Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 92(4): 487-497 (2020)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2020.920487

総説Review

神経性高血圧発症の機序Pathogenic mechanisms of neurogenic hypertension

東京工業大学科学技術創成研究院生体恒常性研究ユニットHomeostatic Mechanism Research Unit, Institute of Innovative Research, Tokyo Institute of Technology ◇ 〒226–8503 神奈川県横浜市緑区長津田町4259, S2-15 ◇ S2-15, 4259 Nagatsuta-cho, Midori-ku, Yokohama, Kanagawa 226–8503, Japan

発行日:2020年8月25日Published: August 25, 2020
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約30年前から高血圧症の原因の一つとして交感神経系の異常な活性化の存在が指摘され,神経(原)性高血圧という言葉で語られてきた.血圧の上昇には食塩の過剰摂取,肥満,精神的ストレス,睡眠時無呼吸など多様な要因が関わる.高血圧はこのように発症機序が多様であるゆえに,長い間,個別の臓器やホルモン作用の研究に焦点が当てられてきた歴史があるが,これらに共通する基盤として中枢神経系の炎症からくる交感神経系の活動亢進が関与していることがわかってきた.

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