生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

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Journal of Japanese Biochemical Society 91(5): 643-651 (2019)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2019.910643

特集Special Review

初期発生におけるリソソーム分解の生理機能と分子メカニズムHow lysosomal degradation systems function in early embryos

1群馬大学生体調節研究所生体膜機能分野Laboratory of Molecular Membrane Biology, Institute for Molecular and Cellular Regulation, Gunma University ◇ 群馬県前橋市昭和町3–39–15 ◇ 3–39–15 Showa, Maebashi, Gunma, Japan

2群馬大学生体調節研究所細胞構造分野Laboratory of Molecular Traffic, Institute for Molecular and Cellular Regulation, Gunma University ◇ 群馬県前橋市昭和町3–39–15 ◇ 3–39–15 Showa, Maebashi, Gunma, Japan

発行日:2019年10月25日Published: October 25, 2019
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受精は新たな生命を生み出す出発点である.この際,高度に分化した卵母細胞と精子は受精により一つの接合子となり,そして万能性を持つ初期胚へと変換される.これまでにも受精を機に卵母細胞由来RNAの分解や,サイトゾルタンパク質のプロテアソームによる分解が起こることが報告されてきたが,最近の研究によりオートファジーやエンドサイトーシスを介したリソソーム分解系も初期発生に向けた細胞内成分のリモデリングに大きな役割を果たすことが明らかとなってきた.たとえば,線虫受精卵では受精後に精子由来の父性ミトコンドリアなどの選択的オートファジーが誘導され,これによりミトコンドリアDNAの母性遺伝が成立する.また,初期胚の体細胞系譜の細胞に分配された生殖顆粒の構成成分は液-液層分離を介したオートファジーによって選択的に分解されることが明らかとなってきている.一方,受精卵は高いエンドサイトーシス活性を示し,卵母細胞由来の一群の膜タンパク質が選択的に取り込まれ,リソソームにおいて分解される.本稿では主に線虫,マウスの初期胚におけるリソソーム分解系の生理機能とその分子メカニズムについて概説する.

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