Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 92(1): 84-93 (2020)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2020.920084

総説Review

アクチンネットワークを駆け巡る力学作用の分子可視化Single-molecule visualization of mechanotransduction though actin network systems

1京都大学大学院生命科学研究科分子動態生理学分野Laboratory of Single-Molecule Cell Biology, Kyoto University Graduate School of Biostudies ◇ 〒606‒8501 京都市左京区吉田近衛町 ◇ Yoshida-Konoe-cho, Sakyo-ku, Kyoto 606–8501, Japan

2京都大学大学院医学研究科神経・細胞薬理学分野Department of Pharmacology, Kyoto University Graduate School of Medicine ◇ 〒606‒8501 京都市左京区吉田近衛町 ◇ Yoshida-Konoe-cho, Sakyo-ku, Kyoto 606–8501, Japan

発行日:2020年2月25日Published: February 25, 2020
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アクチンネットワークは,隣接する細胞や細胞外マトリクスから外力を受けつつ,細胞運動や組織のリモデリングのための内因性の力を生み出す.ネットワークの中では,線維の重合・脱重合を含めた秒単位の分子組換えが起きている.これらの分子組換えや構造の移動・変形を捉えるのは,生細胞内蛍光単分子イメージングが最も得意とするところである.しかしながら,たかだかアクチンの分子可視化だけをとっても,多くの改良や工夫が必要であった.アクチン動態の可視化解析法を学ぶ過程で明らかとなった,定量イメージングを運用する上でのいくつかの留意点を総括するとともに,改良と工夫の末に我々がたどりついた,アクチンダイナミクスが直結して制御する細胞のメカノトランスダクションの仕組みについて紹介する.

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