脱髄病変を認める.神経病理学的所見では大脳白質に脱髄がみられ,その周囲にはトルイジン青染色にて赤褐色を呈する異染性の顆粒を含んだ大食細胞やグリア細胞が認められる.腓腹神経生検でも脱髄病変に加えてシュワン細胞・大食細胞・内皮細胞内にトルイジン青染色にて赤褐色を呈する異染性体を認める.電子顕微鏡所見では脳の神経細胞内にガングリオシドーシスで観察されるものと類似した層状の封入体が認められる.

表1 サポシンB欠損症の主な報告例の遺伝子変異と臨床病型
症例遺伝子変異臨床病型・表現型参考文献
1[p.T217I]+[p.T217I]若年型異染性白質ジストロフィー様:発症様式;4歳ごろ,行動異常Shapiro, et al. 197939) Kretz, et al. 199041)
2[p.M259insISCFFVQQQDQ]+ [p.M259insISCFFVQQQDQ]若年型異染性白質ジストロフィー様:発症様式;15歳ごろ,精神運動発達遅滞Hahn, et al. 198240) Zhang, et al. 199142)
3[p.C241S]+[?]後期乳児型異染性白質ジストロフィー様:発症様式;18か月ごろ,運動発達遅滞Schlote, et al. 199143) Holtschmit, et al. 199144)
4[g.23168G>T]+[g.23168G>T]後期乳児型異染性白質ジストロフィー様:発症様式;14か月ごろ,運動発達遅滞Henseler, et al. 199645)
5[p.N215H]+[p.N215H]後期乳児型異染性白質ジストロフィー様:発症様式;2歳ごろ,運動発達遅滞,筋緊張低下Wrobe, et al. 200047)
6[c.577-2A>G]+[c.828_829delGA]後期乳児型異染性白質ジストロフィー様:発症様式;9か月ごろ,右側痙性不全麻痺Kuchar, et al. 200928)

異染性白質ジストロフィー(後期乳幼児型,若年型)に酷似した症状や検査所見を示し,組織にスルファチドの蓄積が確認されるにもかかわらずARSAの酵素活性が正常あるいは軽度低下にとどまる症例はSAP-B欠損症が疑われる.尿中スルファチドは健常人の約20倍量と異染性白質ジストロフィーと同等の増加を示す.SAP-Bにはファブリー病(Fabry disease, OMIM 301500)の欠損酵素であるα-ガラクトシダーゼ(α-galactosidase A:GLA)の活性化作用もあり,SAP-B欠損症の尿中にはスルファチドに加えてGLAの基質であるGb3の増加が認められ,臨床診断でARSA欠損症と鑑別するのに役立つ.SAP-BはBGALによるGM1ガングリオシドの加水分解も活性化するため,脳組織ではスルファチドの蓄積に加え,GM1, GM2, GM3の各ガングリオシドが増加している.確定診断にはSAP-Bに対する特異抗体を用いたウエスタンブロット法などでSAP-Bが検出されないことを証明するか,PSAP遺伝子の解析が必要である.

一方,2001年に,Sunらによって,SAP-B欠損マウスが作製され,スルファチドを含むスフィンゴ脂質の蓄積と神経病理変化を来すことが示された.この結果から,マウスにおいてもSAP-BはARSAに必須の活性化タンパク質であり,スルファチドの加水分解に必須であることが明らかとなった48)

6. SAP-C欠損症(saposin C deficiency, OMIM 610539)

本疾患はPSAP遺伝子のSAP-C領域の遺伝子変異によってSAP-Cが単独欠損することが病因で,常染色体劣性の遺伝形式をとる.SAP-Cは主としてGCaseによるGlcCerの加水分解を活性化するため,SAP-C欠損症はGCaseの遺伝的欠損症であるゴーシェ病(Gaucher disease, OMIM 231000)に類似した病像を呈する.SAP-Cの欠損によりGCaseの基質であるGlcCerやグルコシルスフィンゴシン(glucosylsphingosine:GlcSph)が細網内皮系や神経系細胞に異常蓄積し細胞障害を引き起こすと考えられている.

主な報告例(5家系6症例)のPSAP遺伝子異常と臨床症状を表2にまとめた49–56).5家系のうち4家系はSAP-C領域のミスセンス変異とPSAPタンパク質の欠損を来す変異との複合ヘテロ接合体で,1家系がSAP-C領域の欠失変異のホモ接合体である.すなわち,これら複合ヘテロ接合体の患者では,SAP-Cは欠損し,それ以外のSAP-A, B, DおよびPSAPのタンパク質量は半量であることが予想される.SAP-C領域のミスセンス変異の中にはSAP-C内の三つのジスルフィド結合に関わるシステインの置換を来す変異が3例含まれており,SAP内のジスルフィド結合がSAPの機能や高次構造を保持する上で重要であることを示唆している(図3C).症例1はスイス系白人の女児例で,SAP-C内の5番目のシステインがフェニルアラニンに置換するミスセンス変異(p.C382F)をヘテロ接合体で認めた.この変異によってSAP-C内の三つのジスルフィド結合の一つが失われ,高次構造を失って不安定となりタンパク質分解を受けると推測された.もう一方のアレルの変異は未同定である.症例2はスペイン系の男児例で,症例1と同じシステイン残基がグリシンに置換するミスセンス変異(p.C382G,父親由来)と,SAP-D領域のナンセンス変異(p.Q430X,母親由来)の複合ヘテロ接合体であった.この症例ではSAP-D領域のナンセンス変異がPSAPタンパク質の欠損を来すと推測された.症例3はSAP-C内の1番目のシステインがセリンに置換するミスセンス変異(p.C315S)と,開始コドン内の点変異(p.M1V)の複合ヘテロ接合体であった.Tylki-Szymanskaらによる症例4および5の家系では,SAP-C領域の39番目のアミノ酸であるロイシンがプロリンに置換するミスセンス変異(p.L349P)と開始コドン内の点変異(p.M1L)の複合ヘテロ接合体であった.この兄妹は肝脾腫と骨病変が主症状で,神経症状を伴わず,他の症例に比べ軽症であったことから,p.L349P変異はSAPの高次構造に与える影響が少ないと推測される.この家系では,兄が35歳,妹が30歳の時点で著明な肝脾種,骨粗鬆症,貧血,血小板減少を認めるが,神経症状は認めていない.その他に,SAP-C領域の七つのアミノ酸の欠失を来す変異のホモ接合体の報告がある.報告例の多くがゴーシェ病III型(亜急性神経型)様の病像を呈し,肝脾腫とともに全身性痙攣,ミオクロニー発作,小脳失調,外眼筋麻痺などの重篤な神経症状を呈する.神経病理所見では,神経細胞の脱落,神経細胞内にリポフスチン顆粒や脂質と推測される層状の封入体が認められる.脂質分析で脾臓や肝臓においてGlcCerの蓄積がみられた症例や剖検例で大脳皮質にGlcCerの蓄積がみられた症例の報告がある.GCase活性は正常あるいは軽度低下である.

表2 サポシンC欠損症の主な報告例の遺伝子変異と臨床病型
症例遺伝子変異臨床病型・表現型参考文献
1[p.C382F]+[?]亜急性神経型ゴーシェ病(III型)様:発症様式;4歳ごろ,14歳で死亡Christomanou, et al. 198649) Schnabel, et al. 199151)
2[p.C382G]+[p.Q430X]亜急性神経型ゴーシェ病(III型)様:発症様式;8歳ごろ,15.5歳で死亡Christomanou, et al. 198950) Rafi, et al. 199352) Diaz-Font, et al. 200554)
3[p.C315S]+[p.M1V]亜急性神経型ゴーシェ病(III型)様:発症様式;11歳ごろ,てんかんAmsallen, et al. 200555)
4[p.L349P]+[p.M1L]慢性非神経型ゴーシェ病(I型)様:発症様式;2歳ごろ,肝脾腫,36歳で確定診断Tylki-Szymańska, et al. 200756)
5(症例4の妹)[p.L349P]+[p.M1L]慢性非神経型ゴーシェ病(I型)様:発症様式;症例4の診断後30歳で確定診断Tylki-Szymańska, et al. 200756)
6[p.F342_K348del]+ [p.F342_K348del]亜急性神経型ゴーシェ病(III型)様:Millat G, et al. 200325)

ゴーシェ病に酷似した臨床症状および検査所見を示す症例の中で,白血球や培養皮膚線維芽細胞でのGCase活性が正常あるいは軽度の低下である場合,複数の細胞を用いた酵素活性測定で結果が一致しない場合にはSAP-C欠損症を考慮する必要がある.確定診断にはSAP-Cに対する特異抗体を用いたウエスタンブロット法などでSAP-Cが検出されないことを証明するか,PSAP遺伝子の解析が必要である.

一方,2010年に,我々を含め,二つのグループによってSAP-C欠損マウスが作製された57, 58).我々は,マウスのPsap遺伝子のSAP-C領域の5番目のシステインをセリンに置換する遺伝子変異(C384S)を導入し,SAP-C欠損マウス(Sap-C−/−)を作製した(図5).さらに,ヒトSAP-C欠損症に多く認める複合ヘテロ接合体変異を模倣するために,Sap-C−/−マウスを上述のPSAPへテロマウス(Psap+/−)と交配し,Psapの一方のアレルがnullで他方がSAP-C領域の1アミノ酸置換(C384S)を持つPsap−/C384Sマウスを作製した.Sap-C−/−およびPsap−/C384Sマウスは,正常に出生,発育するが,5か月齢ごろより歩行異常,振戦を呈した.Psap−/C384Sマウスは,Sap-C−/−マウスより早期(3か月齢ごろ)に同様の神経症状を発症し,その進行も速かった.病末期である生後15か月には,歩行障害と下肢の震えによりSap-C−/−およびPsap−/C384Sはほとんど動けなくなったが,肝脾腫や骨病変は認めなかった.生化学的分析の結果,Sap-C−/−Psap−/C384Sマウスともに,生後12か月齢において,いずれの臓器(大脳,小脳,肝臓,脾臓,腎臓)でも,GCaseの基質であるGlcCer, GlcSphに加え,その他の主要なスフィンゴ脂質の有意な蓄積を認めなかった.Sap-C−/−マウスの肝臓のGCaseの酵素活性はTriton X-100存在下,非存在下ともに同胞の野生型に比べて有意に低く,Psap−/−のGCase活性は野生型の60%程度であった.この結果は,SAP-CはGCaseと結合することにより,基質との相互作用を促進するという報告やGCaseの安定化等に関与しているとする報告を支持するものかもしれない59–61).病理学的解析では,Sap-C−/−Psap−/C384Sマウスともに,生後12か月齢でも,肝臓,脾臓にゴーシェ細胞の浸潤は認めなかった.しかし,神経系においては,3か月齢ごろより小脳プルキンエ細胞の選択的かつ進行性の領域特異的な脱落が特徴的であった.加えて,神経細胞の軸策変性を反映した病理像である神経軸索腫大(axonal spheroid)が小脳,脳幹,脊髄と広範囲にわたって観察され,神経軸索の腫大部分には多重膜構造やミトコンドリア様の細胞内小器官が多数観察された.Psap−/C384Sマウスの神経病理所見はSap-C−/−マウスと質的には同様であったが,より重症であった.以上の結果から,我々が作製したSAP-C欠損マウスは,GCaseの基質であるGlcCer, GlcSphの明らかな蓄積を認めず,神経型ゴーシェ病様の症状を示すヒトのSAP-C欠損症とは異なる表現型を呈することが明らかになった.この原因の一つはGSLの代謝経路がヒトとマウスでは異なることに起因すると考えられる.もう一つは,GlcCer, GlcSphの蓄積が領域・細胞特異的に起きているために,検出できていない可能性である.一方で,Sap-C−/−Psap−/C384Sマウスは予想より遅発性ではあるものの,明らかな神経症状を呈した.小脳プルキンエ細胞の特異的脱落や神経軸索腫大は,ニーマン・ピック病C型(Niemann-Pick disease type C:NPC)モデルマウス62)やオートファジー不全モデルマウスの神経病理学的所見の特徴でもある63).これらの結果は,オートファジー/リソソーム系による老廃物や不要な細胞内小器官の分解・排除システムが,軸索の保持や神経細胞の生存にとって必須であることを示唆しており,SAP-C欠損マウスではオートファジー/リソソーム系に異常を来していると考えられる.したがって,SAP-C欠損マウスの神経病態解析は,他の神経型リソソーム病や,パーキンソン病,アルツハイマー病を含む多くの神経変性疾患の病態解明にもつながる可能性があり,今後の検討が必要な領域である.

Journal of Japanese Biochemical Society 89(6): 808-819 (2017)

図5 サポシンC欠損マウスの表現型(文献57より改変引用)

臨床症状:緩徐進行性の神経症状を呈する.生化学的所見:GCaseの活性低下を示すが,その基質の蓄積を認めない.神経病理学的所見:小脳プルキンエ細胞の領域特異的脱落および神経軸索腫大を示す.P:Purkinje cell, ML:molecular layer, GL:granular layer, WM:white matter, LFB-PAS stain:Luxol fast blue-pediodic acid-Schiff stain.

7. SAP-D欠損マウスの作製と表現型の解析

ヒトのSAP-D欠損症の報告はまだなく,SAP-Dはその機能が最も不明なSAPである.我々は,マウスのPsap遺伝子のSAP-D領域の5番目のシステインをセリンに置換する遺伝子変異(C509S)を導入し,SAP-D欠損マウスを作製した(図6A64, 65)in vitroの実験データーから,SAP-DはACDaseの活性化タンパク質であることが推定されたが3),SAP-D欠損マウスはヒトのACDase欠損症で,セラミドが蓄積するLSDであるファーバー病(Farber disease)に類似した表現型,すなわち皮膚・関節病変やセラミドの蓄積は示さなかった.SAP-D欠損マウスの主な臨床症状は運動失調を主とする神経症状と著明な多尿と多飲であった.生化学的分析で,腎臓と小脳において,正常組織ではほとんど同定されないセラミドの脂肪酸鎖の2位の炭素に水酸基を持つセラミド(HFA-ceramide)の蓄積が認められた.この蓄積は表現型が顕著な小脳と腎臓に優位に認められ,病勢の進行ともよく相関していた.病理組織学的解析では,神経系においてはSAP-C欠損マウスに認めたのと同様の小脳プルキンエ細胞の進行性の領域特異的な脱落が特徴的であった.腎臓においては主として腎尿細管細胞の変性壊死と水腎症様変化認めた.これらの結果より,SAP-Dは生体内においてHFA-ceramideの代謝に必須のACDaseの活性化タンパク質であると推定される.SAP-D欠損マウスにおける小脳病変,腎病変がHFA-ceramideの蓄積によるのか,SAP-D自体の機能欠損によるのか,さまざまな可能性があり,その病態メカニズムはまだ明らかではない.一方,セラミドの下流の代謝産物であるスフィンゴシン(sphingosine)をスフィンゴシン1-リン酸(sphingosine 1-phosphate)に代謝する酵素であるスフィンゴシンキナーゼ(sphingosine kinase 1a:SPHK1a)が野生型マウスの小脳プルキンエ細胞に領域特異的なパターンで発現している66, 67).SAP-C欠損マウス,SAP-D欠損マウスともにSPHK1aを発現していない小脳プルキンエ細胞群がより細胞死に至りやすいことから(図6A),GSLの代謝異常が小脳プルキンエ細胞の細胞死に関与している可能性は十分ある.

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図6 サポシンD欠損マウスの表現型(文献64より改変引用)

(A)臨床症状:運動失調を主とする神経症状と著明な多尿と多飲を呈する.生化学的所見:小脳と腎臓にHFA-ceramide(*)の蓄積を認める.神経病理学的所見:小脳プルキンエ細胞の領域特異的脱落を認め,SPHK1aを発現していない小脳プルキンエ細胞群がより細胞死に至りやすい.P:Purkinje cell, ML:molecular layer, GL:granular layer, WM:white matter, V:vessel, LFB-PAS stain:Luxol fast blue-pediodic acid-Schiff stain.(B)SAP-D欠損マウス脳海馬体CA3領域の錐体細胞におけるPSAP免疫陽性物質の異常蓄積.

我々はPSAPのアミノ酸配列のうち,SAP-A, B, C, Dをコードする領域以外の三つのSAP間ペプチド配列を抗原としてPSAP特異抗体を作製した68).このPSAP特異抗体を用いて野生型とSAP-D欠損マウスでPSAPの発現量を比較した.その結果,ウエスタンブロット法で,すべての臓器,特に脳でPSAPの顕著な発現量の亢進がみられた.PSAPのRNAレベルには差が認められなかったことから,PSAPはタンパク質レベルで発現亢進していることが示唆された.免疫組織染色ではSAP-D欠損マウスにおいて脳全体でPSAPの発現が亢進しており,中でも脳海馬体のCA3領域の錐体細胞には特徴的な蓄積像が認められた(図6B).このような局所的な蓄積像は海馬のCA1やCA2領域では観察されなかった.免疫電子顕微鏡観察を行った結果,PSAP免疫陽性物質は神経細胞の小胞体内に異常蓄積していることがわかった68).SAP-D欠損マウスに認めたPSAPの細胞内動態の変化の原因には,少なくとも二つの可能性が考察される.一つは,SAP-Dの領域の三つあるうちの一つのジスルフィド結合を破壊したことにより,PSAPのフォールディングに異常が起き,ERに蓄積した可能性である.もう一つは,SAP-D領域の改変によりPSAPのリソソームへの運搬の一部に異常が起きた可能性である69).ソーチリンによるPSAPの輸送には,PSAPのC末端領域とPSAPの結合が必須であるという報告があること6),同じくジスルフィド結合を破壊したSAP-A欠損マウスやSAP-C欠損マウスではSAP-D欠損マウスに認められるようなPSAPの細胞内蓄積は認めないことから,この可能性が高いと推定している.特定の神経細胞ではPSAPの細胞内輸送障害が神経細胞変性の原因になりうるのかもしれない.

8. SAP, PSAPの新規機能

近年,SAP, PSAPの新規機能の報告がなされている70–77).現在,CD1分子が脂質抗原をNKTリンパ球に提示することがよく知られているが,この際,エンドサイトーシスされた脂質二重膜から脂質抗原を抽出してCD1分子にロードしなければならない.この段階において,SAPが重要な役割を担うことが,ヒトCD1b71)およびヒト72),マウスCD1d73, 74)において示されている.CD1bへの脂質抗原の提示にはSAP-Cが必要であり,マウスCD1dにはSAP-AまたはGM2アクチベータータンパク質のいずれかとの相互作用が必要であることが示唆されている75–77)

一方,2012年にセマフォリン4A(Semaphorin 4A:Sema4A)が網膜色素上皮細胞からのPSAPの分泌に関わり,その遺伝的欠損はヒトおよびマウスにおいて網膜色素変性症を引き起こすことが報告された78).この結果は,PSAP自体が網膜において重要な機能を持つことを示唆している.

最近,前頭側頭葉変性や神経セロイドリポフスチン症(NCL)の原因遺伝子の一つとして見いだされたプログラニューリン(progranulin:PGRN)の細胞内外での輸送にPSAPが関与しているとの報告が複数なされた79–82).PGRNはgranulin(GRN)の前駆体タンパク質で,12個のシステインを持ち,7.5回の繰り返しモチーフ構造を持っている.PSAPと非常に類似した構造を持つPGRNの輸送にPSAPが関与していること,その輸送障害が神経変性疾患を呈するということは非常に興味深い.

9. おわりに

リソソーム蓄積病の多く,中でも,GSLのリソソームにおける分解異常症,スフィンゴリピドーシスは小児期発症の重篤な神経病態を呈する希少難病であるが,その神経病態の分子メカニズムは十分には解明されていない.近年,ゴーシェ病の責任遺伝子GlcCer-β-glucosidase(GBA)のヘテロ接合性変異がパーキンソン病の危険因子であることが明らかになった83).これをきっかけに,スフィンゴリピドーシスと成人期発症の神経変性疾患との共通した病態メカニズムの存在に注目が集まっている2).我々は,GSLの分解に必須である,スフィンゴ脂質活性化タンパク質,SAP, PSAPに着目し,SAP-A, C, Dの特異的欠損マウスを作製,解析してきた.我々の作製したSAP欠損マウスの解析成果は,GSL, SAPおよびPSAPがさまざまな生命現象および病態に関与していることを個体レベルで示しており,今後もSAPおよびPSAPの新規機能の発見やさまざまな神経変性疾患の病態解明に役立つと考える84)

謝辞Acknowledgments

本稿で紹介した研究の多くは著者の留学時代の恩師である鈴木邦彦先生,鈴木衣子先生をはじめ,徳島大学医学部小児科学教室,東海大学糖鎖科学研究所,川崎医科大学での多くの先生方や同僚との共同研究の成果であります.サポシン,プロサポシンはその発見から50年以上の年月がたっていますが,まだまだ不明な点も多い分子です.これからもサポシン,プロサポシンの新規機能の解明に挑戦していきたいと思います.

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著者紹介Author Profile

松田 純子(まつだ じゅんこ)

川崎医科大学病態代謝学教授.博士(医学).

略歴

1989年徳島大学医学部医学科卒業.同年徳島大学医学部附属病院小児科医員.90年高松赤十字病院小児科研修医.91年四国がんセンター小児科研修医.92年阿南共栄病院小児科医師.93年徳島大学医学部附属病院小児科医員.98年ノースカロライナ大学医学部神経科学センターポスドク研究員.2001年徳島大学医学部小児科医員.04年徳島大学医学部発生発達医学講座小児医学分野助手.05年東海大学未来科学技術共同研究センター糖鎖工学研究施設特任助教授.06年東海大学未来科学技術共同研究センター糖鎖工学研究施設専任准教授.11年東海大学糖鎖科学研究所専任教授.13年川崎医科大学学長付特任教授.16年川崎医科大学病態代謝学教授.

研究テーマと抱負

スフィンゴ糖脂質代謝に関わる遺伝子改変マウスや細胞を用いて,スフィンゴ糖脂質の生理機能,病態解明に取り組み,生命現象の謎に迫るとともに,その成果を医療の現場に繋げる事を目指します.

ウェブサイト

http://www.kawasaki-m.ac.jp/med/study/info.php?id=211

趣味

ドライブ,読書.

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