生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

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Journal of Japanese Biochemical Society 91(6): 763-774 (2019)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2019.910763

総説Review

CAST/ELKSタンパク質を介したアクティブゾーンの分子構造基盤と生理機能Biochemical and physiological properties of CAST/ELKS protein family in the active zone structure and function

山梨大学医学部生化学講座第一教室Department of Biochemistry, Graduate School of Medicine/Faculty of Medicine, University of Yamanashi ◇ 〒409–3898 山梨県中央市下河東1110 ◇ 1110 Shimokato, Chuo, Yamanashi 409–3898, Japan

発行日:2019年12月25日Published: December 25, 2019
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脳内シナプスは神経回路網の信号伝達の要となる構造体であり,ヒトの行動や意識,情動などの高次脳機能を担う基本ユニットである.シナプスはプレシナプス,シナプス間隙,ポストシナプスに大まかに分類でき,それぞれのコンパートメントが特異的な分子群を発現して,数ミリ秒というきわめて速い神経伝達をコントロールしている.特に,プレシナプスにはアクティブゾーン(active zone)と呼ばれる比較的電子密度の高い構造体が存在する.各種の神経伝達物質を含有したシナプス小胞はこのアクティブゾーンにドッキング,融合して,細胞内Ca2+の上昇に伴って神経伝達物質をシナプス間隙に放出することから,アクティブゾーンはシナプス伝達を時空間的に制御するきわめて重要な構造体と考えられている.アクティブゾーンを構成する分子群は長らく不明であったが,近年の分子生物学・オミックス解析の発展に伴って,特異的なタンパク質群が見いだされてきた.本稿では,アクティブゾーンの分子構造基盤を概説するとともに,アクティブゾーンのコアタンパク質と考えられるCAST/ELKSファミリーの構造と機能に関する最近の話題を提供したい.さらに,アクティブゾーンタンパク質の機能異常と神経変性疾患の発症機構に関してもいくつかの知見を紹介する.

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