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公益社団法人日本生化学会
Journal of Japanese Biochemical Society 90(3): 361-370 (2018)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2018.900361

総説

RNAを介した自然免疫制御

京都大学ウイルス・再生医科学研究所 ◇ 〒606–8507 京都市左京区聖護院川原町53

発行日:2018年6月25日
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自然免疫においてRNAは,病原体センサーによる認識の標的として重要であるとともに,炎症性サイトカインなどをコードする中間体として機能し,その量をコントロールすることで炎症を制御している.近年,Toll様受容体やRIG-I様受容体などのウイルスRNA認識受容体による抗ウイルス自然免疫応答のメカニズムが解明されてきた.また,免疫制御におけるサイトカインmRNA安定性は,Regnase-1をはじめとしたRNA結合タンパク質により特異的に制御され,過剰な炎症,自然免疫応答の抑制にとって重要であることが明らかとなってきた.このように,RNA結合タンパク質は,自然免疫応答をさまざまなステップで制御しており,これらの機能を解明することは,自然免疫応答を包括的に理解する上で重要である.

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