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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 92(1): 48-56 (2020)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2020.920048

特集Special Review

26Sプロテアソームによるユビキチン化タンパク質認識・分解機構Recognition and degradation of ubiquitinated proteins by the 26S proteasome

東京大学大学院薬学系研究科蛋白質代謝学教室Laboratory of Protein Metabolism, Graduate School of Pharmaceutical Sciences, The University of Tokyo ◇ 〒113–0033 東京都文京区本郷7–3–1東京大学薬学部総合研究棟7階 ◇ 7–3–1 Hongo, Bunkyo-ku, Tokyo 113–0033, Japan

発行日:2020年2月25日Published: February 25, 2020
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プロテアソームはユビキチン化タンパク質の迅速かつ選択的な分解を行うことにより,真核生物において必須の役割を担う.従来,プロテアソームはK48鎖ユビキチン化タンパク質の分解処理を行うと単純に認識されていたが,近年の解析技術の進歩により,ユビキチン修飾の多様性が明らかになるとともに,その読み取り・編集を行うユビキチン鎖受容体サブユニットの多様性,プロテアソーム会合脱ユビキチン化酵素,ユビキチン化タンパク質をプロテアソームへ運搬する複数の経路など,さまざまな要素がタンパク質分解に寄与していることがわかってきた.本稿ではプロテアソームにおけるユビキチン化タンパク質の認識・分解機構の最新の理解について紹介する.

1. はじめに

細胞内タンパク質の1~2%を占めるといわれるプロテアソームは,出芽酵母(以下酵母)から哺乳類に至るすべての真核生物において高度に保存された構造を持つタンパク質分解酵素複合体であり,ユビキチン化タンパク質をATP依存的に分解することにより細胞内の多彩な生命活動の円滑な進行や恒常性維持に働く1).プロテアソーム阻害によりK63鎖以外のさまざまなユビキチン鎖(K6, K11, K27, K29, K33, K48)が細胞内に蓄積することが知られている2–4).その中でも細胞内に最も多く存在するK48鎖はプロテアソームに認識される主要なユビキチン鎖であり,プロテアソームに直接認識される以外にも,ユビキチンと会合するUBA(ubiquitin-associated)ドメインとプロテアソームと会合するUBL(ubiquitin-like)ドメインの両方を持つシャトル因子によってプロテアソームに運搬されることが知られる.プロテアソームにおけるユビキチン認識機構は古くから重要なテーマとして注目されてきたが,最近,新たなユビキチン会合ドメイン(ubiquitin-binding domain:UBD)の同定や立体構造解析・質量分析技術の進展により,従来よりも緻密なユビキチン認識機構が明らかになってきており,目覚ましい進展を見せている.

2. 26Sプロテアソームの構造と機能

26Sプロテアソームは33種類66個のサブユニットからなる約2.5 MDaの超分子複合体であり,プロテアーゼ活性を持つ20Sコア粒子(core particle:CP)と,その両端に会合しユビキチン化タンパク質の分解を助ける19S制御粒子(regulatory particle:RP)からなる5, 6)図1).CPはα1~7のαサブユニットからなるαリング,β1~7のβサブユニットからなるβリングがαββαの順に重なった中空円筒構造を持ち,β1, β2, β5が持つ活性中心は円筒構造の内腔に配向するため,細胞内のタンパク質と空間的に隔離されている.RPはATPaseサブユニットを含む基底部(base)と蓋部(lid)から構成され,baseは6種のATPaseサブユニット(Rpt1~6)と4種のnon-ATPaseサブユニット(Rpn1, Rpn2, Rpn10, Rpn13),lidは9種のnon-ATPaseサブユニット(Rpn3, Rpn5~9, Rpn11, Rpn12, Rpn15)からなる.RPはユビキチン鎖の捕捉と除去,基質タンパク質の解きほぐしとCP内腔への送り込みに働く.αリングの中央はCP内腔への基質タンパク質の入り口(ゲート)となるが,RPが会合しない状態ではαサブユニットのN末端により塞がれており,タンパク質の無差別な侵入を防いでいる.RPがCPへ会合するとRpt2, Rpt3, Rpt5のC末端HbYX(疎水性アミノ酸-Tyr-任意アミノ酸)配列がCPのαリング間のポケットに刺さることでゲートが開き,立体構造が解きほぐされた基質タンパク質がαリングチャネルの直径13 Åの狭いゲートを通過して,CP内腔に送り込まれることが可能となる.基質はCPで3~12アミノ酸長にまで切断され,プロテアソーム外に放出される.

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図1 26Sプロテアソームのユビキチン鎖受容体

(左)26SプロテアソームはCPの両端にRPが会合した構造を持つ.(右)プロテアソームのユビキチン鎖受容体サブユニットRpn1, Rpn10, Rpn13はRP表面に,Rpn11はATPaseリングの上方に配置する.最近の構造解析により,ユビキチン化基質の会合から分解の過程でRPの構造がダイナミックに変化することが明らかになった(PDB ID:4CR2).

3. プロテアソームの内在性ユビキチン鎖受容体

26Sプロテアソームにおけるユビキチン鎖受容体としては,それぞれ異なるUBDを持つRpn1, Rpn10, Rpn13が知られ,4分子以上のユビキチンが連結したK48鎖がプロテアソームによる分解標識として主に認識される7, 8).一般に,細胞内のさまざまなUBDはユビキチンのLeu8, Ile44, Val70による疎水性パッチを認識するが,認識する周囲の残基の違いから生じるアフィニティーの差異により,in vitroではRpn1, Rpn10, Rpn13は会合するユビキチン鎖の選択性が異なる9, 10).なお,Rpt5やRpn15もユビキチンとの会合が報告されているが,実際にプロテアソームにおいてユビキチン鎖受容体として働くか明らかとなっていない.

1)Rpn10

Rpn10は最初に同定されたユビキチン鎖受容体であり,N末端側のVWA(von Willebrand factor A)ドメインによりプロテアソームと会合し,C末端側のUIM(ubiquitin-interacting motif)でユビキチン鎖やUBLドメインと会合する.UIMはヘリックス構造でK48ユビキチン鎖を認識する(図2A).酵母Rpn10はUIMを一つだけ持つ一方,哺乳類Rpn10は二つのUIMを持ち,ユビキチン2分子を認識することで1本のユビキチン鎖に対する会合を強めており,K48およびK63鎖と会合する10).酵母ではRpn10欠損はユビキチン鎖の蓄積がほとんどみられず非必須遺伝子であるが,Rpn10欠損マウスはユビキチン鎖蓄積を生じて胎生致死であることから,進化によりその生理的重要性が変化したと考えられる11)

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図2 プロテアソームユビキチン鎖受容体によるユビキチン認識機構

(A)ヒトRpn10 UIMとK48ジユビキチンの会合(PDB ID:2kde).(B)マウスRpn13 Pruとユビキチンの会合(PDB ID:2z59).(C)酵母Rpn1 T1とK48ジユビキチンの会合(PDB ID:2n3v).ユビキチンを白色で示し,疎水性パッチ(Leu8, Ile44, Val70)を灰色で示した.ユビキチン鎖受容体はリボンモデルで示した.

2)Rpn13

酵母において機能未知のサブユニットとして同定されたRpn13は,一次配列上の保存性が高い分子がヒトには見つからず,進化的に保存されていないと考えられ注目されずにいた.その後,ヒトプロテアソーム会合因子として同定されたADRM1がRpn13と局所的な配列相同性を持つオルソログとして発見されると,第二のユビキチン鎖受容体としての機能も明らかになり一気に注目を集めた.Rpn13はN末端側に新規のUBDであるPru(pleckstrin-like receptor for ubiquitin)ドメインを持ち,3本のループ構造でユビキチンを認識する(図2B).ヒトRpn13はPruドメインによるユビキチンとの接触面が広いことや,酵母に保存されていないアミノ酸の寄与によりモノユビキチンにも比較的強く会合し,K48, K63鎖いずれとも強く会合する12).また,ジユビキチンとの会合ではRpn13は基質側ユビキチンを認識することも示されている.酵母ではRpn13は非必須遺伝子であるが,Rpn13欠損マウスは新生仔致死となる.しかし,Rpn10欠損マウスに比し,Rpn13欠損マウスはユビキチン蓄積も軽度であり,発生はほぼ正常であることから,哺乳類におけるユビキチン鎖受容体としての重要性はRpn10の方が高いと考えられる.哺乳類Rpn10, Rpn13二重欠損はユビキチンの顕著な蓄積を誘発することから,Rpn10とRpn13はプロテアソームユビキチン鎖受容体として協調的に働くと考えられる13).実際に,Rpn10とRpn13はまさに両腕を広げてユビキチンを迎え入れようとするようにRP表面の両端に位置し,Rpn10 UIMとRpn13 Pruの距離はユビキチン4分子分程度の約90 Åであることから,一つのユビキチン鎖を両者が同時に捕捉する可能性も示唆されている14)

3)Rpn1

Rpn1は後述のシャトル因子の受容体であることが報告されていたが,最近になり直接ユビキチン鎖を認識することが報告された15).N末端側にある30~40アミノ酸からなるリピート配列によるヘアピン構造で形成されたロッド状のトロイドドメインでユビキチン鎖を認識する(図2C).トロイドドメイン上のT1ドメインの3本のヘリックスでシャトル因子のUBLドメインやユビキチンと会合し,T2ドメインで脱ユビキチン化酵素(deubiquitinating enzyme:DUB)Ubp6(ヒトではUsp14)のUBLドメインと会合する.Rpn1はK6, K48ユビキチンを認識する.Rpn1はRPの構築に必須のため欠損体を作製できないが,立体構造解析による情報を基にした点変異解析でユビキチン認識メカニズムの理解が進んだ.

4. シャトル因子

酵母のシャトル因子として知られるRad23(ヒトではhHR23a, b),Dsk2(UBQLN1~4),Ddi1(DDI1, 2)はUBAを介してモノユビキチンを認識するが,ユビキチン鎖とより強く会合する16, 17)図3).シャトル因子もユビキチン鎖選択性を示すことが主にin vitroで示され,UBAを二つ持つRad23はUBA1でK63鎖と強く会合し,UBA2でK48鎖と会合する一方,UBQLN1 UBAはモノユビキチンやK48, K63鎖を認識する18).しかしながら,酵母Rad23, Dsk2はどちらもK48鎖およびK29鎖との会合がin vivoで確認されている19).最近,酵母においてK48鎖ユビキチン化タンパク質の大部分はAAA ATPaseであるCdc48(酵母)/p97(ヒト)複合体によって捕捉されたのち,シャトル因子を介してプロテアソームに運ばれることが明らかにされた19).UBLとUBAをつなぐのはフレキシブルな50~100アミノ酸からなるリンカー配列で,プロテアソームへの基質タンパク質の運搬効率を高めている.なお,シャトル因子は基質とともに分解されるわけではなく,分解を免れて再利用されるが,その主な理由は分子内相互作用により分解開始に必要な分子内の非構造領域を覆い隠すためと推測されている.酵母においてプロテアソーム分解に関与する既知のユビキチン鎖受容体すべて(Rpn1, Rpn10, Rpn13, Rad23, Dsk2, Ddi1)を機能不全にした株が生存可能であることから,さらなるユビキチン鎖受容体の存在が示唆されている.

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図3 プロテアソームユビキチン鎖受容体とシャトル因子のドメイン構造

酵母に比べヒトではシャトル分子のパラログが増加しているが,それらの機能的差異が徐々に明らかになりつつある.VWA:von Willebrand factor A, UIM:ubiquitin-interacting motif, PRU:pleckstrin-like receptor for ubiquitin, DEUBAD:deubiquitinase adaptor, UBL:ubiquitin-like, UBA:ubiquitin-associated, RVP:retroviral aspartyl protease, STI1:heat-shock chaperone-binding motif.

シャトル因子の適切な機能発揮は生理的に重要である.酵母やショウジョウバエではDsk2の過剰発現はユビキチン化タンパク質分解阻害による細胞毒性を来し20, 21),哺乳類UBQLN2, 4の遺伝子変異では,ユビキチン化タンパク質の増加がタンパク質凝集体形成をもたらし,筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患を引き起こす22).シャトル因子の特異的な機能も知られつつあり,UBQLNは細胞質に放出された膜タンパク質や易凝集性タンパク質をプロテアソームへリクルートすることや,核内ユビキチン化タンパク質を細胞質に運び出すことが示された23, 24).UBQLN2はストレス顆粒に局在することや液–液相分離を引き起こすことも最近示されている25, 26).一方で,酵母Ddi1のシャトル因子としての機能は不明な点が多く,UBLでユビキチンと会合することも報告されている27).哺乳類DDI2はプロテアソーム転写因子Nrf1の活性化に必要なプロセシングを担うアスパラギン酸プロテアーゼとして働くことが知られており,生理的役割の多様性についても今後の解析が待たれる28)

5. プロテアソーム会合脱ユビキチン化酵素

26SプロテアソームにはRpn1に会合するUsp14(ヒト)/Ubp6(出芽酵母)とRpn13に会合するUCH37(出芽酵母には存在しない)の二つの“準サブユニット”ともいうべきDUBが存在している29).Ubp6はK1, K63, K48ユビキチン鎖を切断すること,UCH37はK6, K11, K48ユビキチン鎖を切断することがin vitroで確認されている30, 31).両者はプロテアソームとの会合により活性化し,ユビキチン鎖末端側からトリミングすることでユビキチン鎖を短くすると考えられていたが,Usp14はマルチプルユビキチン化基質のユビキチン鎖を根元から切断することも報告された31).Usp14およびUCH37は必ずしもE3によるユビキチン化反応と拮抗して働くわけではなく,分解に促進的にも抑制的にも働くと考えられている29)

Usp14は運動失調症マウスの原因遺伝子であるが,マウスおよび酵母においてUsp14欠損により細胞内モノユビキチンが枯渇することから,Usp14はフリーのユビキチンプールの維持に重要であることが知られている32).しかし,ユビキチン鎖を形成しているのは細胞内ユビキチンの10~20%程度であることや,基質のユビキチン鎖はRpn11により根元から切り離されること,およびフリーのユビキチン鎖を切断するDUB(isopeptidase T)が知られることを考慮すると,ユビキチンプール維持にUsp14が支配的な役割を持つメカニズムは明確ではない.また,プロテアソーム機能が低下した際のプロテアソームへのUsp14会合の亢進や,Ubp6欠損プロテアソームでの非ユビキチン化タンパク質の分解活性の上昇も知られることから,Usp14はDUB活性非依存的にRPのアロステリックな構造変化を起こすことでプロテアソーム機能制御に働く可能性が示唆されている33).UCH37はプロテアソームと会合すると活性化し,クロマチンリモデリング因子であるINO80複合体と会合すると不活性化することが知られるが,その生理的意義やスイッチ機構は明らかでない34, 35)

6. プロテアソームによるさまざまなユビキチン修飾の認識

従来はK48ユビキチン鎖が分解シグナルと一義的に考えられてきたが,ユビキチン鎖の多様性が知られるにつれ,プロテアソームが認識するユビキチン鎖も多様であることが明らかになりつつある(図4).K11鎖も分解標識としての役割を担うと考えられているが,単独で分解標識として機能するかはまだ明確ではない.APC複合体は,K11鎖およびK48/K11分岐鎖を付加することでさまざまな細胞周期制御因子を分解に導く36, 37).ところが,酵母においてはK11鎖は細胞内ユビキチン鎖の28%程度を占め,K48鎖と同程度の存在量がある一方,哺乳類細胞では2~5%しか占めないことから,K11鎖の役割は生物種により異なることが推測される4).酵母においてユビキチン鎖の16%を占めるK63鎖は,プロテアソームによる分解ではなくエンドサイトーシス,DNA修復,免疫応答など多様な生体応答に働く3, 4).K63鎖はin vivoではプロテアソームによる分解に寄与しないとされるが,in vitroではプロテアソームによる分解シグナルとして働きうることが知られる.一方で,直鎖状ユビキチン鎖はin vitroではプロテアソームによる分解に効果がないが,in vivoではPKCやTRIM25の分解に働くことが知られる38, 39).また,K48鎖やK11鎖が必ずしも分解を導くわけではないことも示されており40, 41),ユビキチン鎖の種類はそれだけでは決定的な意味を持たず,ユビキチン化されているタンパク質自体に存在するUBDによるマスク,非構造領域の有無など,基質タンパク質の構造自体にも分解・非分解を制御する要因があると考えられている.

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図4 ユビキチン化タンパク質がプロテアソームへ至る経路

K48ユビキチン鎖以外にも,多様なユビキチン修飾をプロテアソームは認識し分解する.プロテアソームが直接ユビキチン鎖を認識する場合の他,シャトル因子やCdc48複合体によるユビキチン鎖の認識を介して,プロテアソームに運搬される経路がある.

最近,基質タンパク質に付加したユビキチンの分子数に依存してプロテアソーム上での滞在時間が長くなることや,K48ジユビキチンを2か所に付加する方が1本のテトラK48ユビキチン鎖よりも効果的な分解標識として働くことが示されたことから,複数のユビキチン鎖受容体に認識されることがプロテアソームとの会合を強め,分解に寄与しやすいと考えられ始めている42, 43).同様にK11, K27, K63といったさまざまな種類の短いユビキチン鎖がプロテアソーム会合に寄与することが示され,マルチプルユビキチン化基質についてプロテアソームは鎖のタイプを識別しないことも示唆されている.また,モノユビキチン化は小胞輸送やエンドサイトーシスなどに働くことが知られていたが,マルチプルモノユビキチン化がプロテアソームによる分解シグナルとして働く例がいくつか報告されている42, 44, 45)

7. プロテアソームによるユビキチン認識後の分解過程

プロテアソームがユビキチンを認識し基質タンパク質を捕捉した後,30アミノ酸残基以上の長さの非構造領域がATPaseリングで形成されるチャネルに入り込むことで解きほぐしが始まる46).非構造領域を持たないユビキチン化タンパク質の場合は,Cdc48によって基質タンパク質が解きほぐされ分解されると考えられているが,Cdc48が基質に先立ってユビキチン鎖の構造を解きほぐすようすが最近報告された47).ユビキチン化サイトは非構造領域に多い傾向が報告されているが48, 49),非構造領域を持たないタンパク質では,ユビキチン化が近傍の局所的なアンフォールドを引き起こし,分解開始点となることも示されている50)

近年のクライオ電子顕微鏡による単粒子解析技術の進歩により,ユビキチン認識後の分解の各過程でさまざまなコンホメーションをとる26Sプロテアソームの構造が2.8~3.6 Åの高分解能で明らかになり,多数のサブユニットのダイナミックな連携による分解機構の理解が飛躍的に進展した51–53).基質と結合していない待機状態を模倣したATP存在下のプロテアソームは,ATPaseリングがらせん階段状にCPチャネルに傾いて配置し,Rpn11の活性中心はRpt4–Rpt5のコイルドコイルの近くに位置し,活性が阻害されている.しかし,基質と会合した状態を模倣した非加水分解性ATPアナログ(ATPγS)存在下では,基質タンパク質の解きほぐしに伴いプロテアソームが活性化型になると,RPの構造変化によりRpn11の活性中心がスライドし,ATPaseリングのチャネル入り口の10 Å直上に移動する(図5).この状態でRpn11がユビキチン鎖を基質タンパク質との結合部から切り離すことで,その後に続くATPaseリングによる基質タンパク質の解きほぐしとCPへの送り込みが可能となり,Rpn11による脱ユビキチン化が分解の律速段階として機能する.RPの構造変化に伴い,Rpn1やRpn10の配置も変わることでユビキチン鎖の認識効率が変わる可能性も示唆されている.最近,ユビキチン化基質を会合した状態でのヒト26Sプロテアソームの構造が明らかになり,ATPaseリングのATP加水分解サイクルに伴い,基質がCPゲートまで送り込まれるようすが詳細に確認された53).残念ながらRpn13が含まれていない解析であることから,ユビキチン化タンパク質の認識機構については今後の課題である.

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図5 基質タンパク質解きほぐしと連携したRpn11による脱ユビキチン化

ユビキチン化タンパク質(黒色)の解きほぐしが開始されるとともに,ATPaseリング(白色)直上に位置するRpn11(灰色)によりユビキチン鎖が切り離される(PDB ID:6MSGを改変).

一方,FRETを利用したin vitroでの解析によりプロテアソームにおけるユビキチン化タンパク質分解の各過程の速度論をモニターした研究が報告され,基質の非構造領域がbaseリングに引き込まれた後に,基質が脱ユビキチン化とともに順次解きほぐされていく過程が分解の律速段階となっていることが明らかにされた54)

8. プロテアソーム,脱ユビキチン化酵素阻害剤

正常細胞に比べ,遺伝子増幅に伴うタンパク質毒性ストレスの増加を生じるがん細胞はプロテアソーム要求性が高く,プロテアソーム阻害剤(bortezomibおよびcarfilzomib)が難治性の多発性骨髄腫の治療に用いられ効果を挙げている55).bortezomibのアナログであるixazomibは初の経口型プロテアソーム阻害剤として開発され,すでに世界的に広く使用されている.bortezomibはNF-κBシグナル経路を阻害するとともに,小胞体ストレスを惹起し,細胞にアポトーシスを誘導すると考えられているが,固形がんには効果が乏しいことや副作用として血小板の減少や末梢神経障害が知られ,より効果的かつ副作用の少ない新しい阻害剤の開発が展開されている56, 57).また,懸念されているbortezomib耐性細胞への対抗策として,作用点の異なる阻害剤の探索も盛んに行われている.通常,Rpn13は一部のプロテアソームにのみ含まれるサブユニットであるが,がん細胞などプロテアソーム要求性が高い細胞ではRpn13を高発現し,分解効率を高めていると考えられている.実際,Rpn13阻害剤(RA190, KDT-11)はがん細胞特異的に細胞死を誘導し,bortezomibとの併用効果も確認された58, 59).さらに,Rpn11阻害剤(capzimin)や,Usp14とUch37の二重阻害剤(b-AP15)がユビキチン化タンパク質分解を阻害することにより,bortezomib耐性の骨髄腫や固形がんの動物モデルでの効果が示された60, 61).一方,Usp14選択的阻害剤(IU1)は易凝集性タンパク質のtauやTDP43などの分解を促進したことから,プロテアソーム活性化剤として効果的であるとみなされ,プロテアソーム機能低下が病態発症に深く関与することが知られる神経変性疾患への効果が期待されている62–64)

9. プロテアソームとオートファジー

細胞の種類や環境によるが,ユビキチン・プロテアソームシステムは80~90%のタンパク質分解に寄与する一方で,長寿命タンパク質や凝集タンパク質およびオルガネラタンパク質を分解するオートファジーは10~20%のタンパク質分解に寄与する65, 66).プロテアソームとオートファジーは必ずしも補完的ではないが協調して働くことが知られ,易凝集性タンパク質は両者の経路で分解されることや,BAG1はhuntingtinなど易凝集性タンパク質をプロテアソームに運ぶ一方,BAG3はオートファジーに基質を運搬するように二つの分解経路を選別する機構も知られる67).さらにUBQLN2のオートファジー受容体としての機能も知られており22),ユビキチン鎖受容体による基質タンパク質の運搬先決定機構が今後の課題である.

最近,機能低下プロテアソームがオートファジーにより分解されることが酵母,シロイヌナズナ,哺乳類細胞で報告され,proteaphagyと命名された68).窒素源枯渇やプロテアソーム阻害剤条件下などで機能低下したプロテアソームサブユニットがユビキチン化され,ユビキチン選択的なオートファジーにより分解される.proteaphagyにおいてプロテアソームとオートファゴソームを仲介するユビキチン鎖受容体は生物種により異なるようで,その制御機構は興味深い.

10. おわりに

プロテアソームサブユニットや会合因子の具体的な機能はこれまでごく一部しか明らかにされていないが,構造的理解が一気に進んだことで,今後は特に多様なサブユニットで構成されるRPの巧妙な作動機構がより具体的に明らかにされるだろう.プロテアソームサブユニットは進化的に非常に高く保存されているのに比べ,ユビキチン鎖受容体やDUBは進化に伴い分子多様性やアミノ酸構造を変化させていることは興味深く,ユビキチン認識メカニズムの複雑化が多様な生理現象の基盤に寄与していると考えられ,それぞれの分子機能と生理機能を対応させて明らかにすることが求められる.

引用文献References

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著者紹介Author Profile

濱崎 純(はまざき じゅん)

東京大学大学院薬学系研究科蛋白質代謝学教室助教.博士(理学).

略歴

1980年宮城県に生る.2003年東京都立大学理学部卒業.08年首都大学東京大学院博士課程修了[卒業研究,修士,博士課程は東京都臨床医学総合研究所分子腫瘍学部門(田中啓二室長)にて研究に従事].日本学術振興会特別研究員(PD)を経て08年より現職.

研究テーマと抱負

プロテアソームにおける基質認識機構およびプロテアソーム不全時の生体応答など.

ウェブサイト

http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~tanpaku/

趣味

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