生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
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Journal of Japanese Biochemical Society 91(3): 329-337 (2019)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2019.910329

特集Special Review

哺乳類D-セリンの生理機能Physiological roles of D-serine in mammals

富山大学大学院医学薬学研究部・分子神経科学講座Department of Molecular Neuroscience, Graduate School of Medicine and Pharmaceutical Sciences, University of Toyama ◇ 〒930–0194 富山県富山市杉谷2630 ◇ Sugitani 2630, Toyama

発行日:2019年6月25日Published: June 25, 2019
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D-セリンはNMDA型グルタミン酸受容体の主要なコ・アゴニストとして,中枢神経系における興奮性神経伝達やシナプス可塑性,神経回路形成,学習・記憶などの脳高次機能の制御において重要な役割を果たしている.一方,D-セリンの機能異常はアルツハイマー病,筋萎縮性側索硬化症,統合失調症,うつ病などの神経精神疾患の病態にも深く関与することが示唆され,これらの疾患の新規診断バイオマーカーの候補として注目されている.近年では,哺乳類脳内のD-セリン量は神経活動依存的にダイナミックに制御されている可能性が示唆されており,今後脳内D-セリン量の制御メカニズムの解明が期待されている.本稿では,シナプス可塑性や学習・記憶の制御,神経回路の形成ならびに神経精神疾患の病態における哺乳類D-セリンの役割について最新の知見を中心に解説する.

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