生体内カドミウム・マンガン輸送における亜鉛輸送体ZIP8の役割
徳島文理大学薬学部衛生化学講座 ◇ 徳島県徳島市山城町西浜傍示180
発行日:2018年6月25日
日本人への健康影響が懸念されるカドミウム(Cd)輸送体を探索する研究から亜鉛輸送体のZIP8がCd輸送能を持つことがわかった.ZIP8は二価マンガン(Mn)の取り込みも行うことが明らかになり,腎臓の近位尿細管からのCdとMnの再吸収に重要な役割を果たす可能性が示唆されている.近年,さまざまなヒトの疾患とZIP8との関連が報告され,ZIP8をコードする遺伝子SLC39A8の変異により,重篤なMn代謝異常症が起こることが発見され,Mn輸送体としてのZIP8の重要性が注目されている.ZIP8変異による疾患発症のメカニズムの解析により,生体内のMn代謝機構におけるZIP8の役割と調節機構,さらにはMn恒常性維持機構が解明されることが期待される.
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