生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
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Journal of Japanese Biochemical Society 91(1): 7-16 (2019)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2019.910007

特集Special Review

分化多能性の獲得・維持と代謝Metabolism controls acquisition and maintenance of pluripotency

1京都大学iPS細胞研究所(CiRA)未来生命科学開拓部門Department of Life Science Frontiers, Center for iPS Cell Research and Application (CiRA), Kyoto University ◇ 〒606–8507 京都市左京区聖護院川原町53 ◇ 53 Kawahara-cho, shogoin Sakyo-ku, Kyoto 606–8507, Japan

2国立研究開発法人日本医療機構,AMED-CRESTAMED-CREST, AMED ◇ 〒100–0004 東京都千代田区大手町1–7–1 ◇ 1–7–1, Otemachi, Chiyoda-ku, Tokyo 100–0004, Japan

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現所属:千葉大学大学院医学研究院イノベーション再生医学; 〒206–8670 千葉市中央区亥鼻1–8–1Present address: Department of Regenerative Medicine, Chiba University Graduate School of Medicine; 1–8–1, Inohana Chuo-ku, Chiba 260–8670, Japan

発行日:2019年2月25日Published: February 25, 2019
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多能性幹細胞は,がん細胞にも比類する旺盛な増殖能力を持ち,好気的解糖がそれを支えている.そのため,ミトコンドリアの酸化的リン酸化を主体としてエネルギー代謝を行う体細胞がiPS細胞へと初期化されるときには,解糖系やグルタミン代謝の活性化,ミトコンドリアの断片化など,さまざまな代謝系の変化が引き起こされる.こうした代謝様式のシフトは細胞増殖を亢進するだけではなく,エピゲノム変化に重要な役割を果たすことが明らかになってきた.また,多能性幹細胞にはナイーブ型とプライムド型と呼ばれる未分化段階の異なる二つの状態が存在し,それらの間でも代謝様式に興味深い違いがある.本稿では,分化多能性の維持と獲得に代謝がどのように関与するのかについて,近年の知見を踏まえて概観する.

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