エンドソームの機能破綻に起因する疾患とその発症メカニズム
東京大学大学院薬学系研究科疾患細胞生物学講座 ◇ 〒113–0033 東京都文京区本郷7–3–1
発行日:2018年2月25日
細胞膜によって形成されるクラスリン小胞やファゴソームなどを通じて,細胞が細胞外物質を取り込む営みをエンドサイトーシスと呼ぶ.ロシアの細菌学者Elie Metchnikoffが,エンドサイトーシスによって取り込まれた細胞外物質が細胞内で分解されることを発見してから100年以上が経過した.現在では,細胞内に取り込まれた物質は分解されるだけでなく,エンドソームと呼ばれるオルガネラを通じて,細胞膜やゴルジ体にも輸送されることが明らかになっている.この物流システムの破綻は,がん,アルツハイマー病,免疫疾患など多様な疾患の原因となっていることから,エンドサイトーシス経路の分子レベルでの理解は重要である.本稿では,物質のリサイクルを中心に行うリサイクリングエンドソームに特に焦点をあて,その最新の知見を紹介する.
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