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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 92(4): 577-581 (2020)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2020.920577

みにれびゅうMini Review

レム睡眠中に活動するメラニン凝集ホルモン産生神経が海馬依存記憶の忘却を誘導するREM sleep-active MCH neurons are involved in forgetting hippocampus-dependent memories

名古屋大学環境医学研究所神経系分野IIDepartment of Neuroscience II, Research Institute of Environmental Medicine, Nagoya University ◇ 〒464–8601 愛知県名古屋市千種区不老町 ◇ Chikusa, Nagoya, Aichi 464–8601, Japan

発行日:2020年8月25日Published: August 25, 2020
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1. はじめに

睡眠と記憶の関係性について心理学的には古くから研究がされている一方,睡眠中の脳内でどのような神経や分子の働きにより記憶制御がされるのかというメカニズムはいまだ不明な点が多い.睡眠は記憶の「固定」だけではなく不必要な記憶の「忘却」にも働くが,忘却が誘導される機構はこれまでほとんどわかっていなかった.筆者らのグループは,睡眠中の記憶忘却に働く神経回路としてメラニン凝集ホルモン(melanin-concentrating hormone:MCH)を産生する視床下部神経の働きを2019年9月に報告した1).睡眠と記憶研究の歴史的背景,そしてメラニン凝集ホルモン産生神経(MCH神経)がどのように記憶忘却の働きを持つのか,そのメカニズムを紹介する.

2. 睡眠と記憶

睡眠は脳が活動レベルを低下させる「ノンレム睡眠」と脳が活発に活動する「レム睡眠」の二つのステージに分類され,脳波の測定により判定ができる.ヒトの場合には約90分周期でレム睡眠が現れるが,マウス等げっ歯類の睡眠は断片的で10分程度のノンレム睡眠に続き2分程度のレム睡眠が現れる.リズムこそ違うが,ノンレム睡眠に続くレム睡眠という順番や,レム睡眠がノンレム睡眠に比べ短いことは多くの哺乳類で共通している.脳の活動状態が異なることから,記憶制御に対してもノンレム睡眠とレム睡眠では役割が異なる.ノンレム睡眠中の記憶固定メカニズムはこれまで複数のグループから報告がされており,大脳皮質での高振幅な低周波(徐波)や,海馬での先鋭な高周波(リップル波)といったノンレム睡眠に特徴的な神経活動は記憶固定を誘導すると考えられている.

一方,レム睡眠は出現時間や頻度が限られ検証が難しいことから記憶制御に関する報告は少なく,全体像の理解には至っていない.レム睡眠時の海馬で生じる8 Hz周期の神経活動(シータ波)には内側中隔という脳領域から海馬への抑制性神経伝達が関与しているとされ,この神経回路がレム睡眠時に記憶固定を誘導することが報告されている2).しかし,記憶固定の中心として働く大脳皮質や海馬の錐体細胞は,レム睡眠時に活動レベルを低下させる3),樹状突起上のスパイン数は学習時に増加しレム睡眠に入ると剪定されて減少する4), 注1,といった報告は抑制や消去といったネガティブな記憶制御がレム睡眠中に生じる可能性を示している.臨床心理学分野の研究では,レム睡眠に入った被験者を起こすことでレム断眠を行い,記憶学習課題への影響が検証されてきた.視覚学習課題の成績がレム断眠によって低下するという1994年の報告5)から,レム睡眠は記憶固定に働くという主張が広く浸透している.しかし,断眠が被検者に大きなストレスとなるため,ノンレム睡眠に影響を与えずレム睡眠のみを断眠することが難しい,といった問題から,実験条件によっては本結果は再現しない.より厳密なコントロールをとった検証ではレム断眠によって学習成績は変化しないとされている6).また,課題の種類によってはレム断眠によって学習成績がむしろ向上することも報告されている7)

このように,神経科学分野においても臨床心理学分野においても,レム睡眠と記憶に関する研究結果は一貫しない.このことはレム睡眠時に記憶の固定と忘却それぞれに働く神経回路が両存する可能性を示唆している.DNAの二重らせん構造で知られるフランシス・クリックは晩年に意識の研究に取り組み,レム睡眠中に見る夢の内容をすぐに忘れるためレム睡眠時には記憶を消去する脳機能が働くはずだと1983年に論じている8).しかし,上述のように,そのような神経回路はこれまで発見されていないままであった.

3. メラニン凝集ホルモン産生神経(MCH神経)

メラニン凝集ホルモン(MCH)は19アミノ酸残基の環状ペプチドで,1983年川内らによって魚類のサケ脳下垂体から同定された9).魚類では,メラニン胞を凝集させて体色を白くする機能を持ち,環境に応じた体色の変化に働く.哺乳類においてもMCHペプチドのアミノ酸配列はよく保存されているが,MCHを産生する細胞は視床下部に局在し,MCH受容体のほとんどが脳内にみられることから,哺乳類でのMCH機能は中枢性が主だと考えられている.MCHの受容体は1999年に斎藤らによって発見され10),以降MCH機能について多くの検証が行われてきた.MCH受容体にはGタンパク質共役型受容体(GPCR)であるMCHR1とMCHR2が存在し,魚類や霊長類は両方を発現するが,マウスやラットといったげっ歯類はMCHR1のみを発現する.MCHR1は脳内の多様な領域に発現し,MCHを産生する神経細胞(MCH神経)も視床下部から広範な脳領域へと投射することから,MCHの機能も多岐にわたる.摂食を促進する働きが以前から報告されており,合成したMCHペプチドを脳室内に投与すると摂食量が増加する.一方,MCHR1アンタゴニストを投与すると摂食量が低下し,体重も低下する.MCHノックアウトマウスの摂食量は野生型マウスより少なく体重も軽い.これに加えて,MCHは代謝を低下させエネルギー消費を節約する働きも有する.MCHノックアウトマウスの体重低下は摂食量の減少だけではなく,エネルギー消費の亢進も要因である.MCHR1ノックアウトマウスでは過剰代償機構のせいか摂食量はむしろ上昇してしまうが,体重低下の形質はMCHノックアウトマウスと同様で,強いエネルギー消費亢進が生じている.マウスの遺伝子背景によっても摂食への働きは異なると報告されている11).一方,エネルギー消費への働きは多くの研究で一貫しており,比較的堅牢な機能とも考えられる.摂食とエネルギー代謝の相互バランスに対するMCH機能の解明は不十分で,今後詳細な検証が期待される.

MCH神経を人工的に興奮させた場合には,摂食やエネルギー消費以上に睡眠状態の変化が顕著に生じる.光遺伝学や化学遺伝学と呼ばれる手法では,光活性化膜タンパク質分子の発現と光照射,ないしは改変型GPCRの発現とリガンド投与を組み合わせることで,標的神経細胞の活動操作ができる.これらの手法でMCH神経を活性化するとレム睡眠時間が伸びることが2013年以降相次いで報告され,筆者らのグループも,光遺伝学によってMCH神経を活性化するとノンレム睡眠がレム睡眠に切り替りレム睡眠時間が伸びることを報告している12).レム睡眠時間の増加は脳室内MCH投与によっても生じるが,MCHR1ノックアウトマウスのMCH神経を活性化した場合にもレム睡眠時間が増加することから,MCH神経が放出するMCH以外の神経伝達物質もレム睡眠調節に働くと考えられる13).前述のようにMCH神経の投射先は脳内の広範な領域におよび,レム睡眠を制御する腹外側中脳水道周囲灰白質や下外側背側核だけではなく,記憶の中枢である海馬も含まれる.また,海馬には豊富なMCHR1の局在が認められる.筆者らは,MCH神経の活動がレム睡眠制御と同時に記憶の調節にも働くのではないかと考え,未解明分野であるレム睡眠時の記憶制御に関与する可能性について,検証を行った.

4. MCH神経によるレム睡眠時の記憶忘却

1)MCH神経は海馬に密に投射し,海馬依存的な記憶の忘却に働く

海馬に軸索を伸ばす神経細胞体を網羅的に標識するために,軸索末端から取り込まれて細胞体に逆行性に輸送される蛍光ビーズをマウス海馬に微量注入した.視床下部にも蛍光ビーズで標識された細胞体が数多く観察され,免疫組織化学的解析によって,その大半がMCH神経であることがわかった.視床下部にはMCH神経とほぼ同数のオレキシン神経が局在し,睡眠から覚醒への切替えに働くが,ビーズで標識されたMCH神経の数はオレキシン神経の4倍もの数で,MCH神経の海馬への投射は際立って密であった.MCH神経の軸索が緑色蛍光で観察できる遺伝子改変マウス(MCH-tTA;TetO YCnano)の海馬の観察においても,MCH神経軸索が密に投射していることが確認された(図1A).

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図1 MCH神経の分布と活動操作に伴う記憶成績の変化

(A)マウス脳冠状断面.MCH神経は視床下部外側野に細胞体が局在する.MCH神経軸索が緑色蛍光標識された遺伝子改変マウス(MCH-tTA;TetO YCnano)では,海馬に密なMCH神経軸索が観察された.(B)化学遺伝学によるMCH神経活性化と新奇物体認識試験.改変型GPCRをMCH神経特異的に発現させたマウスにリガンドを腹腔投与し,MCH神経の活動を一過性に活性化した.記憶獲得直後にリガンドを投与しMCH神経を活性化することで新奇物体認識試験の成績が低下した.(C) Teleoptoを用いた光遺伝学によるMCH神経活性化.Teleoptoは筆者らがバイオリサーチセンター社と共同で開発を行った.リモコンを通じて無線で光照射オン/オフを切り替えることで,マウスの行動を妨げることなく特定のタイミング下で神経活動を操作できる.本システムでのMCH神経活性化と新奇物体認知試験を組み合わせ,記憶保持期間のMCH神経活性化が記憶成績を低下させることがわかった.Izawa et al. Science 2019より改変.**: p<0.01, (B) Paired t test (two tailed), (C) One-way RM ANOVA with Bonferroni post hoc comparison.

次に,化学遺伝学によるMCH神経活動操作とマウス行動試験を組み合わせ,記憶への影響を評価した.改変型GPCRをMCH神経特異的に発現させたマウスにリガンドを腹腔投与し,MCH神経の活動を一過性に操作した.海馬が関与する記憶行動試験である新奇物体認識試験において,生理食塩水を投与したコントロール群は新奇物体を認識できたのに対し,リガンドを投与したMCH神経活性化群は新奇物体と既存物体を区別することができず記憶成績が低かった(図1B).他,複数種類の記憶行動試験においてもMCH神経活性化による記憶成績の低下が観察された.一方,MCH神経活動を抑制した場合には記憶成績の向上がみられた.

さらに,化学遺伝学よりも時間分解能が高い光遺伝学を用いた検証により,記憶「保持」期間中のMCH神経活動が忘却をもたらすことが明らかになった.MCH神経が光受容体であるチャネルロドプシン2(ChR2)を発現する遺伝子改変マウス(MCH-tTA;TetO ChR2)の視床下部に光ファイバーを両側挿入し,レシーバーを通じて無線で光照射制御が可能なTeleopto(図1C)を用いてMCH神経を活性化したところ,記憶の「獲得」や「想起(思い出し)」ではなく,記憶を「保持」している期間にMCH神経を活性化させると記憶成績が低下することがわかった.光刺激による記憶成績低下は,海馬のMCH神経軸索末端を活性化した場合においても同様に生じたことから,MCH神経が海馬に作用して忘却を誘導することが確認できた.

2)覚醒中とレム睡眠中では異なるMCH神経集団が活動する

特定の神経のみにGCaMP6と呼ばれるCa2+インジケータを発現させることで,神経活動に応じた細胞内Ca2+濃度の変化を蛍光強度変化として捉えることができる.MCH神経が集団として発する蛍光強度をファイバーフォトメトリーという方法によって測定しながら,同時に脳波と筋電図を用いて睡眠/覚醒状態を判定したところ,マウスではレム睡眠時に最も活発なMCH神経活動が認められた.一方で,覚醒時にもMCH神経が弱く活動していることもわかった.これはMCH神経活動がレム睡眠調節に顕著に働くというこれまでの報告12, 13)からすると意外な結果であった.

そこで,マウスの頭に搭載可能な約2 gの超小型顕微鏡を用い,MCH神経の活動を1細胞レベルで記録した.脳表から4.5 mmの深さまで,脳組織を圧迫しないよう十分な空間を形成してから注意深くレンズを埋入することで,視床下部においても個々の神経細胞が発する蛍光を明瞭に捉えることができた.同時に脳波・筋電を測定する電極を留置することで,睡眠覚醒状態に応じたMCH神経1細胞ごとの活動を記録した.結果,MCH神経には,①覚醒時活動型(34.9%),②レム睡眠時活動型(52.8%),③覚醒時とレム睡眠時活動型(12.3%)の3種類が存在することがわかった.①,②に比べ③の数は限られており,MCH神経は「覚醒時活動型」と「レム睡眠時活動型」の二つの細胞集団に大別できた.

3)レム睡眠中に活動するMCH神経集団が忘却を引き起こす

残された最後の謎は,「覚醒時活動型」「レム睡眠時活動型」のどちらのMCH神経集団が忘却に寄与するかである.これを検証するために,光遺伝学とリアルタイム脳波・筋電解析を組み合わせた実験を行った.アデノ随伴ウイルスの注入・感染によってMCH神経に抑制性の光活性化膜タンパク質分子(ArchT)を発現させ,両側視床下部に埋入した光ファイバーから緑色光を照射することでMCH神経の活動を抑制できる.同時に脳波・筋電を測定する電極を留置し,睡眠状態をリアルタイムに判定可能なプログラムに接続することで,特定の睡眠ステージ中にのみ自動的に光照射がトリガーされMCH神経が抑制されるクローズドループシステムを構築した.たとえば,「レム睡眠中にのみMCH神経活動を抑制させる」ように組んだプログラムでは,レム睡眠に特徴的な8 Hzのシータ波が記録されるとマウスがレム睡眠に入ったと判定され,トリガー信号を出力し光照射が開始される.レム睡眠中は継続して光照射されることでMCH神経活動が抑制され続ける.マウスが覚醒して筋電が生じると光照射がストップする.同様の方法にて,覚醒中だけ,ノンレム睡眠中だけでもMCH神経活動を特異的に抑制した.本手術は1匹あたり5時間程度を要し,比較的侵襲性が高いため,十分な回復を確認してから新奇物体認識試験を行った.記憶を獲得してから想起するまでの間の記憶保持14時間中にマウスを本システムに接続し,覚醒/ノンレム睡眠/レム睡眠,それぞれのステージ特異的なMCH神経活動の抑制が記憶成績にもたらす影響を検証した.結果,覚醒中とノンレム睡眠中のMCH神経抑制は記憶成績に影響せず,レム睡眠中のMCH神経抑制のみが記憶成績を向上させた.「レム睡眠時活動型」のMCH神経細胞のみが忘却の働きを持ち,これを抑制することで記憶成績が向上することを示す結果である(図2).睡眠の質を示す脳波成分はいずれのステージのMCH神経抑制によっても変化は生じず,レム,ノンレム睡眠ともに影響を受けていなかった.

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図2 クローズドループによる睡眠ステージ特異的なMCH神経光抑制

記憶を獲得してから想起するまでの間の記憶保持14時間中,マウスを本システムに接続し,特定の睡眠ステージ(覚醒/レム睡眠/ノンレム睡眠)時にのみ光照射を通じたMCH神経活動抑制を行った.結果,記憶保持期間中のレム睡眠時にMCH神経活動を抑制することで新奇物体認識率が上昇した.4秒ごとにFFT解析[高速フーリエ変換(fast Fourier transform)解析]された脳波成分からリアルタイムに睡眠ステージを判定し,判定結果をもとにTTL(transistor-transistor logic)信号の出力をオン/オフすることで特定の睡眠ステージ中での光照射を可能とした.Izawa et al. Science 2019より改変.**: p<0.01, One-way RM ANOVA with Bonferroni post hoc comparison

5. まとめと今後の展望

レム睡眠と記憶の関係性の全体像についてはいまだに結論が難しい.筆者らの研究はMCH神経がレム睡眠時に忘却に働くことを明らかにしたが,忘却される記憶と固定される記憶がどのように選別されるのか,忘却と固定が協調するメカニズムについてはさらなる研究が必要である.また,MCH神経はMCHに加えてNesfatin-1やコカイン-アンフェタミン調節転写産物(CART)といった複数の神経伝達物質を含有する.CARTを含有するMCH神経は全MCH神経の約半数であるが,長時間のレム睡眠後にc-Fosタンパク質を発現するのはCART陽性のMCH神経のみである14).さらに,CART陽性のMCH神経は記憶等の高次脳機能を調節する海馬や大脳皮質に投射するのに対し,CART陰性のMCH神経はエネルギー消費等の生存機能を調節する延髄や脊髄に投射することから15),本研究で観察された「レム睡眠時活動型」/「覚醒時活動型」のMCH神経がそれぞれCART陽性/陰性に分類されることが予想される.CARTの受容体は現在まで見つかっておらず詳細な機能はわかっていないが,MCH神経活動による忘却を引き起こす分子実体として期待がされる.精神疾患の中でもPTSD(心的外傷後ストレス障害)といった記憶を消去できない疾病の治療は抗不安といった対症療法に限られている.今後,忘却の分子メカニズム解明によって本研究の臨床応用が可能となれば,忘却の誘導という新たな治療法を切り開く可能性がある.

謝辞Acknowledgments

本稿で紹介した筆者らの研究は,名古屋大学の溝口博之博士,小野大輔博士,北海道大学の木村和弘博士,寺尾晶博士(現・東海大学),吉岡充弘博士,大村優博士をはじめ,多くの共同研究者のご尽力を得て行ったものです.また,学会等の場では多くの先生方から継続的にご意見を頂き,研究を進める精神力という面でも勇気づけられました.この場を借りてお礼申し上げます.

引用文献References

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著者紹介Author Profile

伊澤 俊太郎(いざわ しゅんたろう)

名古屋大学環境医学研究所,日本学術振興会特別研究員(DC1).学士(獣医学).

略歴

2016年北海道大学獣医学部卒業.17年名古屋大学大学院医学研究科博士課程入学.18年日本学術振興会特別研究員(DC1).

研究テーマと抱負

睡眠の機能解明.動物モデルでのin vivo神経活動操作や観察を用い,高次脳機能から末梢機能まで睡眠の多様な役割を解き明かすことを目指している.

ウェブサイト

http://www.riem.nagoya-u.ac.jp/4/drof1/nr/.

Twitter

@IzawaShuntaro

注1 樹状突起上に存在するとげ状構造の一つ一つをスパインと呼び,外部の神経細胞からの入力受容部位として働く.スパインの数を増やすことで神経回路がより密に,数を減らす(剪定される)ことでより疎になる.

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