Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 90(5): 609-613 (2018)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2018.900609

特集Special Review

Edg型LPA受容体の構造と機能Structure and biological function of Edg-type LPA receptors

東北大学大学院薬学研究科分子細胞生化学Department of Molecular and Cellular Biochemistry, Graduate School of Pharmaceutical Sciences, Tohoku University ◇ 〒980–8578 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6–3 ◇ 6–3 Aoba, Aramaki, Aoba-ku, Sendai, Miyagi 980–8578, Japan

発行日:2018年10月25日Published: October 25, 2018
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リゾホスファチジン酸(LPA)は第二世代の脂質メディエーターとして確固たる地位を築いているが,そのきっかけは特異的受容体の同定であろう.これまでにLPA受容体は6種類のGタンパク質共役型受容体が認識されており,これらはEdg型(LPA1~3),non-Edg型(LPA4~6)に大別される.特にEdg型LPA受容体は,遺伝子改変マウスやモデル生物を用いた解析や,受容体作動薬・拮抗薬といった研究ツールの開発が精力的に進められ,個体の発達や生殖機能のみならず,さまざまな疾患にも関与することが明らかとなってきた.また近年の結晶構造学の進歩から,6種類のLPA受容体の中で初めてLPA1の構造が解明され,その分子モデリングをもとにした受容体作動薬・拮抗薬の探索や,その他のLPA受容体の構造推定も可能となった.今後,これらの基礎的知見を元にしたさらなるLPA研究の発展と,創薬やバイオマーカーといった臨床応用が期待される.

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