Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 91(5): 652-658 (2019)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2019.910652

特集Special Review

植物の必須栄養素から考える植物オートファジーの重要性Importance of plant autophagy in terms of plant essential nutrients

明治大学農学部生命科学科Department of Life Sciences, School of Agriculture, Meiji University ◇ 〒214–8571 川崎市多摩区東三田1–1–1 ◇ 1–1–1 Higashimita, Tama-ku, Kawasaki-shi, Kanagawa 214–8571, Japan

発行日:2019年10月25日Published: October 25, 2019
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2000年以降,植物にも主要ATG因子群がよく保存されていることが明らかとなり,基本的な点では酵母や動物と同様のメカニズムによって植物オートファジーが駆動されていると考えられてきた.しかし,最近の国内外の研究から,植物独自のメカニズムやその生理機能が次々と明らかになってきている.独立栄養生物であるため栄養素の吸収や代謝に関して他の生物と一線を画しており,その結果,機能進化してきたものなのかもしれない.植物が持つ固い細胞壁による解析の難しさからなのか,研究者数が少ないからなのか,植物のオートファジー研究は酵母や動物の研究に比べ後塵を拝している感は否めないが,現時点でわかっている植物特異的なオートファジーの誘導メカニズム,多彩な経路,生理機能を植物栄養学の視点でさまざまな角度から取り上げ,紹介する.

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