生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

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Journal of Japanese Biochemical Society 91(3): 388-398 (2019)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2019.910388

総説Review

活性硫黄研究の新展開Recent advance in reactive sulfur research

1大阪府立大学大学院理学系研究科生物科学専攻Department of Biological Science, Graduate School of Science, Osaka Prefecture University ◇ 〒599–8231 大阪府堺市中区学園町1–1 ◇ 1–1 Gakuen-cho, Nakaku, Sakai, Osaka 599–8231, Japan

2東北大学加齢医学研究所遺伝子発現制御分野Department of Gene Expression Regulation, Institute of Development, Aging and Cancer, Tohoku University ◇ 〒980–8575 宮城県仙台市青葉区星陵町4–1 ◇ 4–1 Seiryocho, Aobaku, Sendai, Miyagi 980–8575, Japan

3東北大学大学院医学系研究科環境医学分野Department of Environmental Health Science and Molecular Toxicology, Tohoku University Graduate School of Medicine ◇ 〒980–8575 宮城県仙台市青葉区星陵町2–1 ◇ 2–1 Seiryo-machi, Aoba-ku, Sendai, Miyagi 980–8575, Japan

発行日:2019年6月25日Published: June 25, 2019
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システインのチオール(SH)基に過剰な硫黄原子が付加されたシステインパースルフィドなどの「活性硫黄分子」は,生体内に多量に存在し,強い抗酸化能,レドックスシグナル制御能を有することが知られている.最近,活性硫黄分子の持つユニークな化学特性が明らかになり,それに伴い分析技術が進歩し,生体内における活性硫黄の存在様式がより詳細に明らかになってきている.セントラルドグマを成立させる上で重要な働きをするアミノアシルtRNA合成酵素の一つであるシステイニルtRNA合成酵素(CARS)が,生体内におけるシステインパースルフィドの主要な産生酵素であること,タンパク質のポリスルフィド化は,翻訳“時”に起こること,哺乳動物のミトコンドリアにおいて,システインパースルフィドとその関連代謝物が酸素分子の代わりにエネルギー産生に利用されていることなど,従来の生物学の概念を覆すような知見も得られている.さらに,疾患との関連,硫黄供給源である食品中の活性硫黄に関する知見も蓄積しつつある.

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