繊毛内タンパク質輸送装置の構築様式と機能
京都大学大学院薬学研究科生体情報制御学分野 ◇ 〒606–8501 京都市左京区吉田下阿達町46–29
発行日:2018年12月25日
ヒトのほとんどの細胞には一次繊毛という細胞膜から突出したオルガネラが存在する.そこにはさまざまな受容体やイオンチャネルが局在し,外部からのシグナルを感知する細胞のアンテナとして機能する.繊毛内へ受容体などを運んでいるのは,繊毛内タンパク質輸送(intraflagellar transport:IFT)装置と呼ばれる巨大なタンパク質複合体である.IFT装置は三つのタンパク質複合体(IFT-A複合体,IFT-B複合体,BBSome複合体)と二つのモータータンパク質(キネシン2とダイニン2複合体)を含み,全部で40種類以上のサブユニットによって構成されている.本稿では筆者らが「観るだけでわかるタンパク質間相互作用解析法(VIPアッセイ)」と改良型CRISPR-Cas9法を用いて明らかにしたIFT装置の構築様式と各複合体のサブユニットの機能について紹介する.
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