mTOR複合体によるがん細胞の代謝の変化とその意義
東京女子医科大学医学部病理学(病態神経科学分野) ◇ 〒162–8666 東京都新宿区河田町8–1
発行日:2019年2月25日
近年,悪性脳腫瘍を含むがんの病態に関与する因子として,代謝の再プログラム化(metabolic reprogramming:がん代謝)が注目を集めている.さらには,適切に細胞内代謝を制御し細胞生存を図るためには,微小環境における栄養状態を的確に感知し,応答するシステムが必要である.本稿では,悪性脳腫瘍をモデルとして,がん代謝の活性化機構,グルコースやアミノ酸など栄養素の感知機構や,それにより誘導されるエピジェネティクス変化に着目することで,がん細胞が微小環境に応答し生存を図る分子機序の解明を目指し,がんの新たな治療開発につながりうる病態を明らかにしようとする取り組みについて概説する.
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