ようやく明らかになりつつあるミクロオートファジーの多様な分子機構
京都大学農学研究科応用生命科学専攻 ◇ 〒606–8502 京都市左京区北白川追分町
発行日:2019年10月25日
ミクロオートファジーは,微細形態学的に,分解オルガネラであるリソソームや液胞が変形し,サイトゾルにあるタンパク質やオルガネラを直接,包み込み,分解する生理現象である.酵母から動植物まで,真核生物に広くみられていたものの,その分子機構は謎のベールに包まれていた.近年,酵母を対象とした研究からミクロオートファジーに機能する分子群が明らかになりつつあるが,統一的な見解は得られていない.筆者は,メタノール資化性酵母におけるミクロペキソファジー,パン酵母におけるミクロリポファジーを並行して解析しているが,両者間に形態学的,あるいは分子基盤に差異のあることがわかってきた.本稿では,ミクロオートファジーの多様性を理解した上で提唱している新規分類法をもとに,その分子機構について統一的理解を試みる.
© 2019 公益社団法人日本生化学会
This page was created on 2019-08-23T11:38:16.124+09:00
This page was last modified on 2019-10-03T16:07:11.000+09:00
このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。