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公益社団法人日本生化学会
Journal of Japanese Biochemical Society 91(3): 301-308 (2019)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2019.910301

特集

生体試料におけるD-アミノ酸微量分析技術

1九州大学大学院薬学研究院 ◇ 〒812–8582 福岡市東区馬出3–1–1

2福岡大学薬学部 ◇ 〒814–0180 福岡市城南区七隈8–19–1

発行日:2019年6月25日
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D-アミノ酸は生体内に多量に存在するL-アミノ酸の鏡像異性体であり,高等動物体内には存在しないと長い間考えられてきた.一方で近年の分析技術の進歩により,ヒトを含む哺乳類体内においてさまざまなD-アミノ酸が,遊離型およびタンパク質中のD型残基として存在することが明らかにされてきた.また,数種のD-アミノ酸では生理活性や疾患との関連も報告され,創薬や診断を含むさまざまな分野で注目されている.しかし,生体試料には多種多様な夾雑成分が存在するため,D-アミノ酸の微量分析法としては感度と選択性を兼備することが必須である.本稿ではD-アミノ酸研究を支える分析技術について,LC-MS/MS法,多次元HPLC法などを含む最先端の方法を紹介する.

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