Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 90(1): 27-34 (2018)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2018.900027

特集Special Review

神経軸索におけるオートファジーとその破綻Axonal autophagy and its disruption in human diseases

名古屋大学大学院医学系研究科生物化学講座Department of Biochemistry, Nagoya University Graduate School of Medicine ◇ 〒466–8550 愛知県名古屋市昭和区鶴舞町65 ◇ 65 Tsurumai-cho, Showa-ku, Aichi, Nagoya 466–8550, Japan

発行日:2018年2月25日Published: February 25, 2018
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病理学の講義で,なぜ神経細胞は変性し,上皮細胞は変性しないのか?なぜ封入体(inclusion body)はこうも神経組織にだけ特異的にみられるのか?という単純な疑問を筆者は抱いた.神経細胞は細胞分裂を終えた細胞であるとともに,それ以上に巨大で高度に区画化された特殊な細胞である.これらの特殊性が,何かある特定の生物機構の破綻に対して脆弱性を与えているのではないだろうか? オートファジーは,この問いに対する有力な答えの一つである.本稿では,そのような観点から神経細胞,特に神経軸索におけるオートファジーについて概説するとともに,この破綻でもたらされうる神経疾患について解説したい.

1. はじめに

いうまでもなく,現代は物質文明である.我々の社会においては,モノが絶え間なく生産され続け,高度に発達した交通網で輸送され,消費者の元に届けられる.さらには消費されたものは適切に廃棄されたり,リサイクルされたりしなければならない.ここでもやはり整然とした輸送手段や廃棄工場が必要となる.我々の身体を構成する最小単位である細胞においてもこれは同じで,新規に合成されたタンパク質などの生体高分子や,ミトコンドリアなどの細胞小器官は,微小管や小胞輸送系を介して細胞内の適切な位置へと適切なタイミングで供給されなければならない.役目を終えたり使い古されたりした生体分子は,速やかに分解されるか,あるいはリサイクルされる.細胞内でこの役目を担うシステムはユビキチン–プロテアソーム系とリソソーム系である.リソソーム系はさらに,細胞表面分子を主に標的とするエンドソーム–リソソーム系と,細胞内分子を標的とするオートファゴソーム–リソソーム系とに分けられるが,後述するように両者がオーバーラップする機構も存在するため,厳密に区別するのは難しい.本稿では,オートファゴソームの関わる機構をすべて「オートファジー」と呼ぶ.

オートファジーは,隔離膜と呼ばれる二重膜構造が主として小胞体–ミトコンドリアの接触部位より生じることから始まる.隔離膜は標的となる生体高分子や細胞小器官を取り込み,両端を閉じてオートファゴソームとなる.オートファゴソームはリソソームと融合し,オートリソソームとなり,リソソーム由来の各種分解酵素により内容物が消化される.後述するようにリソソームと融合する前に細胞膜由来のエンドソームと融合しアンフィソームと呼ばれる構造を形成する場合もある.

オートファジーの詳細な分子機構については他の総説に詳しく1, 2),ここではオートファジーの開始からオートファゴソーム完成までを簡単に述べるにとどめる.オートファジーの開始に必須であるのがULK1複合体である.この複合体はULK1, Atg13, FIP200およびAtg101から構成され,mTORC1(mammalian target of rapamycin complex 1)およびAMPK(AMP-activated protein kinase)により活性が制御される.すなわちアミノ酸飢餓や低レベルのATPといった栄養飢餓ストレスにより活性化を受ける.ULK1はセリン・トレオニンキナーゼであり,Beclin1をリン酸化する.この結果VPS34を酵素活性の本体とするクラスIII PI3K(phosphatidylinositol 3-kinase)複合体が活性化される.PI3Kは特定の膜ミクロドメイン中のホスファチジルイノシトール3-リン酸(PtdIns3P)濃度を上昇させ,種々のPtdIns3P結合タンパク質(WD-repeat protein interacting with phosphoinositide:WIPI)をリクルートする.WIPIを介してAtg12–Atg5–Atg16L1複合体が隔離膜へと誘導され,さらなる隔離膜の伸長が起こる.Atg16L1はLC3の脂質化活性(ホスファチジルエタノールアミン化:PE化)活性を持っており,脂質化され隔離膜に挿入されたLC3(LC3-II)は隔離膜を閉鎖させ,オートファゴソームが完成する.

オートファジーは,あらゆる細胞に普遍的に保存された機構であるが,とりわけ神経細胞にとってきわめて重要な機構であると考えられている3).これを端的に示したのがAtg54)およびAtg75)の中枢神経特異的ノックアウトマウスである.これらノックマウスは一見正常に生まれるものの,加齢とともに神経細胞内にユビキチン陽性の封入体が観察されるようになり,また神経細胞が変性・脱落していく.またこれに伴い神経機能障害の徴候がみられ,マウスは死亡する.すなわち,これらマウスはヒトの神経変性疾患をよく模倣しているといえる.

なぜオートファジーの欠損は中枢神経系に特に重篤な影響を及ぼすのであろうか? 神経細胞は,細胞分裂を終え終末分化した細胞であり,生涯にわたって神経活動を営む.そのためダイナミックな分子の新陳代謝も生涯にわたって続くことを余儀なくされ,その一翼を担うオートファジーが細胞の機能と生存にとってとりわけ重要となると考えられる6)

本稿では,神経細胞,特に神経軸索におけるオートファジーとその破綻について引き起こされる疾患について紹介したい.

2. 神経軸索におけるオートファジー

神経細胞は,高度に区画化された終末分化細胞であり,情報の入力部位である樹状突起と,核を内包する細胞体,および情報の出力部位である神経軸索からなる.神経軸索は通常1本であり,近位端(細胞体側)より,軸索起始部,シャフト部,そして遠位端である成長円錐あるいはシナプス前部へとやはり機能的に区画化されている.神経細胞におけるオートファジーは神経細胞内で均一に起こっているのではなく,もっぱら神経軸索,特に軸索遠位端で活発であることが知られている7).この理由は不明であるが,一つには,軸索遠位端は分子のターンオーバーがきわめて活発であることが推測される.特に軸索遠位端には細胞体からミトコンドリアが活発に輸送されているが,老化したミトコンドリアは軸索遠位端における重要なオートファジー基質であると考えられる8).これら神経軸索遠位端におけるオートファジーは,栄養飢餓によっても増強されないことから9),基底レベルのオートファジーであり,栄養供給ではなく細胞内高分子の品質管理が主な目的であることが想定される.

軸索先端部におけるオートファジーの概略を図1に示す.ここでのオートファゴソームの起源は,DFCP1陽性の小胞体サブドメインであり,ミトコンドリアや形質膜を要しない9).リソソームは樹状突起を含む神経細胞の全区画にみられるが,軸索へはBORC/Arl8b/SKIP/kinesin-1モータータンパク質複合体による能動的でかつ選択的な輸送が行われている10).実際にリソソームの神経軸索への順行性輸送を阻害することにより,軸索先端部にオートファゴソームの異常蓄積が観察されることから10),軸索先端部にはオートファジー系の進行に必要な構成要素はすべてそろっていると考えてよい.軸索先端部で完成したオートリソソームは神経軸索シャフト内の微小管上を細胞体方面へと逆行性に輸送される7).輸送に伴い,オートリソソームの酸性化と内容物の分解が漸次的に進むことから,微小管上のオートリソソームに次々とリソソームが融合していくモデルが予想されている11, 12)

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図1 神経軸索先端部におけるオートファジー

軸索先端部ではDFCP1陽性の小胞体サブドメインから隔離膜が生じる.完成したオートファゴソームはリソソームと融合して,Dynein/Dynactin複合体により微小管上を細胞体方面へと逆行性に輸送される.JIP1あるいはHuntingtinは逆行性輸送を促進する.輸送中にもリソソームが次々と融合し,オートリソソームの成熟が起こる.

このようなオートファゴソームの逆行性輸送は細胞内シグナルにも関与している可能性がある.神経栄養因子BDNF(brain-derived neurotrophic factor)は軸索先端部で受容体TrkBと結合してこのクラスリン依存性エンドサイトーシスを誘導する.TrkBを含む小胞は軸索内を逆行性に輸送され,核へと神経細胞の生存シグナルを伝播する.このとき,TrkBの一部はオートファゴソームに移行し,軸索内を逆行性に輸送される.クラスリン結合タンパク質AP-2をノックダウンすることにより,TrkBのエンドソームからオートファゴソームへの移行を阻害すると,BDNF–TrkBによる生存シグナルが減弱し,神経細胞は変性・脱落する13).このことは,オートファジーが単なる生体高分子の分解の場としてではなく,細胞内シグナルを能動的に伝播するためのシグナリングオルガネラとしての機能を持つ可能性を示唆する.

3. オートファジー破綻による神経疾患

一般に,オートファジー自体はおよそ10~20分間という短い時間で完了する過程であるが,上述のように神経細胞は巨大であり,軸索内のオートリソソームの輸送も考慮すると,数時間から数日単位といった長期にわたる可能性もある.表1に示すように,これまでにオートファジーのあらゆる段階の障害に起因すると考えられる神経変性疾患が報告されている.この節ではこれらの病態について解説したい.

表1 オートファジーの各段階における障害と神経変性疾患
段階責任分子病態機序文献
1. 開始障害
SENDAWIPI4脂質結合タンパク質の異常14
2. 基質取り込み障害
ハンチントン病polyQ-Huntingtin凝集体形成・蓄積12, 17, 20
筋萎縮性側索硬化症p62, OPN, TBK1オートファジー受容体の機能障害22~24
パーキンソン病PINK1, PARKINミトファジー不全29~34
3. 成熟障害
アルツハイマー病PICALMSNAREタンパク質の不足35, 36
筋萎縮性側索硬化症Alsin初期エンドソームとの融合障害37, 38
4. 輸送障害
Perry症候群Dynactinモータータンパク質機能異常40
下位運動ニューロン病Dynactinモータータンパク質機能異常41
5. リソソーム障害
球脊髄性筋萎縮症polyQ-ARTFEBの転写阻害42, 44
アルツハイマー病Presenilin1リソソームの酸性化不足45, 46
パーキンソン病ATP13A2リソソームの酸性化不足47, 48

1)オートファジー開始障害による疾患

SENDA(static encephalopathy of childhood with neurodegeneration in adulthood)はNIBA(neurodegeneration with brain iron accumulation)と呼ばれる,大脳基底核への鉄の沈着がみられる一群の神経変性疾患群の一つであり,幼少期にみられる非進行性の精神遅滞と成人になって顕在化する認知症などの神経徴候を特徴とする.SENDA患者5名を対象とした解析により,そのすべてにX染色体上のWDR45遺伝子に付加ないしは欠損が同定された14)WDR45遺伝子は酵母Atg18のホモログであり,PtdIns3P結合タンパク質であるWIPI4をコードする,隔離膜の形成に必須の分子である.SENDA患者でみられる変異型WIPI4はPtdIns3P結合ドメインを欠き,また安定性に乏しく,SENDA患者由来のリンパ芽球ではオートファジーの活性が著しく低下していた.本結果はヒトの疾患においてオートファジーの開始障害が病因であることを遺伝子レベルで明らかにした初めての報告である.

2)基質取り込み障害による疾患

隔離膜,ないしはオートファゴソームの形成に異常がなくとも,その基質となる分子をオートファゴソームに取り込む段階に異常があり,結果として異常なオートファゴソームや凝集体が細胞に蓄積する神経疾患は多岐にわたる6).とりわけ,凝集したタンパク質をオートファジーにより分解するには,特異的「受容体」による凝集体の認識がオートファゴソームに取り込まれるために必須であり,このような機構は総じてアグリファジーと呼ばれる(図2).またこのような受容体は特にオートファジー受容体と呼ばれ,哺乳類ではp62やOptineurinなど,すでに20以上の分子がオートファジー受容体として機能することが明らかにされている.オートファゴソーム膜に内包されるため,分子内にLC3結合ドメイン(LC3-interacting region:LTR)を持つことが特徴で,さらにユビキチン会合ドメイン(ubiquitin association domain:UBA)を持つものが多い.これはタンパク質凝集体の多くが,廃棄されるべき基質としてユビキチン化による付箋紙を貼られるためである.オートファジー受容体自体も翻訳後修飾による活性化調節を受けることがあり,たとえばp62はCK2(casein kinase 2)あるいはULK1により,UBA内のセリン残基がリン酸化を受け,ユビキチンとの相互作用が増強される15).またOptineurin(OPN)はTBK1(TANK binding kinase 1)によりセリンのリン酸化を受けることにより,LC3との親和性が強くなる16).このようなオートファジー受容体の翻訳後修飾は,異常凝集体のオンデマンドの品質管理機構が存在することを示唆する.

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図2 アグリファジー

細胞内で形成された凝集体は速やかにユビキチン化(Ub)を受け,オートファジー受容体のUBA(ユビキチン会合ドメイン)による認識を受ける.さらにこの複合体はオートファジー受容体のLTR(LC3結合ドメイン)と隔離膜内膜のLC3によりオートファゴソームへと取り込まれる.

a.ハンチントン病

ハンチントン病(Huntington’s disease:HD)は尾状核の変性萎縮と不随意運動(舞踏様運動)を特徴とする常染色体優性遺伝性の神経変性疾患で,わが国では人口100万人に1人の発症率とされる.特徴的な臨床所見より,かつてはハンチントン舞踏病と呼ばれた.原因遺伝子はHttであり,Huntingtin(HTT)をコードする17).HTTはN末端にグルタミンリピート(polyQ)を持つが,患者HTTではこのリピートが異常に延長している(polyQ-HTT).polyQ-HTTは易凝集性を示し,これはアグリファジーのよい基質となる.実際にp62やTollipなどのさまざまな分子がpolyQ-HTTのオートファジー受容体として同定されている18, 19).しかしながら,HD患者の神経細胞にはpolyQ-HTTの凝集体が実際に認められる.

この理由として,現在野生型HTTの機能が注目されている.野生型HTTは約330 kDaの巨大タンパク質であるが,分子内に酵母ATG23, Vac8,およびATG11と相同性を持つドメインを持つ.これら酵母ホモログは,選択的オートファジーに必須の分子である.またRuiらは野生型HTTがULK1およびp62と相互作用することを見いだした20).上述のようにULK1はオートファジーの開始に必須の分子であるが,通常mTORC1によるリン酸化により負に制御されている.野生型HTTはmTORC1競合的にULK1と相互作用し,ULK1によるオートファジー開始をサポートする.通常,神経変性疾患では,オートファジー自体の活性はほぼ変わらないと考えられているが,HDに限ってはオートファジー活性が著しく低下していることが知られており,ULK1を介したメカニズムはこの現象をよく説明できる.また野生型HTTはオートファジー受容体p62とも相互作用し,p62による他のユビキチン化基質の取り込みを促進する.さらに野生型HTTはオートファゴソームの輸送にも関与する.HTTはHAP1(Huntingtin associated protein 1)とともにDynein–Dynactinモータータンパク質と相互作用し,オートリソソームの逆行性輸送を促進する12).polyQ-HTTはオートリソソームに局在できるものの,モータータンパク質の制御が障害されており,この結果,オートリソソームの輸送は著しく停滞し,内容物の分解も遅延する.このようにHDではpolyQ-HTTによる細胞毒性に加え,野生型HTTの機能喪失によるオートファジーのさまざまな段階での障害が病態の根底にあると考えられている.

b.筋萎縮性側索硬化症

筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)は上位・下位運動ニューロンともに障害される進行性の運動神経変性疾患である.脳神経系も侵され,球麻痺も出現するが,外眼筋の障害はない.症例の10%が家族性であり,この中ではSOD1遺伝子の変異が最も多くみられる21).この他にも,これまでに多くのALS脆弱性遺伝子が報告されているが,この中にp62およびOPNの二つのオートファジー受容体遺伝子が含まれる22, 23).また近年のエクソーム解析により,TBK1もALS脆弱性遺伝子であることが同定された24).前述のようにTBK1はOPNといったオートファジー受容体の活性を制御するセリン・トレオニンキナーゼである.

p62の変異は孤発性・家族性の両方のALS患者にみられる.この変異により,アグリファジーの障害が起こることが予想されるが,個別の変異の細胞生物学的な影響の詳細はまだ不明である.

OPNはもともと開放隅角緑内障の原因遺伝子の一つとして同定されていたが25),後に家族性ALSにおいても,いくつかの変異が同定された.これら変異体の発現により,OPN自体が細胞内に凝集体を形成する23).さらにALS患者の脊髄前角運動神経細胞中にもOPNの凝集体がみられることから,変異OPNによるアグリファジーの阻害や,OPN変異体自身の易凝集性が想定されるが,詳細な病態との関連はやはりいまだ不明である.

3)ミトファジー障害による疾患

ミトコンドリアは好気呼吸の場として,生体内のエネルギーの約90%を産生している.その代償として多量の活性酸素種(reactive oxygen species:ROS)を発生する.これら活性酸素種は,ミトコンドリアタンパク質自体はもとより,ミトコンドリアDNA自体にも障害を与え遺伝子変異を誘発する.このようにミトコンドリアは慢性的なストレス下にあり,老化したり異常を来したりしたミトコンドリアは速やかに除去されなければならない.これを主に担っているのがやはりオートファジーで,このようにミトコンドリアを基質とした場合,特に「ミトファジー」として区別されることが多い8).この機構はアグリファジーときわめてよく似ており,VDAC1(voltage-dependent anion selective channel 1)やMIRO1(mitochondrial RHO GTPase 1)といったミトコンドリアタンパク質のユビキチン化とオートファジー受容体(p62あるいはOPN)を介したオートファゴソームへの取り込みが重要である26, 27)図3).またNIXをオートファジー受容体としてユビキチンを介さないミトコンドリアの取り込み経路もあり,これは特に網状赤血球から成熟赤血球への分化過程において重要な機構である28)

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図3 ミトファジー

PINK1は膜電位を保持した健常ミトコンドリアからは恒常的に排出され分解されている.この過程はMIC60による制御も受けている.ミトコンドリアが老化や障害により膜電位を喪失すると,PINK1がミトコンドリア外膜へとリクルートされる.PINK1はミトコンドリア上でPARKINおよびユビキチン(Ub)をリン酸化する(丸囲みのPで表す).自身のリン酸化とリン酸化ユビキチンによる活性化を受けたPARKINはVDAC1, MIRO1などのミトコンドリアタンパク質をユビキチン化し,ミトファジーを誘導する.

ミトファジーの異常が病態の本質であると考えられている神経変性疾患の代表がパーキンソン病(Parkinson’s disease:PD)である.PDはアルツハイマー病(AD)に次いで多くみられる変性疾患で,中脳黒質のドパミン作動性ニューロンの選択的変性・脱落を特徴とする.黒質−線条体の障害のため,患者は振戦・固縮など,パーキンソン症候と呼ばれる特徴的な錐体外路徴候を示す.

PDは一般には40歳代以降に孤発性に発症することが多いものの,家族性・若年性に発症するタイプ(若年性PD)もあり,この原因遺伝子として同定されたのがPARKINPARK229)およびPINK1PARK630)である.それぞれE3ユビキチンリガーゼであるPARKINとセリン・トレオニンキナーゼであるPINK1(PTEN-induced putative kinase 1)をコードする.

健常ミトコンドリアではミトコンドリアタンパク質MIC60がPKAにより絶えずリン酸化を受け,PINK1をミトコンドリアから排斥している31).老化し,膜電位を消失した異常ミトコンドリアでは,MIC60のリン酸化が低下し,PINK1はMIC60を介してミトコンドリア外膜に集積し,自己リン酸化によりさらに活性化を受ける.活性化したPINK1はPARKINをリン酸化する一方,ユビキチン鎖の65番目のセリン残基をリン酸化する32).面白いことにリン酸化ユビキチンはPARKINのユビキチンリガーゼ活性をアロステリックにかつ正に制御する33).PARKIN自身のリン酸化と,リン酸化ユビキチンによる制御により活性化したPARKINはミトコンドリアへと移行し,上述のミトコンドリアタンパク質をユビキチン化することにより,ミトファジーの引き金を引く34)図3).PDは変異型PARKINやPINK1の酵素活性や基質認識に障害があり,ミトファジーが破綻した結果,不良ミトコンドリアからの活性酸素種により引き起こされる神経変性と考えられる.

4)オートファゴソーム成熟障害による疾患

上述のように神経細胞においてオートファジーは軸索先端部で活発に起こっており,速やかにリソソームと融合しオートリソソームとなる.初期エンドソームと融合してアンフィソームとなる場合もある.本節では,オートファゴソームと他の膜小胞との融合障害による疾患について述べる.

a.アルツハイマー病

16,000人以上を対象としたゲノムワイド関連解析により,PICALM変異がアルツハイマー病(Alzheimer’s disease:AD)の危険因子であることが明らかにされた35).PICALM(phosphatidylinositol binding clathrin assembly protein)はクラスリンとアダプタータンパク質AP-2を細胞表面へとリクルートし,クラスリン依存性エンドサイトーシスの開始点を決定するタンパク質である.言い換えると,膜とその構成成分の量的・位置的情報をコードするタンパク質である.実際にPICALMは細胞表面からのVAMP2, VAMP3,およびVAMP8といったSNAREタンパク質のエンドサイトーシスに関わっている36).特にVAMP8は,オートファゴソームとリソソームの融合を担うリソソーム側のv-SNAREタンパク質であり,PICALMの欠損により,VAMP8の絶対量が不足し,オートリソソームの形成が著しく阻害される.

b.筋萎縮性側索硬化症(ALS)

ALSの原因遺伝子として新規に発見されたALS2はRab5のGEF(guanine-nucleotide exchange factor)であるAlsinをコードし,Rab5の活性を調節する37).Rab5は主に初期エンドソームに局在する低分子量Gタンパク質であり,この細胞内輸送と小胞融合を制御する.Alsinはオートファゴソーム上にも認められる一方,Alsinをノックアウトするとオートファゴソームが異常蓄積することから,Alsinは初期エンドソームとオートファゴソームの融合,すなわちアンフィソームの形成に必須の分子と推定される38)

4. オートファゴソーム輸送障害による疾患

上述のように,神経細胞においてオートファジーは軸索先端部で活発に起こっており,生成されたオートファゴソームは微小管を介して細胞体へ(マイナス端へ)と逆行性に輸送される.微小管上の逆行性輸送にはモータータンパク質Dyeninとその活性化因子Dynactinを要し,これはオートファゴソームの輸送においても変わらない7).またHTT12)およびJIP139)がオートファゴソームとモータータンパク質をつなぐアダプター分子として働き,特に逆行性の輸送を増強していると考えられる.このようなモータータンパク質,輸送機構に障害が起こることにより発生すると考えられる変性疾患も数多く,特に長い投射経路を持つ神経回路が侵されやすい.

Perry症候群はきわめてまれな遺伝性神経変性疾患で,わが国においてもわずか2家系のみの報告にとどまる.神経細胞にTDP-43陽性の封入体がみられ,患者はパーキンソン症候,うつ,肺胞低換気を呈する.Perry症候群8家系を対象とした解析において,すべての家系においてDynactinのCAP-Glyドメインにアミノ酸置換を伴う変異が同定された40).CAP-Glyドメインは微小管との結合を担う領域であり,これら変異体は微小管との結合が著しく減少していた.この領域の変異は下位運動ニューロン病の家系においても報告されており41),逆行性輸送の障害が多様な病態を引き起こすことが想定される.

5. リソソーム機能障害による疾患

オートファゴソームの形成や,リソソームとの融合に問題がなくとも,リソソームの量的・質的な機能の障害によって,オートリソソームで内容物の消化が適切に行われない場合がある.

1)球脊髄性筋萎縮症

球脊髄性筋萎縮症(spinal-bulbar muscular atrophy:SBMA)は伴性劣性遺伝を示す緩徐進行性の下位運動ニューロン病で,球麻痺および四肢近位筋優位の筋萎縮を起こす.原因遺伝子として,X染色体長腕に存在するAR遺伝子が同定されている42).本遺伝子ではCAGリピートが存在するが,患者ではこのリピートが異常伸長しており,AR遺伝子のコードするアンドロゲン受容体(AR)においてもHTT同様,ポリグルタミンの異常伸長した変異型のタンパク質がみられる(polyQ-AR).polyQ-ARは活性低下型のため,アンドロゲンシグナルの低下により,患者では女性化乳房,睾丸萎縮などのアンドロゲン不全症を示す場合もある.しかしながら,アンドロゲン不全が神経変性を起こすとは考えにくい.polyQ-ARの病態生理学的な機構として,リソソーム新生が関わっていることが明らかにされた.

TFEBはリソソーム新生に関わる転写因子で,リソソームの構造タンパク質,酵素,イオンチャネルなど多様なリソソーム関連遺伝子の転写を制御している.この遺伝子ネットワークはCLEAR(coordinated lysosomal enhancement and regulation)networkと呼ばれ,TFEBは細胞内のリソソームの絶対量を規定するマスター分子であると考えられている43).野生型ARはTFEBと直接相互作用し,その転写活性を増強するが,polyQ-ARはTFEBとの結合は保持しているものの,TFEBの転写活性を阻害する44).polyQ-ARを細胞に発現させると,オートファジー自体は正常に開始されるものの,オートリソソームの形成が著しく阻害された.さらにSBMAモデルマウスの運動ニューロンにおいてもオートファゴソームの過剰蓄積と,オートリソソームの低形成が観察された.このことから,SBMAにおいてはpolyQ-ARによりTFEB転写活性の阻害とリソソーム絶対量の不足が起こっており,結果としてオートファゴジー系が著しく低下している可能性が考えられる.

2)アルツハイマー病(AD)

ADの病理学的特徴の一つである老人斑の本体はβ-アミロイドであり,APPより2種類のタンパク質分解酵素,β-secretaseとγ-secretaseにより切り出されたAβ40およびAβ42がその実体である.PSEN1は家族性アルツハイマー病(familial AD:FAD)の病因遺伝子として同定された45).現在作製されたADモデル動物においても,PSEN1のFAD変異が頻繁に利用されている.PSEN1の遺伝子産物であるPresenilin1(PS1)はγ-secretase複合体の触媒ユニットと考えられており,このFAD変異により,より凝集性の高いAβ42の産生が増えることが老人斑の形成とADの発症に関わっている.

近年,PS1のリソソーム機能に関する新しい役割が明らかにされた46).v-ATPaseはリソソームに局在するプロトンポンプであり,ATPを消費してリソソーム内にプロトン(H)を取り込む.この結果リソソーム内はpH 4.5~5程度の弱酸性に保たれており,これはリソソーム酵素のプロセシングや酵素活性にとって至適pHである.v-ATPaseが小胞体−ゴルジ体系からリソソームに局在するには,v-ATPase V0a1ユニットのN型糖鎖付加が必要であるが,PS1はこの糖鎖付加における分子シャペロンとして機能する.すなわち,PS1はv-ATPase V0a1ユニットと直接相互作用し,N型糖鎖付加を促進する.PS1FAD変異を持つ患者由来の線維芽細胞では,リソソームの酸性化が著しく阻害され,タンパク質分解能が著しく低下している.

3)パーキンソン病(PD)

若年に発症し,常染色体劣性遺伝を示す家族性PDの家系の原因遺伝子としてATP13A2PARK9)遺伝子の変異が知られている47)ATP13A2遺伝子はリソソームのP型ATPaseをコードし,やはりリソソームの酸性化に必要なタンパク質であり,ATP13A2の欠損によりやはりリソソームの機能不全と神経細胞の変性が確認される48)

6. おわりに

筆者らのグループは,外傷を受け,切断された中枢神経軸索では,軸索先端部でのオートファゴソームの成熟障害が起こっていることを見いだした.脊髄損傷などで神経回路が断絶されると,二度と回路の再生・再編が起こらないが,やはりオートファジーの破綻こそが,その細胞生物学的な基盤であると考えている(坂元ら,論文改訂中).本稿では主に神経変性疾患におけるオートファジーの破綻について紹介したが,外傷や梗塞など,もっと広範な神経病態でオートファジーの破綻が起きている可能性がある.

本稿を執筆して気づいたことは,同じオートファジーの異常であっても,障害されている段階や分子の違いで,変性を受ける神経細胞・回路にかなり特異性がみられることである.これはもちろん,神経細胞ごとの遺伝子発現やその分子への依存度,凝集体や老化ミトコンドリアなどの毒性閾値の違いなどによるものであろう.地道な作業であるが,このような違いを明らかにすることが,さまざまな変性疾患を克服するための近道かもしれない.

引用文献References

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8) Youle, R.J. & Narendra, D.P. (2011) Nat. Rev. Mol. Cell Biol., 12, 9–14.

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16) Wild, P., Farhan, H., McEwan, D.G., Wagner, S., Rogov, V.V., Brady, N.R., Richter, B., Korac, J., Waidmann, O., Choudhary, C., Dötsch, V., Bumann, D., & Dikic, I. (2011) Science, 333, 228–233.

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45) Sherrington, R., Rogaev, E.I., Liang, Y., Rogaeva, E.A., Levesque, G., Ikeda, M., Chi, H., Lin, C., Li, G., Holman, K., Tsuda, T., Mar, L., Foncin, J.F., Bruni, A.C., Montesi, M.P., Sorbi, S., Rainero, I., Pinessi, L., Nee, L., Chumakov, I., Pollen, D., Brookes, A., Sanseau, P., Polinsky, R.J., Wasco, W., Da Silva, H.A., Haines, J.L., Perkicak-Vance, M.A., Tanzi, R.E., Roses, A.D., Fraser, P.E., Rommens, J.M., & St George-Hyslop, P.H. (1995) Nature, 375, 754–760.

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47) Ramirez, A., Heimbach, A., Gründemann, J., Stiller, B., Hampshire, D., Cid, L.P., Goebel, I., Mubaidin, A.F., Wriekat, A.L., Roeper, J., Al-Din, A., Hillmer, A.M., Karsak, M., Liss, B., Woods, C.G., Behrens, M.I., & Kubisch, C. (2006) Nat. Genet., 38, 1184–1191.

48) Dehay, B., Ramirez, A., Martinez-Vicente, M., Perier, C., Canron, M.H., Doudnikoff, E., Vital, A., Vila, M., Klein, C., & Bezard, E. (2012) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 109, 9611–9616.

著者紹介Author Profile

坂元 一真(さかもと かずま)

名古屋大学大学院医学系研究科生物化学講座助教.博士(医学).

略歴

名古屋大学医学部医学科卒.2011年同大学院医学系研究科博士課程修了.博士(医学)取得.名古屋大学大学院医学系研究科生物化学講座研究員.名古屋大学高等研究院YLC特任助教を経て16年5月より現職.

研究テーマと抱負

神経軸索の病態とその分子基盤.特に損傷軸索における受容体型チロシンフォスファターゼの役割態ついて明らかにし,その制御に取り組んでいきたい.

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