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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 91(5): 643-651 (2019)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2019.910643

特集Special Review

初期発生におけるリソソーム分解の生理機能と分子メカニズムHow lysosomal degradation systems function in early embryos

1群馬大学生体調節研究所生体膜機能分野Laboratory of Molecular Membrane Biology, Institute for Molecular and Cellular Regulation, Gunma University ◇ 群馬県前橋市昭和町3–39–15 ◇ 3–39–15 Showa, Maebashi, Gunma, Japan

2群馬大学生体調節研究所細胞構造分野Laboratory of Molecular Traffic, Institute for Molecular and Cellular Regulation, Gunma University ◇ 群馬県前橋市昭和町3–39–15 ◇ 3–39–15 Showa, Maebashi, Gunma, Japan

発行日:2019年10月25日Published: October 25, 2019
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受精は新たな生命を生み出す出発点である.この際,高度に分化した卵母細胞と精子は受精により一つの接合子となり,そして万能性を持つ初期胚へと変換される.これまでにも受精を機に卵母細胞由来RNAの分解や,サイトゾルタンパク質のプロテアソームによる分解が起こることが報告されてきたが,最近の研究によりオートファジーやエンドサイトーシスを介したリソソーム分解系も初期発生に向けた細胞内成分のリモデリングに大きな役割を果たすことが明らかとなってきた.たとえば,線虫受精卵では受精後に精子由来の父性ミトコンドリアなどの選択的オートファジーが誘導され,これによりミトコンドリアDNAの母性遺伝が成立する.また,初期胚の体細胞系譜の細胞に分配された生殖顆粒の構成成分は液-液層分離を介したオートファジーによって選択的に分解されることが明らかとなってきている.一方,受精卵は高いエンドサイトーシス活性を示し,卵母細胞由来の一群の膜タンパク質が選択的に取り込まれ,リソソームにおいて分解される.本稿では主に線虫,マウスの初期胚におけるリソソーム分解系の生理機能とその分子メカニズムについて概説する.

1. はじめに

卵母細胞は精子との受精によってすべての細胞に分化しうる全能性を獲得し接合子へと変化する.この過程は母性-胚性転移(maternal-zygotic transition,またはoocyte-to-zygote transition)と呼ばれ,減数分裂期から体細胞分裂期へ,また高度に分化した生殖細胞から全能性を持った細胞への非常に大きな転換期である.このとき,染色体の構造や遺伝子発現の様式の転換が重要であるのはもちろん,それぞれの配偶子由来成分の積極的な分解によって細胞内の再編成が起きることも知られている.たとえば受精卵においては卵母細胞由来のmRNAの大規模分解や,プロテアソームによる減数分裂特異的タンパク質の分解が起こる1, 2).これに加え,最近の研究からは受精卵においてオートファジーとエンドサイトーシスという二つのリソソーム分解経路が活性化され,特定のオルガネラやタンパク質が積極的に分解されることがわかってきた.本稿では初期胚におけるリソソーム分解経路の役割について,線虫をはじめマウスなどのモデル動物の解析から得られた知見を紹介する.

2. オートファジーによる父性オルガネラ分解とミトコンドリアDNAの母性遺伝

線虫Caenorhabditis elegansは体や卵が透明であり,しかも雌雄同体であるため,同一個体内で各配偶子の形成・成熟,排卵,受精,胚発生までのすべての過程が生きた状態で可視化できる優れたモデル系である(図1).オートファゴソームマーカーであるAtg8/LC3の線虫ホモログLGG-1に対する抗体を用いて生殖腺におけるマクロオートファジー(以下オートファジーと省略)の活性を調べてみると,受精前の卵母細胞ではLGG-1が集積した小さな球状の構造が細胞質に散在するようすが観察されることから,卵母細胞の形成過程において恒常的に低レベルのオートファジーが起きていると考えられる3).それに対して,1細胞期の受精卵では侵入した精子の周辺にLGG-1が強く集積し,局所的なオートファジーの誘導が起こる.このオートファジーでは,精子から持ち込まれた父性ミトコンドリアやMOs(membranous organelles)と呼ばれるリソソーム様オルガネラが選択的に分解されることから,我々はこのオートファジーをアロファジー(Allophagy;allogeneic(non-self)organelle autophagy)と呼んでいる(図2A3–5).ミトコンドリアには独自のゲノムであるミトコンドリアDNA(mtDNA)が存在し,多くの生物において母性(片親)遺伝することが古くから知られていたが,その具体的な仕組みについてはよくわかっていなかった6).線虫においてはアロファジーで父性ミトコンドリアを丸ごと分解することがmtDNA母性遺伝の成立に必要なメカニズムであることが明らかとなり,オートファジーの新たな生理機能としても注目されている3, 4).線虫の受精卵では1細胞期のアロファジーに加えて,64~100細胞期にもう一度オートファジーが誘導され,胚全体でLGG-1陽性の構造が多数出現する3).このときの基質は現時点では明らかではないが,胚発生期にオートファジー活性が上昇するタイミングが複数存在することを示している.また,lgg-1欠損株は大部分が胚発生後期または孵化直後のL1幼虫期で致死となることから,オートファジー活性は正常な胚発生に必要である3)

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図1 線虫生殖腺における発生イベントに連動したリソソーム分解系の制御

線虫の生殖腺では第一減数分裂前期で細胞周期を一時停止した卵母細胞が貯精嚢に排卵され,そこで精子と受精する.貯精嚢には雌雄同体自身の精子,または雄由来の精子が保持される.受精卵は子宮に移動し,減数分裂を再開する.減数分裂が完了すると,前核融合,第一体細胞分裂へと進行する.これらの発生イベントに連動してエンドサイトーシスやオートファジーの活性が制御される.

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図2 線虫初期胚におけるリソソーム分解系による選択的分解の制御機構

(A)アロファジーによる父性オルガネラ分解.受精によって持ち込まれた父性オルガネラ[ミトコンドリア(mt)とMOs]はユビキチン(Ub)で標識され,オートファジー受容体ALLO-1とIKKE-1キナーゼを介して選択的にオートファゴソームに取り込まれる.ALLO-1はIKKE-1依存的にリン酸化されるが,未知の基質Xの存在も示唆されている.父性ミトコンドリアでは受精後に自発的な膜構造の変性や膜電位の低下が起きることが観察されており,そこにミトコンドリア内のエンドヌクレアーゼCPS-6の関与が示唆されている.(B)初期胚体細胞でのPGL granuleの形成と分解の制御.通常の培養温度(20°C)では,PGL-1·PGL-3はSEPA-1とともにPGL granuleを形成し,さらにEPG-2の作用によって効率的にオートファジーされる.しかし,高温環境(26°C)では,mTORC1によるPGL-1·PGL-3のリン酸化が亢進し,液-液相分離が促進されるとともに,EPG-2の量が相対的に不足することでオートファジーが抑制され,PGL granuleの蓄積が起きる.このPGL granuleの蓄積は高温下での胚の生存率維持に必要である.(C)エンドサイトーシスによる母性膜タンパク質の分解.1細胞期の受精卵では一群の膜タンパク質がユビキチン依存的エンドサイトーシスによりエンドソームに取り込まれ,MVB経路を介してリソソームに送られ分解される.この過程にはUBC-13·UEV-1を介したK63結合ユビキチン化が関与する.これらの変異体では膜タンパク質がエンドソームから細胞膜にリサイクルしてしまい,効率的に分解されなくなる.また,エンドサイトーシスの活性化は,受精後の減数分裂の進行に必須なAPC経路の下流で制御される.

アロファジーにおいて父性オルガネラの認識に関わる因子も明らかとなりつつあり,体細胞におけるマイトファジーなど他の選択的オートファジー経路との共通性も見いだされてきている(図2A).哺乳類におけるユビキチン依存的オートファジー経路では基質に付加されたユビキチンがシグナルとなり,ユビキチン結合ドメインを持つオートファジー受容体が局在化する.オートファジー受容体はLC3などのオートファジー因子とも結合し,それによって基質周囲への局所的なオートファゴソーム膜形成を促進すると考えられている7, 8).アロファジーにおいても,オートファジーに先立ち父性オルガネラ上にユビキチンが集積する3, 4, 9).最近,我々はLC3-interacting region(LIR)モチーフを持つ新規分子ALLO-1を同定し,この分子がアロファジーにおいてオートファジー受容体として機能することを見いだした9).ALLO-1は受精後の非常に早い時期に父性オルガネラに局在化し,その局在化はユビキチン依存的であった.また,ALLO-1はLIRモチーフを介してLGG-1と直接結合することができ,allo-1欠損株やLIR変異体では父性オルガネラ周囲へのオートファゴソーム膜形成が阻害される.これらの観察から,ALLO-1は父性オルガネラ周囲へのオートファゴソーム膜形成を促進するオートファジー受容体であると結論した.ALLO-1は配列的には線虫類に特異的な因子であるが,オートファジー受容体としての機能はよく保存されている.ALLO-1に加えて,哺乳類のTBK1/IKKεキナーゼに相同性を示すIKKE-1もアロファジーに必須である9).TBK1は哺乳類のゼノファジーやPINK1/Parkin依存的マイトファジーにおいて,オプチニューリン(OPTN)やNDP52, p62といったユビキチン依存的オートファジー受容体をリン酸化し,それによって受容体とLC3またはユビキチンとの結合能が増強されることが知られている8).線虫においてもIKKE-1はALLO-1と結合しリン酸化すること,このリン酸化をブロックするとアロファジーの効率が低下することから,IKKE-1のリン酸化基質の一つはALLO-1であると考えられる9).このように,選択的オートファジー経路の仕組みは生物種や標的を超えて保存されていることが明らかとなってきている.一方で,IKKE-1にはALLO-1以外のリン酸化基質が存在することも示唆されており9),IKKE-1は複数の標的を同時にリン酸化することで局所的なオートファゴソーム膜形成を調節している可能性がある.

また,アロファジーに先立ち,受精後の父性ミトコンドリアでは膜電位の低下や内膜構造の崩壊などの変化が起きることもわかってきた10).このような変化はオートファジーとは独立に起こる現象であり,父性ミトコンドリア内のエンドヌクレアーゼGであるCPS-6の関与が示唆されている10).しかし,受精のシグナルがどのように父性ミトコンドリア内部に伝わるのかなど,詳しい仕組みはわかっていない.また,この父性ミトコンドリア特異的な変化がユビキチン化とALLO-1による認識を引き起こしている可能性があるが,アロファジーにおけるユビキチン化の機構についても現段階ではよくわかっていない.哺乳類細胞のPINK1/Parkin依存的マイトファジーでも膜電位の低下がマイトファジーの引き金になるが8),線虫ではPINK1やParkinの欠損株においてもアロファジーが正常に起こることから,別のユビキチンリガーゼの関与が強く示唆される9).父性ミトコンドリアやMOsのユビキチン化を制御する仕組みについては今後の課題である.

他の生物種においても父性ミトコンドリアがオートファジーによって分解される例が報告されている11).ショウジョウバエの場合は,精子形成時にミトコンドリア特異的なエンドヌクレアーゼGによって内部のmtDNAが消化されることが主な母性遺伝の仕組みになっている12).しかし,卵子に持ち込まれた父性ミトコンドリアは細かく断片化されるとともにユビキチン化され,やはりオートファジーによって分解される13).ユビキチン化されたミトコンドリアの認識にはユビキチン依存的オートファジー受容体であるp62の関与が報告されている.また,断片化の過程にもオートファジー関連因子の関与が示唆されている13)

マウスにおいては,1990年代までの解析から,卵に侵入した父性ミトコンドリアとそのmtDNAが初期胚で消失すること,またそのとき父性ミトコンドリア上にユビキチンが検出されることが報告されており,父性ミトコンドリアは受精後に何らかの仕組みで分解されると考えられていた6, 14).さらに最近になり,ユビキチン化された父性ミトコンドリアがp62を介してオートファジー依存的に分解されるとの報告がなされた15).また,受精後の父性ミトコンドリアでは膜電位の低下がみられること,ParkinとMUL1という二つのユビキチンリガーゼを同時にノックダウンするとこの分解が遅延することから,体細胞における不良ミトコンドリアのマイトファジーとの共通性が指摘されている15).一方で,これらの報告に反し,マウス胚においては父性ミトコンドリア近傍にLC3などオートファジー因子の局在が観察されるが,そのような局在は一過的で,父性ミトコンドリアは初期胚において積極的には分解されていないとの報告もある16).マウスにおける父性ミトコンドリアの運命については,今後の検証が必要である.

3. 線虫における生殖顆粒構成因子のオートファジーによる分解機構

線虫のP granuleは生殖細胞特異的にみられる膜を持たないオルガネラで,動物の生殖細胞に広く観察される生殖顆粒の一種である(Pボディとは異なる).P granuleはmRNAの翻訳制御に関わる構造であると考えられており,機能的な生殖細胞の形成に必須である17).生殖顆粒に加え,体細胞でみられる核小体やPボディ,ストレス顆粒も非膜性オルガネラであるが,膜で仕切られることなくどうやってこのような構造が形成されるのかは長年の謎であった.しかし,線虫のP granuleの解析を端緒に,これらのオルガネラは特定のタンパク質とRNAが液-液相分離によって集合した液滴と呼ばれる構造であることが明らかとなり,その形成機構が急速に解明されつつある18, 19)

PGL-1とそのパラログPGL-3は代表的なP granule構成タンパク質であり,液-液相分離によってP granuleを形成するための足場として機能する18).PGL-1やPGL-3は天然変性領域の一種であるRGGドメインを持ち,この領域が液-液相分離に重要な働きをしている.卵母細胞から受け継がれたP granuleは初期胚において将来生殖細胞になる細胞系譜(P細胞系列)にだけ伝播・維持される17).この際,体細胞系列の細胞に分配されたPGL-1やPGL-3はオートファジーにより選択的に分解されることが知られており,この分解はP granuleの生殖細胞特異的分配に寄与している(図120).この系は線虫においてオートファジー活性をモニターする優れたモデルともなっており,ZhangのグループはGFP-PGL-1の分解や局在性の異常を指標にした遺伝学的スクリーニングから,多数のオートファジー制御因子の同定に成功している21).その中には酵母から哺乳類まで保存されたATGタンパク質群に加え,酵母には存在せず多細胞生物に特異的な因子も含まれており,進化によってオートファジーの仕組みもより複雑になっていることがうかがえる.

オートファジー欠損胚の体細胞において,PGL-1とPGL-3は顆粒状の構造に存在する.この構造は生殖細胞のP granuleとは組成が異なるため,PGL granuleと命名されている20).SEPA-1はLGG-1, PGL-3両者との結合能を持ち,PGL granule分解におけるオートファジー受容体として機能するとともに,PGL granuleの形成自体にも必要な因子である20).EPG-2もPGLタンパク質の分解に必要な因子であり,SEPA-1を介してPGL granuleに局在化し,さらにLGG-1と結合することで足場タンパク質として機能すると考えられていた22).当初,PGL granuleは細胞にとって不要なタンパク質凝集体と考えられており,この分解はaggrephagyとも呼ばれていた.しかしながら,最近の研究からPGL granuleは凝集体のような硬い構造ではなく,液-液相分離によって形成される動的構造であること,さらにSEPA-1とEPG-2はPGL granuleの物理的状態を制御することで,オートファジーのされやすさを調節していることがわかってきた(図2B23).精製タンパク質を用いたin vitroの実験において,PGL-1とPGL-3はそれぞれ単独で液-液相分離を起こし顆粒を形成することができるが,両者を同時に加えるとさらに相分離が促進され,顆粒形成の頻度や顆粒サイズが上昇する.SEPA-1は単独では顆粒を形成することはできないが,PGL-1やPGL-3の液-液相分離を促進し,より低濃度での顆粒形成を可能にする.この結果は,sepa-1変異体ではPGL-1やPGL-3が細胞内に分散してPGL granuleが形成されないこととも一致する.興味深いことに,そこにさらにEPG-2を加えると顆粒状の構造が安定化し,高塩濃度に対して耐性となる.また,顆粒どうしの融合が抑えられ,顆粒と周囲の液相間の分子交換頻度も低下することから,EPG-2の添加によって顆粒が柔らかい液相の状態からゲル状に変化したと考えられる.epg-2変異体ではPGL granuleは形成されるが分解されなくなることを合わせると,PGLタンパク質がオートファゴソームに効率的に取り込まれるためにはSEPA-1依存的に顆粒を形成し,さらにEPG-2によってPGL granuleの物理的状態が液相からゲル状へ変化する必要があるのではないかと考えられている23)

さらに,液–液相分離の効率はPGL-1やPGL-3の飜訳後修飾によっても制御される.PGL-1やPGL-3のRGGドメインはタンパク質アルギニンメチル化酵素であるEPG-11によってメチル化されるが,このメチル化は液-液相分離に阻害的に働く23).一方,PGL-1やPGL-3はmTORC1によるリン酸化も受け,このリン酸化は液-液相分離を促進する23).このようにPGL granuleの形成は制御されたプロセスであることがわかってきたが,この過程が胚の高温ストレス応答に関与することも明らかとなってきている(図2B23).通常の温度で培養した野生型胚ではPGL granuleはオートファジーにより分解され検出されないが,高温で培養した胚では体細胞に多数のPGL granuleが観察されるようになる.この変化にはmTORC1が関与しており,高温下ではPGL-1やPGL-3のリン酸化が亢進して,PGL granule形成が促進される.それに加え,詳しい仕組みは不明だが,高温ではPGL-1やPGL-3に対してEPG-2のタンパク質量が相対的に不足し,PGL granuleが効率的に分解されなくなることもPGL granuleの増加に寄与している.sepa-1変異体やmTORC1構成因子の変異体など高温下でPGL granuleの蓄積が起きなくなるような変異体では,高温での胚性致死率が上昇する.このことは,高温下でのPGL granule形成は細胞のストレス応答の一種であり,その過程が液–液相分離とオートファジーの効率を調節することで制御されていることを示唆している23).このようなPGL granuleの挙動は哺乳類細胞でみられるストレス顆粒に類似しており,ストレス顆粒の形成にも同様の機構が働いているのかもしれない.

4. マウス受精卵におけるオートファジーの活性化とその生理機能

マウスの未受精卵ではオートファジー活性は抑制されており,GFP-LC3の観察でもオートファジー活性はほとんど確認できない.これに対して,受精卵では受精後4時間ごろから急速にオートファジー活性が上昇し,細胞質全体にGFP-LC3陽性の構造が出現する.オートファジー活性は2細胞期の前後で多少下がったあと4~8細胞期まで高い活性が維持される(図324).卵母細胞特異的なATG5欠損マウス卵を用いた解析から,この受精卵におけるオートファジーの活性化は初期胚が4~8細胞期以降に発生するために必須であることが示唆されている24).マウスの受精卵においては,受精後に卵母細胞由来のタンパク質とmRNAが急速に分解される一方で,胚由来のゲノムの転写が開始され,4~8細胞期においてタンパク質の合成が盛んになる.上述のATG5欠損胚ではアミノ酸の欠乏と新規タンパク質の合成低下が顕著であることから,受精卵で誘導されるオートファジーは初期胚ゲノムによる新規タンパク質合成に必要なアミノ酸等の供給に必須であると考えられる(図324).このような受精卵におけるオートファジーの活性化は他の哺乳類においても確認されている.ブタの受精卵を用いた研究では,オートファジーに対する阻害剤または活性化剤を添加すると一部の母性mRNAの分解効率に差がみられることから,タンパク質だけでなくmRNAの分解にも関連する可能性が示唆されている25)

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図3 哺乳類の発生イベントに連動したオートファジー活性の制御と母性–胚性転移

ヒトやマウスでは,卵巣の中に貯蔵された第一減数分裂前期で停止したGV(germinal vesicle)卵が,ホルモンによる制御を受けて減数分裂を進行させながら排卵される.卵はその後また第二減数分裂中期で細胞周期を一時停止させ,卵管の上流部(膨大部)にて精子と受精する.受精卵は精子由来の受精刺激によって減数分裂を再開し,減数分裂が完了すると前核融合,体細胞分裂へと進行し,胚盤胞期に子宮へと移動して着床する.これらの発生イベントに連動してエンドサイトーシスやオートファジーの活性が制御されており,母性–胚性転移と同期した劇的な分解活性の変化が起こる.

オートファジーの活性化は精子を用いずに単為発生を誘導した卵においても観察されることから,精子を必要とせず,卵中の母性因子のみで進行することが報告されている24).しかしながら,哺乳類の受精卵においてオートファジーを制御する分子メカニズムについてはいまだ不明な点が多い.一般的な細胞では,オートファジーに対してmTORC1活性が抑制的に働いており,アミノ酸の供給不足などの刺激でmTORC1活性が低下するとオートファジー活性の上昇がみられる.当初,マウス卵においても未受精卵ではmTORC1活性が高く,受精後に低くなるため,同様の制御機構が想定された.しかしながら,マウス卵をmTORC1阻害剤等で処理しその活性を低下させても,それだけではオートファジーを誘導することはできない26).一方で,ブタ卵を用いた実験ではmTORC1の誘導剤によってmRNAの分解に差がみられている25).種ごとの差は十分に考慮する必要があるが,哺乳類卵にはmTORC1を介した制御とは別に,おそらく特殊化した制御メカニズムが備わっていると考えられている.

興味深いことに,受精卵におけるオートファジー活性と胚の発生能に相関があることが明らかとなってきている.塚本らは,GFP-LC3の分解をオートファジー活性の指標として用いることにより,14~15か月齢マウス由来の加齢卵では若いマウスに比べ,おそらくリソソーム分解酵素活性の低下によりオートファジー活性が低下していることを見いだしている.また,4細胞期におけるオートファジー活性を指標に初期胚を分類し偽妊娠マウスに移植したところ,オートファジー活性が高い胚を移植した雌の方が産仔率が顕著に高くなることを明らかにしている27).今後,受精卵におけるオートファジー活性を定量することで哺乳類胚の質(発生能)の予測指標になる可能性がある.

5. 受精卵におけるエンドサイトーシスによる細胞膜成分の分解機構

線虫受精卵ではオートファジーに加えて,エンドサイトーシスを介した卵母細胞に由来する細胞膜タンパク質の大規模分解も起こる(図1図2C28, 29).受精後の第二減数分裂期後期において,CAV-1(caveolin),CHS-1(キチン合成酵素),RME-2(卵黄受容体)などの膜タンパク質が細胞内に取り込まれ,一斉にエンドソーム上に集積するようすが観察される.これらの膜タンパク質はその後速やかにリソソームにおいて分解され,2細胞期(受精後約65~80分)にはシグナルがほぼ消失する.一方,細胞膜に局在する膜タンパク質でもSNB-1(synaptobrevin-1)など分解を受けないものもあり,この分解は基質選択的である29).一般的に膜タンパク質のエンドサイトーシスにおいてはK63結合ユビキチン鎖の修飾が基質選択性を規定していることが知られている30).線虫の受精卵をユビキチンに対する抗体で染色すると,第二減数分裂期においてエンドソーム上に非常に強いK63結合ユビキチン鎖の集積が観察される.また,エンドソームのサイズも受精前に比べて顕著に肥大化する.これらの観察から,この時期には相当量のタンパク質がユビキチン化され,エンドソームへと輸送されていると考えられる29).エンドソーム上へのユビキチン鎖の集積は一過的で,2細胞期までに消失する.ユビキチン化された基質はその後,ESCRT複合体を介してエンドソーム膜上からMVB(multivesicular body)経路へとソーティングされ,リソソーム内腔へと送られる(図2C).ESCRTの機能を阻害すると,ユビキチン化基質を含むエンドソームが蓄積し続け,CAV-1など膜タンパク質の分解がブロックされる29).そこで,この膜タンパク質の分解を制御する因子をスクリーニングしたところ,ユビキチン結合酵素(E2)であるUBC-13とそのバリアントUEV-1が同定された29).これらは複合体を形成し,K63結合ユビキチン鎖形成に特異的に働くE2であることが報告されている31).これらの変異体では,受精後に起こるエンドソーム上へのK63結合ユビキチン鎖の集積が抑制される.また,変異体ではCAV-1などの膜タンパク質がエンドソームまで取り込まれるものの,再び細胞膜にリサイクルしてしまうことから,エンドソーム上でのMVB経路への選別が機能しなくなっていると考えられる29)

このように,受精卵においては,エンドサイトーシスの活性化により受精前に比べ細胞膜上のタンパク質の組成が大きく変化していると考えられる.細胞膜は細胞間コミュニケーションの場であり,さまざまなシグナル伝達関連因子が存在することから,エンドサイトーシスは細胞膜のタンパク質組成を卵子型から胚型へと転換する機構なのではないかと考えている.実際,ubc-13uev-1の変異体は高温で60%程度の胚性致死性を示すことから,受精後に起こる母性膜タンパク質の分解が初期発生を正常に進行させるために重要であると思われる29)

実は受精卵だけでなく,受精前の卵母細胞も高いエンドサイトーシス(細胞膜からの取り込み)活性を持っている(図1).卵母細胞では,卵黄受容体RME-2を介したエンドサイトーシスにより卵黄成分の取り込みを活発に行っている.しかしながら,受精前の卵母細胞ではエンドソームに取り込まれたRME-2はリサイクリング経路によって再び細胞膜へ送り返されて再利用されることにより分解を受けない32).したがって,受精後にはRME-2の輸送をリサイクリング経路から分解経路へとスイッチする仕組みがあると予想される.線虫では,卵母細胞は第一減数分裂前期で一時的に細胞周期を停止する.受精後に減数分裂が再開され,第一・第二極体の放出後に前核融合,第一分裂へと進行する.受精後の減数分裂の進行にはanaphase promoting complex(APC)が必要であるが33),APCサブユニットの機能を阻害すると,膜タンパク質の細胞膜からの取り込みや分解が起きなくなることから,受精後のエンドサイトーシス活性はAPC経路の下流のシグナル経路で制御されていることが示唆されている28, 29).発生のイベントと細胞内輸送をリンクさせるシグナル経路の詳細については今後の解析が待たれる.

マウスをはじめとした哺乳類では卵のエンドサイトーシス活性に関する報告は少ない.マウスの場合,GTPaseであるDynamin2を阻害してエンドサイトーシスを抑制すると,EEA1陽性の初期エンドソームがほとんど検出できなくなり,この結果,排卵前の卵成熟過程においては染色体の分離と極体放出が,受精卵においてはすべての細胞分裂が停止することから,その重要性が示唆されている34, 35).また,減数分裂期の細胞周期において細胞内cAMP濃度を維持するのに必要なGタンパク質共役受容体であるGPR3やGPR12などのタンパク質が選択的にエンドサイトーシスされることが示唆されているが,詳細については明らかになっていない36)

6. 初期胚におけるファゴサイトーシスの生理機能

マクロファージのようなプロフェッショナル細胞だけでなく,意外なことに初期胚の細胞もファゴサイトーシスの能力を持っていることがわかってきている.線虫では受精後に第一・第二極体が連続して形成される.第一極体は卵殻の中に物理的に隔離されるためファゴサイトーシスの対象とならないが,卵殻と初期胚の間の空間に放出された第二極体は2~4細胞期の初期胚細胞によってファゴサイトーシスされる37).線虫の極体はアポトーシスではないプログラム細胞死の後にファゴサイトーシスされるが,この際,細胞表面にホスファチジルセリンを露出するなど,アポトーシスした死細胞との共通性も見いだされている.またこれら死細胞の細胞内への取り込み機構も類似しており,ファゴサイトーシス受容体CED-1やRac1ホモログであるCED-10など共通の因子によって制御される.また,ファゴソームの成熟にはRAB-5やRAB-7が必要であることに加え,LGG-1やその脂質修飾を制御するATG-7なども関与し,ファゴソーム成熟過程の後期にはLGG-1がファゴソームにリクルートされる.哺乳類や線虫において,一部のオートファジー制御因子はマクロオートファジーに加えてこのようなファゴサイトーシスにも関与していることが報告されており,LC-3-associated phagocytosis(LAP)と呼ばれているが,極体の分解もこのタイプのファゴサイトーシスと考えられる37).極体に加えて体細胞分裂時に生じるミッドボディもLAPによって分解されることが報告されいる38)

7. マウス卵による精子膜成分のエンドサイトーシス

マウスやハムスターなどの哺乳類の卵も,好中球やマクロファージのようないわゆるプロフェッショナルな貪食細胞に比べて弱い活性だが,一部の上皮細胞と同様に他の細胞を細胞質中に取り込む活性を持っている.この活性は,はじめは卵を取り囲む細胞外基質である透明帯と卵細胞膜との間に留置された酵母などの異物を取り込む活性として認識されていた.しかしながら,その後,遊泳能のない精子も卵によって細胞質中に引き込まれ,その結果受精と同じように受精卵が形成されるとの報告がなされ,卵によるファゴサイトーシス様活性として精子との生理的な融合過程への関与が示唆されてきた39).マウス精子膜上のIZUMO1に関する受精前後のライブイメージング解析も,この活性が受精の一過程を担っていることを示している40).IZUMO1は精子オルガネラである先体のエキソサイトーシスを介して頭部細胞膜に露出し,IZUMO1の集積部位において精子と卵の細胞膜融合に必要な繋留状態を作り,その後の細胞膜融合に関わっている41).そして,IZUMO1と卵細胞膜の両者の挙動をイメージング解析した結果から,受精後に卵が精子の一部を取り込む際,融合に関与しなかったIZUMO1を含む先体オルガネラ膜の残存部分と卵細胞膜とが細胞質中においてハイブリット膜小胞を形成することが明らかとなった40).この観察は,哺乳類の受精における卵–精子膜融合反応は,細胞間での膜融合反応だけではなく,その後のエンドサイトーシス活性との両者によって成り立っていることを示唆している(図4).精子はIZUMO1を介した膜融合反応から5分ほどで卵細胞質中に引き込まれており,これは電子顕微鏡観察によって哺乳類の多様な種の受精直後の卵細胞質において精子由来の先体膜らしき小胞が観察されることと一致する42).しかしながら,ここでみられたファゴサイトーシス様の活性は精子の細胞質成分や核がリソソームによって分解されないことや,上述のハイブリッド膜小胞がおそらく外液を取り込んでいることなどから,正確にはマクロピノサイトーシス様のエンドサイトーシス活性であろうと考えられる.

Journal of Japanese Biochemical Society 91(5): 643-651 (2019)

図4 マウスの受精における細胞間融合の過程

精子の頭部には核の前端部を覆うようにゴルジ由来のオルガネラである先体が存在し,融合に必須なIZUMO1はここに局在している.受精の直前,細胞膜と先体外膜が融合することで先体全体のエキソサイトーシスを起こし,このときにIZUMO1は細胞の表面に露出して卵との融合コンパートメントを形成する.融合後,速やかに卵上に隆起が形成され,マクロピノサイトーシス様の活性により先体内膜を主とした精子由来の膜と卵細胞膜とでハイブリット膜小胞が形成される.一方で,精子核やミトコンドリアなどの成分は卵細胞質中に放出される.

8. おわりに

このように,初期胚は高いリソソーム活性を持つ細胞であり,オートファジーやエンドサイトーシスによってさまざまな成分を分解していること,またその分解が正常な胚発生に必要であることがわかってきた.これにより,これまで遺伝子発現の制御から語られることが多かった母性-胚性転移に,タンパク質やオルガネラの分解という新しいレイヤーが加わった.接合子による新たな遺伝子発現・タンパク質合成と,配偶子由来のタンパク質の分解が両輪となって,細胞内を配偶子型から接合子型へと変換しているのではないかと考えられる.しかし,初期胚におけるリソソーム分解の研究は始まったばかりであり,不明な点も多い.特に,受精などの発生のイベントと細胞内輸送経路の活性や方向性をどのように結びつけているのかについてはいまだブラックボックスであり,シグナル経路の解明が今後の大きな課題である.

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著者紹介Author Profile

佐藤 美由紀(さとう みゆき)

群馬大学生体調節研究所生体膜機能分野准教授.博士(理学).

略歴

東京大学大学院理学系研究科博士課程修了.理化学研究所特別研究員,ラトガーズ大学博士研究員,日本学術振興会特別研究員,群馬大学GCOE研究員等を経て2010年より生体調節研究所助教.13年より現職.

研究テーマと抱負

生殖細胞や受精卵の中のオルガネラバイオロジーをテーマに研究しています.

ウェブサイト

http://makukinou.showa.gunma-u.ac.jp/index.html

趣味

こどもと遊ぶこと.家の片付け.

佐藤 裕公(さとう ゆうこう)

群馬大学生体調節研究所細胞構造分野准教授.博士(生命科学).

略歴

1979年秋田県生まれ.2007年東北大学大学院生命科学研究科博士課程修了.日本学術振興会DC1, PD, 大阪大学微生物病研究所/免疫学フロンティア研究センターでの研究を経て18年より現職.

研究テーマと抱負

まだまだ不明なことが多い受精の生物学を通して,生殖細胞特有の現象や生命にとって普遍的な現象を見いだすことを目指しています.きれいなイメージングと分かりやすい表現が信条です.

ウェブサイト

https://www.sites.google.com/view/yuhkohsatouh/home

趣味

釣り,ゴルフ,生物学談義.

佐藤 健(さとう けん)

群馬大学生体調節研究所細胞構造分野教授.博士(理学).

略歴

大分県に生る.1992年九州大学理学部生物学科卒業,97年東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻博士課程修了,同年日本学術振興会特別研究員(PD),98年理化学研究所研究員,2002年Rutgers大学訪問研究員,04年群馬大学生体調節研究所助教授・准教授,10年より現職.

研究テーマと抱負

動物発生におけるメンブレントラフィックの生理機能とその制御メカニズム.まだ誰も知らない生命現象を見つけて,その秘密を解き明かしたいです.

ウェブサイト

http://traffic.dept.med.gunma-u.ac.jp/people.html

趣味

スポーツ観戦,トレーニング,読書,子供と遊ぶこと.

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