細胞内から受容体型チロシンキナーゼを活性化する仕組み
富山大学学術研究部薬学・和漢系がん細胞生物学研究室 ◇ 〒930–0194 富山市杉谷2630番地
発行日:2020年6月25日
受容体型チロシンキナーゼは,細胞外ドメインへのリガンド結合によりキナーゼの活性化が起こり,チロシン自己リン酸化を介して細胞内にシグナルを伝える.しかし最近,細胞内シグナルによるセリン/トレオニン残基のリン酸化を介した非定型的な活性化機構の存在が明らかになり,その役割が注目されている.それにはリガンドやチロシンキナーゼ活性が関与しておらず,下流シグナル経路を介した制御であることがわかっている.本稿では,細胞内から受容体型チロシンキナーゼを活性化する仕組みについて,主にEGFR(epidermal growth factor receptor)やEphA2(Erythropoietin-producing hepatocellular receptor A2)の非定型的活性化に焦点をあて概説するとともに,がん病態制御における重要性を紹介する.
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