Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 92(2): 189-199 (2020)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2020.920189

総説Review

生後発達期の大脳皮質における樹状突起精緻化のイメージングIn vivo imaging of dendritic refinement in the postnatal mammalian neocortex

1国立遺伝学研究所神経回路構築研究室Laboratory of Mammalian Neural Circuits, National Institute of Genetics ◇ 〒411–8540 静岡県三島市谷田1111 ◇ 1111 Yata, Mishima, Shizuoka 411–8540, Japan

2総合研究大学院大学生命科学研究科遺伝学専攻Department of Genetics, SOKENDAI (The Graduate University for Advanced Studies) ◇ 〒411–8540 静岡県三島市谷田1111 ◇ 1111 Yata, Mishima, Shizuoka 411–8540, Japan

発行日:2020年4月25日Published: April 25, 2020
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樹状突起の形態は神経細胞への入力の性質を決めるものであり,発達期に神経細胞が適切な軸索に向けて選択的に樹状突起を成長させ,機能的な神経回路を作り上げる仕組みを理解することは,神経科学の中心課題である.我々は最近,新生仔期のマウスの脳の中を長期間にわたってin vivoイメージングすることに成功した.そして,体性感覚野第4層のバレル神経細胞が,1本のヒゲからの入力を伝える視床皮質軸索がクラスターを作る場であるバレル中心に向けて,選択的に樹状突起を成長させる動的メカニズムを明らかにした.さらに,その時期の体性感覚野第4層に,パッチワーク型の特徴的な空間パターンを示す自発活動がみられることを見いだした.本稿では,マウス体性感覚野のバレル細胞の樹状突起精緻化を中心に,大脳皮質の活動依存的な神経回路構築メカニズムに関する最近の知見を紹介する.

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