生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

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Journal of Japanese Biochemical Society 92(4): 547-555 (2020)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2020.920547

総説Review

ショウジョウバエpiRNA機構その分子基盤と最近の研究動向piRNA pathway in Drosophila: molecular mechanism and new insights

東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻RNA生物学研究室Department of Biological Sciences, Graduate School of Science, The University of Tokyo ◇ 東京都文京区弥生2–11–16 ◇ 2–11–16 Yayoi, Bunkyo-ku, Tokyo 113–0032, Japan

発行日:2020年8月25日Published: August 25, 2020
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PIWI-interacting RNA(piRNA)は生殖組織特異的に発現する30塩基長程度の機能性小分子RNAであり,トランスポゾンの発現抑制を介して生殖ゲノムの品質を管理する機能を担う.トランスポゾンの利己的な転移は進化の原動力となる一方,誤った遺伝情報を次世代に継承する可能性を高め,生殖細胞の発生・分化にも障害をもたらす.piRNA機構の作用機序の理解は,生体の仕組みを理解する上で不可欠であるが,生殖組織特異的であることが律速となり,いまだその全容解明には至っていない.しかし,ショウジョウバエ卵巣由来の細胞株の樹立などが功を奏し,piRNA機構の仕組みは次第に明らかになりつつある.本稿ではpiRNA研究を先導するモデル生物であるショウジョウバエのpiRNA機構の仕組みに関して,最近の研究成果を紹介しつつ解説する.

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