Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 91(1): 50-57 (2019)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2019.910050

特集Special Review

チミジン異化経路を介したがん細胞の低栄養抵抗性と悪性化Thymidine catabolism in cancer cells contributes metabolic advantage and malignant phenotypes

1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科分子腫瘍学分野Department of Molecular Oncology, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Kagoshima University ◇ 〒890–8544 鹿児島市桜ヶ丘8–35–1 ◇ 8–35–1 Sakuragaoka, Kagoshima 890–8544, Japan

2慶應義塾大学先端生命科学研究所Institute for Advanced Biosciences, Keio University ◇ 〒997–0052 山形県鶴岡市覚岸寺字水上246–2 ◇ 246–2 Mizukami, Kakuganji, Tsuruoka, Yamagata 997–0052, Japan

発行日:2019年2月25日Published: February 25, 2019
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チミジンホスホリラーゼ(TP)はチミジンの異化に関わる酵素である.ヒトのさまざまな種類のがんの約半数で高発現しており,その酵素活性依存的に血管新生,浸潤,転移などのがんの悪性化に関与している.しかし,分子的な機構は不明な部分が多く残されていた.我々はTP発現細胞におけるインターロイキン8の発現上昇の解析から,チミジンの異化によって解糖系,ペントースリン酸経路(PPP)が活性化することを見いだした.ここではチミジンホスホリラーゼ発現による代謝変化とがんの悪性形質との関わりを中心に述べる.

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