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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 91(1): 50-57 (2019)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2019.910050

特集Special Review

チミジン異化経路を介したがん細胞の低栄養抵抗性と悪性化Thymidine catabolism in cancer cells contributes metabolic advantage and malignant phenotypes

1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科分子腫瘍学分野Department of Molecular Oncology, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Kagoshima University ◇ 〒890–8544 鹿児島市桜ヶ丘8–35–1 ◇ 8–35–1 Sakuragaoka, Kagoshima 890–8544, Japan

2慶應義塾大学先端生命科学研究所Institute for Advanced Biosciences, Keio University ◇ 〒997–0052 山形県鶴岡市覚岸寺字水上246–2 ◇ 246–2 Mizukami, Kakuganji, Tsuruoka, Yamagata 997–0052, Japan

発行日:2019年2月25日Published: February 25, 2019
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チミジンホスホリラーゼ(TP)はチミジンの異化に関わる酵素である.ヒトのさまざまな種類のがんの約半数で高発現しており,その酵素活性依存的に血管新生,浸潤,転移などのがんの悪性化に関与している.しかし,分子的な機構は不明な部分が多く残されていた.我々はTP発現細胞におけるインターロイキン8の発現上昇の解析から,チミジンの異化によって解糖系,ペントースリン酸経路(PPP)が活性化することを見いだした.ここではチミジンホスホリラーゼ発現による代謝変化とがんの悪性形質との関わりを中心に述べる.

1. はじめに

DNAの複製は細胞分裂に必須の過程であり,その原料であるプリンとピリミジンの適切な供給は増殖に欠かせない.逆に,その異化,特にピリミジンの異化経路については生物学的な意義は必ずしも明らかでない.我々はチミジンの異化に関わり,リン酸存在下でチミンと2-デオキシリボース1−リン酸(2-deoxyribose 1-phosphate:DR1P)に可逆的に変換する酵素であるチミジンホスホリラーゼ(thymidine phosphorylase:TP)について研究してきた.

2. TP発現による血管新生

TPは同時期にHeldin,宮園らによって血管新生因子である血小板由来血管内皮増殖因子(platelet-derived endothelial cell growth factor:PD-ECGF)として1),またグリア細胞の増殖を抑制するグリオスタチンとしても同定された2).TPとPD-ECGFが同一分子であることが我々を含め複数のグループにより相次いで報告された3–6).TP遺伝子の異常は消化管の運動異常,末梢神経障害,白質脳症などを呈するミトコンドリア神経胃腸管系脳筋症(mitochondrial neurogastrointestinal encephalopathy:MNGIE)の原因としても報告されており7),TPがdNTPの供給のアンバランスの是正に寄与している可能性を示唆している.しかし,この疾患の実際の発症機構については不明な点も多い.また,TPは抗がん剤5-フルオロウラシルの活性化酵素としても機能している8, 9)

TPに血管新生活性があることは,鶏卵尿漿膜法,マウスを用いたゼラチンスポンジ法,ラット核膜法,マウス背部皮下法,チューブフォーメーションアッセイなどの方法で複数のグループから繰り返し示された10–14).TPの酵素活性を持たない変異体との比較から,血管新生活性に酵素活性が必要であることは明らかである11).また,TPは血管内皮の遊走活性はあるが増殖活性は持っていない.ピリミジン誘導体の新規TP阻害剤(TPI)5-chloro-6-[1-(2-iminopyrrolidinyl)methyl]uracil hydrochlorideは,酵素活性とともに血管新生活性を阻害した12, 15).すでに多くのTP阻害分子が報告されてきたが,詳細は別の総説に譲ることにする16)

一方,我々は,TPによって生じるDR1Pが脱リン酸化されて形成されるデオキシ-D-リボース(dDR)が,血管内皮の遊走誘導を介して血管新生を誘導することを見いだした10).さらにdDRの異性体である2-デオキシ-L-リボース(dLR)によって,TPとdDR誘導性の血管新生を阻害することができた13).TPとdDRによる血管内の遊走誘導について,Hotchkissらはヒト臍帯血管内皮細胞(human umbilical vein endothelial cell:HUVEC)を用いた検討から,これらの処理がHUVECのfocal adhesion kinase(FAK)の397番のチロシンのリン酸化を介して遊走を誘導すること,インテグリンα5β1とαvβ3に対する抗体がこれらを阻害することを報告した14).FAKのこのリン酸化部位はSH2ドメインの結合部位として活性化に重要であることが報告されている17).これらの報告はdDRのインテグリンを介したFAKの活性化を示唆しているが,直接の証拠はいまだない.

通常の培養条件ではTPの発現の有無で細胞の増殖速度に差はみられなかった.一方,免疫不全マウスを用いた異種移植モデルではTP発現細胞の腫瘍の増殖がより速いことが観察された.また,この増殖度の上昇をTPI, dLRで部分的に抑制することが可能であった12, 13)

3. TP発現での腫瘍悪性化

TPはヒトの正常な組織でも肝臓,小腸では発現している.また,クッパー細胞や肺胞マクロファージで特に高く発現しているがその意義は不明である.リウマチ患者の絨毛細胞,乾癬で発現が高いことも報告されている18, 19).TPの発現制御について,細胞によってはインターフェロンγ(IFNγ),tumor necrosis factor(TNF),インターロイキン1(IL-1)など炎症性サイトカインによって発現が誘導されることが報告されており,U937細胞を用いたIFNγによる誘導ではgamma interferon activation sequence like elementが20),リウマチの線維芽細胞様絨毛細胞や大腸がん細胞でのTNFによる誘導ではSP-1結合部位の重要性が報告されている21, 22)

多数の臨床症例において,免疫組織学的解析と微小血管数の測定や予後解析が行われた.TPの発現の増加が多くの種類のがんで起こっており,また,微小血管数(新生血管数)と相関していた23–25).膵がん,大腸がん,胃がん,腎がんなどにおけるTPの免疫組織学的検討やTPの酵素活性による評価の結果,高発現群の患者の予後が不良であることが我々を含め多数のグループから報告された26–30)

浸潤性の膀胱がんは表在型のものよりもTP発現が高いことが報告され31),同様に分化型の胃がんでもTP発現細胞の割合が浸潤度と相関していた28).我々は,72例の膀胱がん症例を対象にして各種のサイトカインとmatrix metalloproteinase(MMP)などの発現を定量的PCR法で解析した.その結果,浸潤性膀胱がんではTP, MMP-2, MMP-9, urokinase plasminogen activator(uPA)の発現が非浸潤性の膀胱がんに比べて有意に高まっており,またTPの発現とuPA, MMP-1, MMP-9, plasminogen activator inhibitor-1, vascular endothelial growth factor(VEGF)の遺伝子発現が相関していた.これらの分子の発現上昇が浸潤性や転移性の上昇に関与していると考えられた32).免疫不全マウスでの肝臓転移モデルを用いてTP発現細胞と非発現細胞を比較すると,TP発現細胞の転移巣の数が3倍以上多く,切片上の面積では10倍以上広かった.この増加はdLRを投与することで抑制できた33).このようにTP発現のがん細胞は血管新生誘導活性だけでなく浸潤性や転移性が高まっており,TPIやdLRはこれらの浸潤性や転移性についても抑制できた.

4. TP発現によるIL-8の発現誘導機構

TP発現細胞で誘導されるサイトカイン,ケモカインやMMPなどの発現の上昇の原因を明らかにするため,我々はTPの発現がない類上皮がんKB細胞にTPを強制発現させた細胞でのみ発現が上昇している血管新生因子であるインターロイキン8(IL-8)に注目して解析した34).KB細胞に一過性にTPのcDNAを導入するとTPの発現に相関してIL-8発現が誘導されるが,酵素活性を欠失したTPの導入ではIL-8は誘導されなかった.IL-8遺伝子の5´非翻訳領域翻訳開始点からマイナス180塩基までの範囲に転写因子AP-1, NF-IL-6, NFκBの結合部位が存在する.これらの結合部位の点変異を持つプロモーターを用いてTP発現KB細胞でプロモーター活性を調べたところ,NFκBの結合部位の変異体では特に活性が大きく低下した.また,NFκBの阻害剤であるBAY11-7082の処理でIL-8のプロモーター活性が低下し,IL-8の発現も減少した.また,NFκBの結合部位のみをつないだレポーターアッセイを行い,TPの遺伝子導入あるいはTPのsiRNA導入に応じて活性が相関すること,酵素活性の欠失したTPでは活性が低いことを確認した.また,実際にTP発現細胞ではNFκBの下流の分子であるIL-11, IL-6, platelet-derived growth factor B(PDGFB),xanthine dehydrogenase, fibronectin(FN-1)などの発現が高まっていた34).胃がんのDNAアレイによる発現データベースを用いた解析からTPの発現とheme oxygenase-1(HO-1),IL-8, IL-6, FN-1などの発現に相関があった34).さらにN-アセチルシステイン(NAC)とEUK-8はp65の核内移行を低下させ,IL-8 mRNAの産生を抑制した.これらのことからTP発現細胞では活性酸素種(reactive oxygen species:ROS)の上昇がNFκBを活性化していることが予想された.実際,TP発現細胞では基質であるチミジンの添加によりTPの酵素活性依存的にROSが高まっており,チミジンの異化に依存してROSが増加している可能性が示された35)

ROSの由来としてNADPHオキシダーゼに注目して解析を行った.NADPHオキシダーゼはNOX1, NOX2, NOX3, NOX4, NOX4D, NOX5, DUOX1とDUOX2のサブユニットを持つ8種類の分子複合体が同定されている.実験に用いたKB細胞ではこのうちのNOX2の発現が飛び抜けて高かった.NOX2の阻害分子であるApocyninあるいはNOX1~4と複合体を形成するp22phoxに対するsiRNAを用いるとROSの蓄積が抑制され,同時にIL-8のmRNA産生量も低下した.内因的にTPを高発現しているYumoto細胞ではDuox1の遺伝子が主に発現しており,Duox1のsiRNAを作用させるとROSの抑制とIL-8の発現の低下を確認できた35)

NADPHを測定すると,TP導入細胞ではチミジン濃度に依存してNADPHが上昇し,Yumoto細胞ではTPに対するsiRNAの処理で減少した.細胞質でのNADPHの主な生産系はPPPであることから,PPPの最初のそして律速の酵素であるグルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)に注目した.その阻害剤であるdehydroepiandrosterone(DHEA),あるいはG6PDに対するsiRNAにより処理することで,TP発現上昇によるNADPHの増加を抑えることが可能であった.このときROSの下流で発現が誘導されると考えられるHO-1のmRNAの発現も抑制された.TP発現細胞を無血清培地中でチミジンに継続的に曝露して1, 3, 24, 48時間後のTP発現細胞についてメタボローム解析を行った.曝露後1時間後をピークに2-デオキシ-d-リボース5-リン酸(DR5P)が観察され,3時間以降には低下した.一方,3時間をピークとしてリブロース5-リン酸,リボース5-リン酸,5-ホスホリボシルピロリン酸(PRPP)の増加が観察された35).上記のメタボローム解析の結果はチミジンからペントースリン経路への代謝経路が存在していることを示している.また,TP発現細胞ではチミジンの異化の増加によってNADPHの上昇とROSの発生を介して,NFκBの活性化とIL-8などのサイトカインやMMPの発現が血管新生・浸潤・転移の一因となっていることが明らかになった(図1).一方,NADPHの上昇はグルタチオン還元酵素の活性の上昇を介して還元型グルタチオンを増加させることが知られているが,TP発現細胞では還元型GSHも低下していた36).今のところTPが還元型GSHを低下させる直接の原因は明らかでない.

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図1 TP発現によるサイトカインの発現

TPの発現によるPPPの活性化を介してNAPDHが蓄積し,NADPHオキシダーゼ(ここではNOX2複合体を示す)を活性化して,ROSが蓄積しNFκBを活性化する.NFκBはIL-8, IL-6, MMPなどの発現を誘導する.これらの分子によって腫瘍細胞の浸潤性,転移性,血管新生が高まる.DHEA:dehydroepiandrosterone, TPI:TP阻害剤.

5. TP発現による解糖系,ペントースリン酸経路の活性化

上記のチミジン曝露によるメタボローム解析の結果は,チミジンが解糖系を介してPPPに入る経路の存在を示唆している.dDRが解糖系に入る可能性が以前に指摘されており37),dDRが誘導するHUVECのS6キナーゼのリン酸化,血管内皮の遊走性やラットの大動脈のチューブ形成をラパマイシンが阻害するなどの報告から38),TPあるいはdDRが細胞のエネルギー代謝に変化を与えることが予想された.

しかし,通常の培養条件ではTP発現の有無で増殖などに違いはなく,細胞におけるTP発現による代謝的な優位性は明らかではなかった.我々はKB細胞を無血清培地で継続的に培養して観察した.TP非発現KB細胞では2日目には増殖が停止しアポトーシスが観察されたが,TP発現細胞は4日まで増殖を続けることが可能であった.4日目には培地中のグルコースとグルタミンはほぼ枯渇していた.また,グルコースからグルコース6-リン酸(G6P)への代謝に働くヘキソキナーゼとG6Pからフルクトース6-リン酸への変換に働くホスホヘキソースイソメラーゼの働きを阻害して解糖系を阻害する2-デオキシグルコース(2DG)に対しても,TP発現細胞は2倍以上の抵抗性を示した.通常の培養条件では細胞の増殖に影響しない濃度のTPIが低栄養状態でのTP発現細胞の増殖優位性(4日目までの増殖)を抑制し,2DG抵抗性も低下させた39)

大腸菌やサルモネラ菌では,DR5PがDR5Pアルドラーゼ(DERA)の働きによって解糖系の中間代謝物であるグリセルアルデヒド3-リン酸(GAP)とアセトアルデヒドに変換されることが知られている(図2).哺乳細胞でもDERAの存在は知られていたが,実際にこの代謝経路が機能していることを示す報告はほとんどなかった.そこで,チミジンのすべての炭素を安定同位体標識した13C5チミジンを用いて,その異化経路についてメタボローム解析を行った.血清を含まない培地にチミジンを曝露し続けて1, 3, 48時間後に解析した結果,1時間後から標識されたDR5P,乳酸が検出され,3時間にはRPRRが検出された.この条件で比較的限られた代謝物しか検出できなかったので,条件を変更し血清入りの培地に培養後,チミジンを含む無血清培地に1時間曝露したところ解糖系代謝分子としてGAP,ジヒドロキシアセトンリン酸(DHAP),2,3-ビスホスホグリセリン酸(2,3BPG),3-ホスホグリセリン酸,2-ホスホグリセリン酸,ホスホエノールピルビン酸が確認できた.G6Pは曝露後10分の早期にのみ検出可能であった.内因性にTPを発現しているYumoto細胞や膵臓がんのPanc1細胞でもDR5Pと乳酸の蓄積を確認でき,これらの形成はTPのsiRNAで抑制できた.また,アセトアルデヒドの下流分子と考えられるN-アセチルアスパラギン酸とN-アセチルグルタミン酸も検出された(図339).これらの結果からTP発現の高まっている細胞ではチミジンの異化代謝から解糖系そしてPPPへの流入が確認できた.また,DERAをノックダウンすることでTP発現細胞の低栄養抵抗性が低下し,NADPHとIL-8の上昇も抑制されたことから,チミジンが異化から解糖系への流入とPPPの活性化を通して,TP発現細胞の低栄養抵抗性と腫瘍細胞の悪性化に寄与していることを明らかにできた39)

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図2 チミジンから解糖系への異化経路

星印は13Cの標識位置を示す.DERA:DR5Pアルドラーゼ,PPM:phosphopentose mutase.

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図3 チミジン異化経路の解糖系,ペントースリン酸経路と細胞への効果

TP発現細胞で13C標識代謝物が検出されたものを色つきのだ円で示した.輪で囲んだセリンは低栄養状態でのみ検出された.DR:2-deoxy-D-ribose, DR1P:2-deoxy-D-ribose 1-phosphate, DR5P:2-deoxy-D-ribose 5-phosphate, TP:thymidine phosphorylase, PPM:phosphopentose mutase, DERA:2-deoxy-D-ribose 5-phosphate aldolase, G6P:glucose 6-phosphate, F6P:fructose 6-phosphate, F1,6DP:fructose 1,6-diphosphate, DHAP:dihydroxyacetone phosphate, GAP:glyceraldehyde 3-phosphate, 2,3BPG:2,3-bisphosphoglyceric acid, 3PG:3-phosphoglyceric acid, 2PG:2-phosphoglyceric acid, PEP:phosphoenolpyruvate, 6PG1,5L:6-phospho-D-glucono-1,5-lactone, 6PG:6-phospho-D-gluconate, Ru5P:ribulose 5-phosphate, R5P:ribose 5-phosphate, PRPP:5-phospho-α-D-ribose pyrophosphate, 2DG:2-deoxy-D-glucose, PHI:phosphohexose isomerase, DHEA:dehydroepiandrosterone, G6PD:glucose 6-phosphate dehydrogenase, HK:hexokinase.

低栄養時のチミジンの代謝を検討するため,無血清培地で1日あるいは4日間(低栄養)培養後に細胞を13C5チミジンに曝露してメタボローム解析を行った.TP非発現細胞のチミジン量はいずれの条件でも高く保たれるが,TP発現細胞の場合,4日間の条件ではチミジンの蓄積が1日に比べて半分程度まで低下し,チミジンの異化が亢進していることと一致した.DR5Pと乳酸はTP発現細胞で1日,4日間両方の条件で検出された.TP発現細胞では4日の条件でのみ13Cセリンの量が顕著に増加していたが,非発現細胞では検出されなかった39).セリンは解糖系の代謝物3PGから3ステップで合成され,レドックス機構やプリン,チミジンの合成,ヒストンのメチル化にも関与しており,がん細胞への代謝的寄与が報告されている.これらの結果から,低栄養時にチミジンの異化代謝はエネルギー産生やセリン合成を補って機能している可能性が示された(図3).

一方,13C標識dDRを用いてdDRがTP非発現細胞に取り込まれ解糖系代謝物質に異化されるか検討した結果,KB細胞ではDR5Pと乳酸への代謝が確認できたが,HUVECと正常線維芽細胞MRC5では検出できなかった.この結果からdDRがTP非発現腫瘍細胞で炭素源として使用される可能性がある39)

これらのin vitroで確認できた代謝経路が生体内でも機能しているのかどうかを調べるために,TPとともにウリジンホスホリラーゼ(UP)を欠失したTP-UPダブルノックアウト(DKO)マウスを用いてメタボローム解析を行った.マウスのUPはTP活性が高いことが知られているために,我々はUPも欠失させたマウスを過去に作製している40).野生型のB6マウスとTP-UP DKOマウスについてTP活性の比較的高い組織として肝臓を用いて解析した結果,236種類の代謝物質を検出し,そのうちの56の代謝物質に2群間で有意な変化を見いだした.パスウェイエンリッチメント解析の結果から解糖系,PPP,クエン酸回路に違いがみられた.野生型マウスでは特に解糖系のGAPからホスホエノールピルビン酸(PEP)までの量がTP-UP DKOマウスよりも高かった.次に野生型マウスとTP-UP DKOマウスに13C5チミジンを尾静注後3分での代謝物を解析すると,TP-UP DKOマウスの肝臓ではおよそ2倍の13C5チミジンの蓄積が認められた.一方,野生型マウスではTP-UP DKOマウスと比較して13C乳酸が3倍高かった39)

また,Yumoto細胞を免疫不全マウスの背部皮下に異種移植して13C5チミジンを尾静注し,TP発現の高い肝臓とがん組織,発現の低い脾臓での代謝を0分,3分,10分後に臓器を回収して検討した.その結果,13C5チミジンは脾臓では静注から3分をピークとして10分後でも1/2程度の蓄積が認められたが,肝臓とがん細胞では3分後には脾臓の1/4程度の量をピークとして10分後には検出できなくなっており,逆に脾臓に比べて2倍以上の13C乳酸の増加が3分,10分後で示された.これらの結果からマウス生体でチミジンがTP活性に依存して解糖系へ流入していることが明らかとなった(図339)

すでに胃がんのメタボローム解析の結果から,がん部では隣接する非がん部に比べてグルコースが減少していることが報告されている41).また,TPが胃がんで高発現しており,その発現が予後不良と相関することも報告されている.これらの結果からヒトの胃がんでTP発現によるチミジンの異化が高まっている可能性が予想された.ヒトの胃がんとその周辺正常組織12例でのメタボローム解析データを用いて,チミジンとDR1PとDR5Pの合計量すなわちリン酸化デオキシリボース(DRP)を比較したところ,胃がん部ではチミジンは減少し,逆にDRPは増加しており有意に逆相関していた39).これらのことはがん部でのTPの活性の上昇に一致する結果であった.

さらに,DRPが高い群と低い群に中央値で分けて,解糖系,PPP,クエン酸回路の中間代謝物質について比較した.その結果DRPが高い,すなわちTP活性が高いと考えられる症例ではATPを含めて多くの代謝物が増加傾向にあり,NADPHは有意に高かった.チミジンの異化の亢進がこれらの代謝を活性化している可能性が示唆された(田畑,未発表).このようにTPの発現は,ある種のがん細胞の低栄養環境での細胞生存に寄与していることが明らかになった.

6. 今後の展望

筆者らは,これまでにTP発現による血管新生活性をはじめとするがんの悪性化に関わる検討を行ってきた.今回はTP発現がん細胞での低栄養に対する代謝的優位性についてメタボローム解析を用いて明らかにした.しかし,これらの代謝物がどのように低栄養状態で有利に働いているのか,またどのような微小環境のがん細胞で働いているのか,周囲の炎症細胞や正常細胞への影響はどうかなどはまだ明らかではない.

TPはチミジンの減少という点でも細胞の増殖について必ずしも有利に働かない可能性がある.しかし,遺伝子の変異なしに細胞内のROSを適度に上げることでNFκB, NRF2の適度な活性化を促してさまざまなストレスに備えることで,腫瘍全体の生き残りに有利に働き機能している可能性がある.またdDRが周囲のTP発現の低い細胞の生存を助けている可能性も示唆された.代謝状態を標的とした治療の可能性を含めてさらに検討を進めたい.

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著者紹介Author Profile

古川 龍彦(ふるかわ たつひこ)

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科分子腫瘍学分野教授.医学博士.

略歴

1983年3月鹿児島大学医学部医学科卒業.同年5月天理よろづ相談所病院レジデント.85年4月鹿児島大学大学院医学研究科博士課程(生化学)入学,89年7月単位取得の上退学.同年7月鹿児島大学医学部附属腫瘍研究施設がん化学療法部門助手.92年4月ダナファーバー癌研究所,ハーバード大学医学部研究員.95年4月鹿児島大学助手に復職.2002年3月同助教授.03年4月同大学院医歯学総合研究科分子腫瘍学分野(改組のため)助教授.11年1月同教授.

研究テーマと抱負

長らく抗がん剤耐性について主に輸送体たんぱく質を研究してきましたが,耐性細胞の研究から派生して,がんの微小環境変化,ゲノム構造の変化についてと広範すぎる課題に取り組んでいます.

ウェブサイト

http://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/~moloncl2/

趣味

野菜作り.

田畑 祥(たばた しょう)

シンシナティ大学医学部癌研究所客員研究員.慶應義塾大学先端生命科学研究所訪問講師.博士(医学).

略歴

2005年徳島文理大学薬学部卒業.06年鹿児島大学病院薬剤部に入局,08年鹿児島大学大学院医歯学総合研究科修士課程,12年同大学院博士課程を修了.徳島大学大学院HBS研究部呼吸器・膠原病内科学分野の学術研究員,慶應義塾大学先端生命科学研究所の特任助教,特任講師を経て,18年10月から現職.

研究テーマと抱負

大学院時より,秋山伸一名誉教授・古川龍彦教授(鹿児島大学)に師事し,腫瘍におけるTPの分子機構の解明およびTP阻害剤の開発に従事し,現在も継続している.また,曽我朋義教授(慶應義塾大学)の下でがん代謝研究に魅了され,現在は,佐々木敦朗准教授(シンシナティ大学)の下でがんのエネルギーの神秘について,探究している.

趣味

読書(主に少年ジャンプ).

曽我 朋義(そが ともよし)

慶應義塾大学環境情報学部および先端生命科学研究所教授.工学博士.

略歴

1984年慶應義塾大学工学部卒業.横河電機,横河アナリティカルシステムで分析機器の応用開発.2001年慶應義塾大学環境情報学部および先端生命科学研究所助教授,06年より現職.03年HMT創業.08年より慶應義塾大学医学部教授(兼担).

研究テーマと抱負

キャピラリー電気泳動–質量分析計(CE-MS)によるメタボローム測定法の開発者.新規代謝経路の探索,代謝調節機構や疾患機序の解明,バイオマーカー探索等の研究を展開.現在は,がんや免疫細胞の代謝解明に注力.

ウェブサイト

http://metabolome.iab.keio.ac.jp/ja/

趣味

釣り.

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