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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 91(3): 301-308 (2019)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2019.910301

特集Special Review

生体試料におけるD-アミノ酸微量分析技術Analysis of D-amino acids in biological matrices

1九州大学大学院薬学研究院Graduate School of Pharmaceutical Sciences, Kyushu University ◇ 〒812–8582 福岡市東区馬出3–1–1 ◇ 3–1–1 Maidashi, Higashi-ku, Fukuoka 812–8582, Japan

2福岡大学薬学部Faculty of Pharmaceutical Sciences, Fukuoka University ◇ 〒814–0180 福岡市城南区七隈8–19–1 ◇ 8–19–1 Nanakuma, Jonan-ku, Fukuoka 814–0180, Japan

発行日:2019年6月25日Published: June 25, 2019
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D-アミノ酸は生体内に多量に存在するL-アミノ酸の鏡像異性体であり,高等動物体内には存在しないと長い間考えられてきた.一方で近年の分析技術の進歩により,ヒトを含む哺乳類体内においてさまざまなD-アミノ酸が,遊離型およびタンパク質中のD型残基として存在することが明らかにされてきた.また,数種のD-アミノ酸では生理活性や疾患との関連も報告され,創薬や診断を含むさまざまな分野で注目されている.しかし,生体試料には多種多様な夾雑成分が存在するため,D-アミノ酸の微量分析法としては感度と選択性を兼備することが必須である.本稿ではD-アミノ酸研究を支える分析技術について,LC-MS/MS法,多次元HPLC法などを含む最先端の方法を紹介する.

1. はじめに

D-アミノ酸は生体内に多量に存在するL-アミノ酸の鏡像異性体である.タンパク質を構成する20種のアミノ酸のうち,グリシンを除く19種はα炭素が不斉炭素であり,互いに鏡像異性体となるD体とL体が存在する.化学合成においては,不斉合成を行わない限りD体とL体は等量で生成するが,生命体ではL型がもっぱら利用されている.特にヒトを含む高等動物においてはキラルアミノ酸の存在比は大きくL体に偏っており(ホモキラリティと呼ばれる),D体は存在しない(または微量に存在しても生理的意味がない)と考えられてきた1).しかし,分析技術の進歩とともに1980年代ごろから数種のD-アミノ酸が哺乳類中で発見され,生理活性を有することが次第に明らかにされてきた2, 3).また,疾病の進行とともに含量変化を生じるD-アミノ酸も発見され,バイオマーカーとしても興味を集めている.一方でこれらのD-アミノ酸はL-アミノ酸などと比較するときわめて微量成分であることがほとんどであり,その分析には高感度な分析法が要求される.また,微量成分の分析は多量のL-アミノ酸や無数に存在するペプチドなど多種多様な内在性成分の妨害を受けるため,高い選択性を有する分析法が必須である.本稿では,生体試料に存在する微量キラルアミノ酸に焦点を当て,遊離型として存在するD-アミノ酸分析法ならびにタンパク質中のD型残基分析法について,最近の高性能分析法を紹介する.

2. 遊離D-アミノ酸の微量分析(タンパク質構成アミノ酸)

キラルアミノ酸の分析には光学分割が必須であり,分離分析法としてはキラルな誘導体化試薬を用いるジアステレオマー法,キラルな分離カラムを用いるキラル固定相法,キラルな包接化合物などを移動相に添加するキラル移動相法に大別される.遊離D-アミノ酸分析法としては,歴史的には光学活性蛍光試薬などを用いてアミノ酸をジアステレオマーとし,逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析する方法などが広く用いられ,哺乳類脳内のD-セリンや内分泌組織におけるD-アスパラギン酸の分析などに利用されてきた4, 5).これらの方法は比較的簡便であり,高感度な蛍光検出を利用できるので実試料分析においても十分な感度を有している.一方で分離に関しては逆相HPLCのみを利用することが多く,選択性の観点から超微量キラルアミノ酸の分析は困難となる試料も多い.

分離の選択性を向上させるためには多次元分析法の利用が効果的であり,検出に質量分析を用いるLC-MS/MS法やLC自身を多次元化する二次元HPLC法,またはその組合わせとして二次元HPLC-MS/MS法などが開発されている.LC-MS/MS法としては,光学活性試薬でアミノ酸を誘導体化した後,逆相HPLCでジアステレオマーを分離する方法が広く用いられており,さまざまな試薬が開発されている6–9).逆相HPLCではオクタデシルシラン(ODS)カラムの利用が一般的であり,Visserらは誘導体化試薬としてN-(4-nitrophenoxycarbonyl)-L-phenylalanine 2-methoxyethyl ester(NIFE)を用い,19種のタンパク質構成アミノ酸について鏡像異性体を約20分で分離している6).また,Minらは試薬として4-(N,N-dimethylaminosulfonyl)-7-(3-isothiocyanatopyrrolidin-1-yl)-2,1,3-benzoxadiazole(DBD-PyNCS)を用いて18種のタンパク質構成アミノ酸を対象とし,約40分での鏡像異性体一斉分離を達成している7).ODS以外の逆相カラムとしては,固定相にフェニルカラムを用い,キラル誘導体化試薬として軸不斉試薬4-nitrophenyl N-[2-(diethylamino)-6,6-dimethyl-[1,1-biphenyl]-2-yl]carbamate hydrochloride(BiAC)を用いる方法がHaradaらにより開発されている8).この方法は約10分でタンパク質構成アミノ酸18種の鏡像異性体(イソロイシンとトレオニンはL体とD-allo体)の一斉分離が達成されている.NIFE, DBD-PyNCS, BiACで誘導体化されたアミノ酸はいずれもMS/MSでの良好な検出・定量が可能であり,簡便な逆相LC分離と質量分析による検出を組み合わせた迅速一斉分析法として有用である.

光学活性カラムでキラルアミノ酸を分離し,質量分析で検出するキラルHPLC法も報告されている9–11).Reischlらはアミノ酸のアミノ基を6-methoxyquinoline-4-carboxylic acid-succinimide ester(MQ-OSu)で誘導体化し,キニンアルカロイド結合型の光学活性カラム(Chiralpak QD-AX)を用いて50分以内に18種のタンパク質構成アミノ酸について鏡像異性体分離を達成している9).また,Duらは環状ペプチド結合型の光学活性カラム(TeicoShell)を利用し,6-aminoquinolyl-N-hydroxysysuuuinimidyl carbamate(AQC)で誘導体化したキラルアミノ酸の分離を行っており,約10分で16種のタンパク質構成アミノ酸について鏡像異性体分離を達成している10).MQ-OSuならびにAQCで誘導体化したアミノ酸は質量分析での高感度検出が可能であり,さまざまな生体試料への適用も行われている.誘導体化を行わずにキラルアミノ酸分析を行う方法も報告されており,Konyaらはキラルクラウンエーテル結合型カラム(Crownpak CR-I)を用いて18種のタンパク質構成アミノ酸の鏡像異性体分離を約10分で達成している11).誘導体化が不要であることは分析の簡便化につながり,有用性が高い.

化合物の分離を2種以上のモードで行う多次元HPLC法としては,逆相カラムと光学分割カラムを組み合わせるさまざまな二次元HPLC法が報告されている12–14).逆相分離と光学分割を併用するため,双性イオンであるアミノ酸は基本的にアミノ基を誘導体化し,キラルカルボン酸として分析する.筆者らは,高感度蛍光試薬である4-fluoro-7-nitro-2,1,3-benzoxadiazole(NBD-F)でアミノ酸を誘導体化し,一次元目の逆相分離によるアミノ酸精製と,Pirkle型またはキニンアルカロイド型キラル固定相を二次元目の光学分割に利用する二次元HPLC法を多数報告している.たとえば疎水性アミノ酸ではバリン,アロイソロイシン,イソロイシン,ロイシンを対象とした方法を報告しており,一次元目は60分で各アミノ酸の分離精製が行われ,二次元目はChiralpak QN-AXカラムを利用して10分以内で鏡像異性体分離が可能である13).親水性アミノ酸を対象とした方法としては,ヒスチジン,アスパラギン,セリン,グルタミン,アルギニン,アスパラギン酸,アロトレオニン,グルタミン酸,トレオニンについて逆相カラムとPirkle型キラル固定相を用いる二次元HPLC法を報告している14).一次元目は60分で各アミノ酸の分離精製が行われ,二次元目にはオリジナル固定相であるKSAACSP-001Sカラムを用いて10~40分で鏡像異性体分離を行っている.二次元HPLC法は一次元LC法とは異なり,アミノ酸どうしを一次元目において分離するため,二次元目での共溶出は生じない.また,2種の異なる分離モードを有するために高い分離能を有している.したがって,分析対象となるキラルアミノ酸と生体試料中に存在する多種多様な構造未知の夾雑成分との分離がさまざまな条件で検討でき,微量D-アミノ酸の存在確認ならびに正確な定量にきわめて効果的である.

一方で生体試料はきわめて複雑であり,数えきれない夾雑成分が存在する.また,夾雑成分の種類や量はマトリクス差,個体差,日内変動などにより劇的に変動する.したがって選択性の高い二次元HPLCやLC-MS/MSを用いてもなお,分析妨害を生じる夾雑成分が認められる試料が存在し,さらに高い選択性を有する分析法の開発が切望されていた.そこで筆者らは,二次元HPLCにMS/MS検出を組み合わせた二次元HPLC-MS/MS法を開発した15).本法は哺乳類体内で高頻度にD体が認められるセリン,アスパラギン酸,グルタミン酸,アラニン,プロリン,ロイシンを分析対象としており,一次元目でNBD-アミノ酸の逆相分離を行った後,二次元目でオリジナルのキラル固定相であるKSAACSP-001Sカラムにより鏡像異性体の分離を行う.検出には蛍光検出器と併せてタンデム四重極型質量分析装置を用いており,きわめて高選択的に微量アミノ酸の定量が可能である.また,二次元HPLCの分離によりほとんどのマトリクス成分が対象アミノ酸から分離されているため,通常は質量分析で必須となる内部標準を利用せずに生体試料での直接定量が可能である.本法によるヒト血漿の分析結果を図1に示す.血漿中ではアラニン,プロリン,セリンのD体が認められており,いずれもL体の100分の1程度(またはそれ以下)の微量成分である.これらのクロマトグラムには他の夾雑成分はまったく認められず,本法がきわめて高い選択性を有し,微量D-アミノ酸の正確な定量が可能であることが理解できる.

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図1 二次元HPLC-MS/MSを用いるヒト血漿中のD-アミノ酸分析結果

(A)逆相カラムによる各アミノ酸の分離.(B)キラル固定相によるDLアミノ酸の分離.

3. 非タンパク質構成キラルアミノ酸の分析

生体内にはタンパク質構成アミノ酸以外にも多彩な機能を有する非タンパク質構成アミノ酸が多数存在し,その多くが光学中心を有するキラルアミノ酸である.これらのアミノ酸の生体内含量は,ほとんどの場合D体,L体ともにタンパク質構成アミノと比較してきわめて微量である12).そのため,生体内に多量に存在する夾雑成分の妨害を受けやすく,正確な検出・定量は困難である場合が多い.近年,タンパク質構成アミノ酸についてはD体がL体と異なる体内分布や生理機能を有することに加え,疾患によりL体とは異なる含量変化を示す例も報告されている.一方,非タンパク質構成アミノ酸についてはいまだ詳細な解析が進んでいないのが現状であり,正確な定量分析を可能とする高感度高選択的な分析法の開発と,D体とL体を区別した体内分布や生理的意義,疾患に伴う含量変化の解析が求められている.

非タンパク質構成アミノ酸は,生体内において代謝中間体や前駆体として生理的役割を担う他,医薬品の構成要素としても注目されている16, 17).これまでにもさまざまな非タンパク質構成アミノ酸を対象として,NIFEや1-(9-fluorenyl)ethyl chloroformate(FLEC)などのキラル蛍光誘導体化試薬を用いる逆相HPLC法や,多糖類をベースとしたキラルセレクターを用いるキャピラリー電気泳動法などが報告されており17, 18),光学純度分析へ多く適用されている.その一方で,選択性や感度の不足により,これらのキラル分析法の生体内含量解析への適用例はごく一部のアミノ酸に限られている.筆者らはキラルアミノ酸メタボローム解析を推進するため,NBD-Fによる高感度蛍光誘導体化と二次元HPLC法を組み合わせ,非タンパク質構成アミノ酸を分析対象とする高感度・高選択的分析法を構築してきた.分析対象として選択した非タンパク質構成アミノ酸の構造式を図2に示す.

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図2 分析対象とした非タンパク質構成アミノ酸

グルタミン酸受容体のアゴニストであるN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)は,神経伝達物質としての機能の他19),ホルモン分泌制御作用を有する非タンパク質構成アミノ酸である20).長い間,非天然のD-アミノ酸であると考えられていたが,類縁化合物であるN-メチルグルタミン酸(NMG)鏡像異性体とともに二枚貝を含むさまざまな海洋生物21–23)や哺乳類20, 24, 25)に存在することが次第に明らかにされてきた.しかしNMDAおよびその類縁化合物の生体内含量はいずれもきわめて微量であることから,生体試料における正確な検出および定量は困難な場合が多く,詳細な解析を可能とする分析法が求められていた.

NMAおよびNMG鏡像異性体の高選択的一斉分析法として,我々は逆相分離と光学分割を組み合わせた二次元HPLC法を報告している26).一次元目には内径0.53 mm,全長1000 mmのキャピラリーモノリス型ODSカラムを用い,移動相にはトリフルオロ酢酸(TFA)を含むアセトニトリル水溶液を用いてNBD-NMAおよびNBD-NMGを逆相分離した.二次元目の光学分割についてはPirkle型固定相およびキニンアルカロイド型固定相15種を用いて検討を行った結果,良好な光学分割が可能であったSumichiral OA-2500Sカラムを用いた.また蛍光検出に加えてさらに高い選択性を有する二次元HPLC-MS/MSシステムも併せて構築し,アカガイ試料を分析した結果を図3に示す.一次元目の逆相分離においては,多量の夾雑成分によりNMAおよびNMGのピーク判別は困難であるが,各アミノ酸の溶出時間に合わせてピークを自動分取して二次元目に導入した.二次元目においてはD体,L体ともに定量が可能であり,アカガイ外套膜中には高濃度のNMDA(170 nmol/g),また,NMLG(11 nmol/g)およびNMDG(17 nmol/g)の存在が認められた.特に二次元HPLC-MS/MS分析においては分析対象アミノ酸以外のピークは認められず,きわめて選択性の高い分析が達成されている.他の二枚貝についても含量解析を行った結果,ハマグリにおいても比較的高濃度のNMDAおよびNMLGが存在したのに対し,アサリにはNMLGのみが存在するなど,貝によってNMDA類縁化合物の含量に差が認められた.一方,これまでにNMDAの内在が報告された哺乳類試料としてラットの下垂体前葉,大脳および血漿を分析した結果,いずれの組織においてもこれらのNMDA類縁化合物は検出されず,哺乳類体内含量についてはさらなる検討が必要であると考えられる.

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図3 アカガイ試料中NMDA類縁化合物の2D-HPLC-FLおよび2D-HPLC-MS/MS分析結果

生体内においてTyrの代謝により生合成される3,4-dihydroxyphenylalanine(DOPA)はノルアドレナリン,アドレナリンなどの神経伝達物質の前駆体であり,そのL体はパーキンソン病の治療薬として用いられている27).哺乳類の脳や血液,尿中に存在することが報告されているが,鏡像異性体を区別した生体内含量や代謝経路などはいまだほとんど明らかにされていない28–30).そこで筆者らはDOPAおよびその前駆体であるPhe, Tyrを分析対象とする二次元キラルHPLC一斉分析システムを構築するとともに,D-アミノ酸酸化酵素(DAO)欠損に伴う内在性含量を解析した31)

芳香族代謝関連アミノ酸の二次元HPLC一斉分析システムについても,一次元目には内径0.53 mm,全長1000 mmのキャピラリーモノリス型ODSカラムを用い,アセトニトリル濃度のグラジエント溶離により分析対象アミノ酸を他の夾雑成分から分離した.二次元目の光学分割にはオリジナルキラル固定相であるKSAACSP-001Sカラムを用いた.コントロールマウスおよびDAO欠損マウスの尿を分析しDAO欠損に伴う内在性含量変化を解析した結果,マウス尿中においてDOPA鏡像異性体は検出されなかった.一方,マウス腹腔内にDOPA鏡像異性体を投与し投与後の尿を分析した結果,L体は認められずD-DOPAのピークのみが認められた.

尿素回路を構成する非タンパク質構成アミノ酸であるシトルリン(Cit)およびオルニチン(Orn)はさまざまな機能を有しており,食品添加物やサプリメントとして利用されている身近な機能性アミノ酸である.また,これらのアミノ酸の血中・尿中濃度は血中アンモニア濃度などと併せてアミノ酸代謝障害の診断指標として用いられている32).しかし他の非タンパク質構成アミノ酸と同様に,鏡像異性体を区別した生体内含量や代謝経路,疾患に伴う含量変化などはほとんど明らかにされていない33–35).筆者らはCitおよびOrn鏡像異性体を分析対象とする二次元HPLC法一斉分析法,ならびにさらに高い選択性を有する二次元HPLC-MS法の開発を行い,DAO欠損に伴うこれらのアミノ酸鏡像異性体のマウス尿中含量変化を解析した36).一次元目の逆相分離には内径0.53 mm,全長1000 mmのキャピラリーモノリス型ODSカラムを,二次元目の光学分割カラムにはオリジナルキラル固定相であるKSAACSP-105Sカラムを用いた.CitおよびOrn鏡像異性体はコントロールマウスおよびDAO欠損マウス尿中において存在が確認され,それぞれの尿中においてCitの%D値が12.5%,43.5%であった.また,Ornについてはコントロールマウス尿中%D値が40.5%,DAO欠損マウス尿中の%D値は61.8%であった.DAOの欠損に伴い尿中の%D値はCitで有意に増加し,Ornについても増加傾向が確認された(図4).

構築したこれらの二次元HPLCシステムは,いずれも夾雑成分が多量に存在する生体試料中において高感度かつ高選択的な分析を可能とする有用な方法である.非タンパク質構成アミノ酸については,今後も分析対象拡大とともに生体内におけるこれらのアミノ酸鏡像異性体の生理的意義,合成・代謝経路や疾患による含量変化解析が期待されており,さらなる分析技術の開発が望まれる.

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図4 マウス尿中における尿素回路関連アミノ酸鏡像異性体の分析結果およびDAO欠損に伴う尿中含量変化

4. タンパク質中のD-アミノ酸残基分析

D-アミノ酸残基はさまざまなタンパク質中において発見され,生成機構や生理的意義の解明が期待されている37).たとえば不溶化した水晶体クリスタリン中にはD-アスパラギン酸残基が認められ,加齢に伴って含量が増加することから白内障との関連が示唆されている38).D-アスパラギン酸残基は脳内のβアミロイドタンパク質や39, 40),血管41),皮膚42)のエラスチン中でも発見され,それぞれアルツハイマー病や加齢との関連が疑われている.アスパラギン酸残基はスクシンイミド構造を介して非酵素的に異性化することが明らかにされており,表1に示すようにさまざまな組織において異性化残基の存在が報告されてきた38–44).一方で近年,アスパラギン酸のみならずセリン39, 45),アスパラギン46),フェニルアラニン47)などさまざまなアミノ酸残基がタンパク質あるいはペプチド中で異性化することも明らかにされ,網羅的な異性化アミノ酸残基の解析とタンパク質の機能変化との関連解明が切望されている.

表1 タンパク質中に認められるD-アミノ酸残基
組織タンパク質D-アミノ酸残基文献
水晶体クリスタリンAsp38)
βアミロイドAsp, Ser39, 40)
動脈,皮膚エラスチンAsp41, 42)
象牙質リンタンパク質Asp43)
皮膚ケラチンAsp44)
ニワトリ卵白オボアルブミンSer45)
マウス涙液,唾液等リゾチームAsn46)

異性化アミノ酸残基の分析法としてはさまざまな方法が報告されており48),エドマン分解と光学分割を併用する方法49),酵素消化断片をジアステレオマーとした後に逆相HPLC50)や逆相HPLC-MS/MS51)で分離・同定する方法,異性化アミノ酸残基を認識する酵素51, 52)やD-アミノ酸残基含有ペプチドに対する抗体42, 53)を用いる方法,タンパク質を加水分解して得られたアミノ酸を光学分割する方法54–57)等がある.タンパク質中のアミノ酸残基を網羅的に分析するためには,加水分解によりすべてのペプチド結合を切断する方法が有用である.しかし加水分解には過激な反応条件を要し,ペプチドおよびタンパク質中でアミノ酸残基の異性化が生じること,遊離したアミノ酸についても異性化することが知られている.加水分解操作により生じるD-アミノ酸を区別するため,三重塩酸(tritiated hydrochloric acid)54)や重塩酸(deuterated hydrochloric acid)55–57)を用いる加水分解と質量分析を組み合わせた分析法が開発されている.この方法では加水分解に三重塩酸または重塩酸を用いることで反応中に生じるD-アミノ酸のα水素を三重水素(MW+2)または重水素(MW+1)とし,質量分析によりタンパク質中に天然に存在するD-アミノ酸残基(MW+0)と区別する.

筆者らは逆相分離と光学分割を連結した二次元HPLCと重塩酸加水分解,質量分析を組み合わせ(図5),アラニン,アスパラギン酸,グルタミン酸,プロリンおよびセリンを対象としてタンパク質中のアミノ酸残基異性化を評価している57).オボアルブミン(OVA)をモデルタンパク質として異なるpH条件下(pH 4.0, 7.4, 9.5)において37°Cで1週間静置した結果,結晶状態で保存した標品OVAにおける結果と比較し,pH 9.5では顕著なD-セリン残基の増加が確認された(図6左).また,図6右に示すようにpH 9.5での静置時においてD-アスパラギン酸残基が増加していることが認められた.OVAは,発生過程で鶏卵内部のpH上昇に伴って特定のSer残基がD体に変化することが報告されており45),重塩酸加水分解・二次元HPLC-MS/MS法で得られた結果は従来の報告とよく一致する.また,3種のpH条件下で静置したOVAにおけるD-アミノ酸残基の含量解析により,アルカリ性条件に曝露されたタンパク質中ではアミノ酸残基の異性化が起こりやすいことが示唆された.今後は分析対象アミノ酸の網羅性とスループットの向上,ならびにさまざまな生体試料の解析により,D-アミノ酸残基の生理的意義の解明が期待される.

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図5 重塩酸加水分解と質量分析の組合わせによるタンパク質中D-アミノ酸残基の検出

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図6 重塩酸加水分解二次元HPLC-MS/MS法によるオボアルブミン中D-アミノ酸残基の解析

*:定量下限以下.

5. おわりに

D-アミノ酸は,遊離体が新規生理機能分子の候補や各種疾病のバイオマーカーとして注目される他,タンパク質中でのD型残基の生成はタンパク質の機能変化を通して疾病や加齢と関連している.近年では19種のタンパク質構成キラルアミノ酸のみではなく,さまざまな代謝関連アミノ酸もD体が哺乳類から発見されており,その生理的意義や由来の解明が切望されている.これらの研究推進には高い選択性を有し,かつ正確な定量を可能とする分析法の開発が不可欠であり,分析法の性能向上は研究領域の拡大に直結する.今後,D-アミノ酸関連研究領域がさらに深化し,人類の健康と福祉に貢献できることを期待する.

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著者紹介Author Profile

石井 千晴(いしい ちはる)

九州大学大学院薬学府創薬科学専攻博士後期課程在籍.

略歴

2016年北里大学薬学部生命創薬科学科卒業.18年九州大学大学院薬学府創薬科学専攻修士課程修了.同年同大学院薬学府創薬科学専攻博士後期課程入学.

研究テーマと抱負

二次元HPLC-MS/MSを用いる遊離および結合型キラルアミノ酸の精密分析法開発.新しい分析法開発を通して,遊離D-アミノ酸およびタンパク質中D-アミノ酸残基を切り口とした新規バイオマーカー探索に貢献したいと考えております.

趣味

旅行.

古賀 鈴依子(こが れいこ)

福岡大学薬学部助教.博士(創薬科学).

略歴

2010年九州大学薬学部卒業.12年九州大学大学院創薬科学科修士課程修了.16年同博士課程修了.同年4月より九州大学大学院薬学研究院特任助教.17年より現職.

研究テーマと抱負

代謝関連キラルアミノ酸を対象とする高感度・高選択的分析法の開発.キラル識別定量を基盤とする創薬や診断への展開を目指しています.

ウェブサイト

http://www.pha.fukuoka-u.ac.jp/s_bunseki.htm

趣味

読書,ダンス.

浜瀬 健司(はませ けんじ)

九州大学大学院薬学研究院教授.博士(薬学).

略歴

1991年東京大学薬学部卒業.96年同大学院薬学系研究科博士課程修了.同年4月より九州大学薬学部助教.2001年より同助教授,07年より同准教授,16年より現職.

研究テーマと抱負

キラルアミノ酸ならびに関連化合物の高選択的多次元LC分析により,新たな創薬や診断法の開発を目指しています.

ウェブサイト

http://soyaku.phar.kyushu-u.ac.jp/

趣味

旅行,液クロいじり.

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