Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 91(5): 634-642 (2019)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2019.910634

特集Special Review

ようやく明らかになりつつあるミクロオートファジーの多様な分子機構Emergence of divergent mechanisms of microautophagy

京都大学農学研究科応用生命科学専攻Division of Applied Life Sciences, Graduate School of Agriculture, Kyoto University ◇ 〒606–8502 京都市左京区北白川追分町 ◇ Kitashirakawa-Oiwake, Sakyo-ku, Kyoto 606–8502, Japan

発行日:2019年10月25日Published: October 25, 2019
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ミクロオートファジーは,微細形態学的に,分解オルガネラであるリソソームや液胞が変形し,サイトゾルにあるタンパク質やオルガネラを直接,包み込み,分解する生理現象である.酵母から動植物まで,真核生物に広くみられていたものの,その分子機構は謎のベールに包まれていた.近年,酵母を対象とした研究からミクロオートファジーに機能する分子群が明らかになりつつあるが,統一的な見解は得られていない.筆者は,メタノール資化性酵母におけるミクロペキソファジー,パン酵母におけるミクロリポファジーを並行して解析しているが,両者間に形態学的,あるいは分子基盤に差異のあることがわかってきた.本稿では,ミクロオートファジーの多様性を理解した上で提唱している新規分類法をもとに,その分子機構について統一的理解を試みる.

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