リソソームの生理機能制御とリソソーム病における異常
徳島大学大学院医歯薬学研究部・創薬生命工学分野 ◇ 〒770–8505 徳島県徳島市庄町1–78
発行日:2018年2月25日
リソソームは,酸性で働く種々のリソソーム酵素を内包しており,細胞内外から取り込まれた生体分子を加水分解する細胞内オルガネラの一つである.近年,オートファジー研究の進展やリソソーム生合成のマスター遺伝子であるtranscription factor EBの発見により,その生理的役割や病態への寄与について注目が集まっている.リソソーム病は,リソソーム酵素の遺伝的欠損により発症する先天性代謝異常症である.これまで我々は中枢神経症状を呈するリソソーム病のモデルマウスを用いて病態解析を行い,グリア細胞の活性化が病態進展に影響を与えていることを明らかにしている.また,改変型リソソーム酵素を作製し,新規の治療法を試み,モデルマウスで治療効果があることを報告した.本稿では,リソソーム病におけるオートファジーの解析を含め,最近の研究についても解説する.
© 2018 公益社団法人日本生化学会
This page was created on 2018-01-11T11:12:23.266+09:00
This page was last modified on 2018-02-19T16:07:31.987+09:00
このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。