ペルオキシソームの恒常性と生理機能制御
九州大学生体防御医学研究所 ◇ 〒812–8582 福岡市東区馬出3–1–1
発行日:2018年2月25日
真核細胞の細胞小器官(オルガネラ)は細胞の機能発現の中心的役割を果たしており,なかでもペルオキシソームは極長鎖脂肪酸のβ-酸化反応,エーテルリン脂質の生合成など多岐にわたる代謝機能を有する.ヒト先天性ペルオキシソーム欠損症の一次的病因の解明は,多くのペルオキシソーム形成因子(ペルオキシン)の同定とそれらペルオキシンの協調的な機能発現に基づくペルキシソームの恒常性維持機構の理解を飛躍的に進展させた.さらに,ペルオキシソーム欠損症の病態解明を目的としたペルオキシソームの代謝機能とその制御機構の解明は,他のオルガネラとペルオキシソームの連携に基づくペルオキシソームの新たな生理機能の理解へと進展しつつある.本稿では,ペルオキシソームの恒常性および生理機能とその制御機構に関して最新の知見を概説する.
© 2018 公益社団法人日本生化学会
This page was created on 2018-01-15T13:26:26.879+09:00
This page was last modified on 2018-02-19T15:45:46.103+09:00
このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。