Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 91(5): 626-633 (2019)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2019.910626

特集Special Review

PINK1/Parkin依存性マイトファジーにおけるParkin活性化の分子機構Molecular Mechanism of Parkin Activation in PINK1/Parkin-Dependent Mitophagy

東京都医学総合研究所,ユビキチンプロジェクトUbiquitin Project, Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science ◇ 〒156–8506東京都世田谷区上北沢2–1–6東京都医学総合研究所N棟202号室 ◇ Room N-202, TMIMS, 2–1–6 Kamikitazawa, Setagaya-ku, Tokyo 156–8506, Japan

発行日:2019年10月25日Published: October 25, 2019
HTMLPDFEPUB3

PARK2遺伝子およびPARK6遺伝子は,若年で発症する遺伝性潜性(劣性)パーキンソン病の原因遺伝子であり,PARK2はユビキチン連結酵素(ユビキチンリガーゼ:E3)Parkinを,PARK6はプロテインキナーゼPINK1をコードしている.少なくとも培養細胞ではParkinはPINK1と協調して脱分極したミトコンドリア(つまり機能障害のあるミトコンドリア)をユビキチン化して,ミトコンドリアに対するオートファジー(マイトファジー)を誘導することが示されている.

一方で,通常時にParkinが正常ミトコンドリアをマイトファジーで分解することがないように,その機能には何重にもロック(抑制)がかかっており,Parkinが脱抑制する仕組みを理解することは重要である.ごく最近,Parkinが活性化される仕組みが分子レベルで解明された.いまだ日本語の総説等では詳しく紹介されたことのないParkinの活性化メカニズムを,本稿では詳しく解説したい.

This page was created on 2019-08-23T11:16:35.049+09:00
This page was last modified on 2019-10-03T16:03:21.000+09:00


このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。