Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 90(4): 444-451 (2018)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2018.900444

総説Review

Mg2+トランスポーターCNNMの分子機能と医学生物学的重要性Molecular functions of CNNM Mg2+ transporters and their biomedical importance

大阪大学・微生物病研究所Research Institute for Microbial Diseases, Osaka University ◇ 大阪府吹田市山田丘3–1 ◇ 3–1 Yamadaoka, Suita, Osaka

発行日:2018年8月25日Published: August 25, 2018
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CNNMファミリーは進化的に高度に保存されたMg2+トランスポーターであり,細胞外にMg2+を排出することで細胞内や個体レベルでのMg2+恒常性維持に機能している.細胞内で膜アンカー型のチロシンホスファターゼPRLと結合することで機能制御を受けており,ユニークな化学修飾Cysリン酸化でその複合体形成が動的に調節されている.CNNMファミリーの機能不全は遺伝性の低マグネシウム血症の原因になるだけでなく,がんや高血圧などさまざまな疾患の発症や悪性化に密接に関わることも遺伝子改変マウスの解析などから明らかになってきた.これらCNNMファミリーの分子機能解析をきっかけとして,生命体におけるMg2+の医学生物学的重要性が新たに認識されつつある.

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