Ca2+/calmodulin-dependent protein kinase kinase—カルシウムシグナル伝達から創薬へ—
岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科 ◇ 〒700–8530 岡山市北区津島中3–1–1
発行日:2018年8月25日
細胞内カルシウム(Ca2+)動態の調節は真核生物において普遍的な生体制御システムであり,その普遍性は高度に保存されたCa2+センサーであるカルモデュリン(calmodulin:CaM)の存在からも明らかである.とくにCa2+/CaM依存性リン酸化反応はCaMキナーゼを触媒酵素として,平滑筋収縮から高次中枢神経機能に至る,幅広い生理作用を調節している.近年,細胞内Ca2+シグナル伝達におけるリン酸化カスケード反応の調節酵素として見いだされたCaMキナーゼキナーゼ(CaMKK)がAMPKの活性化キナーゼとして,代謝調節からがん細胞増殖まで関与していることがわかってきた.本稿では,CaMKKの分子制御機構からリン酸化カスケードの生理機能,さらにはCaMKK阻害剤STO-609を用いたシグナル伝達解析まで解説する.
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