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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 92(3): 413-419 (2020)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2020.920413

総説Review

キイロショウジョウバエを用いたトランスグルタミナーゼの生理機能と分泌機構の解析Functional analysis and a secretion mechanism of Drosophila Transglutaminase

九州大学大学院理学研究院生物科学部門生体高分子学研究室Department of Biology, Faculty of Science, Kyushu University ◇ 福岡市西区元岡744 ◇ 744 Motooka, Nishi-ku, Fukuoka

発行日:2020年6月25日Published: June 25, 2020
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トランスグルタミナーゼ(TG)は後生生物に高度に保存されているタンパク質間の架橋に関わる酵素であり,細胞内外で生存に必須の役割を果たしている.筆者らはキイロショウジョウバエを用いてTGの機能解析を推進してきた.本酵素はハエ生体内において,外骨格の形成に関与すること,腸管のムチン層に相当する囲食膜の安定化に寄与すること,腸内上皮細胞内では転写因子の不活性化を行うことで腸内細菌叢の恒常性に関与することが判明した.さらに,ハエTGの遺伝子は1種類しか存在しないが,選択的RNAスプライシングにより生じた2種類のバリアントのうちTG-Aは脂質修飾依存的にエクソソームとして分泌されることが判明した.本稿ではハエTGの生理機能と分泌の機構について概説する.

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