生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
〒113-0033 東京都文京区本郷5-25-16 石川ビル3階 Ishikawa Building 3F, 5-25-26 Hongo, Bunkyo-ku Tokyo 113-0033, Japan
Journal of Japanese Biochemical Society 90(5): 574-580 (2018)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2018.900574

特集Special Review

スフィンゴシン1-リン酸(S1P)輸送体であるSpns2の分子機能Molecular function of a sphingosine 1-phosphate (S1P) transporter, Spns2

1Harvard Medical School, Boston Children’s HospitalHarvard Medical School, Boston Children’s Hospital ◇ 300 Longwood Avenue, Boston, MA 02115, USA ◇ 300 Longwood Avenue, Boston, MA 02115, USA

2山梨大学大学院総合研究部医学教育センター発生生物学University of Yamanashi ◇ 山梨県中央市下河東1110 ◇ Shimokato 1110, Chuo, Yamanashi, Japan

発行日:2018年10月25日Published: October 25, 2018
HTMLPDFEPUB3

ある種の細胞間シグナル分子は,細胞内で生成された後に細胞外へと放出され,標的細胞に発現するシグナル分子特異的受容体に結合することで情報を伝達する.リゾリン脂質メディエーターの一種であるスフィンゴシン1-リン酸(S1P)はまさにそのような分子であり,血管内皮細胞や赤血球内で産生され細胞外へと放出され,さらに,Gタンパク質共役型受容体(GPCR)であるS1P受容体(S1PR1~5)を介して細胞遊走,細胞増殖およびアポトーシスの抑制などの細胞機能を制御することで血管新生,血管透過性およびリンパ球の循環などを調節している.S1Pの前駆体であるスフィンゴシンは細胞内に局在するスフィンゴシンキナーゼ(SPHK1/2)によりリン酸化を受けるので,S1Pが標的細胞膜上に発現するS1PRに結合するためには,一度細胞外へと放出される必要がある.S1Pは疎水性の高い脂質メディエーターであるがリン酸基を分子内に保有するため,単純拡散により細胞膜を通過できず,何らかの放出機構が存在すると考えられていた.本稿では,最近,分子実体が明らかとなったS1P輸送体を中心にS1Pの生理機能を紹介する.

This page was created on 2018-08-24T15:18:49.839+09:00
This page was last modified on 2018-10-17T13:33:41.645+09:00


このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。