Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 92(5): 626-631 (2020)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2020.920626

特集Special Review

多価不飽和脂肪酸と脳機能Beneficial effects of polyunsaturated fatty acids on the brain functions

城西大学薬学部薬科学科栄養生理学Laboratory of Nutritional Physiology, Department of Pharmaceutical Sciences, Faculty of Pharmacy and Pharmaceutical Sciences, Josai University ◇ 〒350–0295 埼玉県坂戸市けやき台1–1 ◇ 1–1 Keyakidai, Sakado, Saitama 350–0295, Japan

発行日:2020年10月25日Published: October 25, 2020
HTMLPDFEPUB3

脳には脂質が豊富に存在しており,その中でも多価不飽和脂肪酸は,細胞膜リン脂質の構成要素である.膜の構成要素である多価不飽和脂肪酸は,脳機能にも影響を与え,その種類が細胞膜を介した神経伝達やその後の細胞情報伝達に影響し,情動や神経変性疾患に関連することも明らかになっている.ここでは,脳機能に対する多価不飽和脂肪酸について,膜の流動性に対する影響,神経伝達に対する影響,脳の発達や機能維持に重要な神経幹細胞の増殖や分化に対する多価不飽和脂肪酸とその代謝物の影響をまとめた.多価不飽和脂肪酸の脳機能に対する重要性が明らかになりつつあり,今後多価不飽和脂肪酸を標的とした疾患の予防や治療がさらに発展すると考えられる.

1. はじめに

成人の脳では,乾燥重量あたりの脂質の割合は,白質で約55%,灰白質で約30%である.総脂質中の脂肪酸組成は,パルミチン酸(16:0),ステアリン酸(18:0),オレイン酸(18:1 ω9)が主たる脂肪酸である.次いで多い脂肪酸は,ドコサヘキサエン酸(docosahexaenoic acid:DHA, C22:6 ω3)が11%程度,アラキドン酸(arachidonic acid:ARA, C20:4 ω6)が6%程度である.一方で,DHAやARAの前駆体であるリノール酸(linoleic acid:LA, C18:2 ω6)やα-リノレン酸(α-linolenic acid:ALA, C18:3 ω3)はごくわずかにしか存在しない.また,エイコサペンタエン酸(eicosapentaenoic acid:EPA, C20:5 ω3)は,脳にはほとんど存在していない1, 2).これら脂質,特に脂肪酸は,脳の発生・発達・機能維持に欠かせない物質である.加齢とともに脳内のDHAが減少することが,加齢に伴う認知機能の低下と関連があるとの報告もある3).また,脳内のDHA濃度の低下により記憶学習能力の低下,ストレスに対する過敏応答や攻撃性が増加することが報告されている4, 5).さらに,DHAやEPAの投与によりこれらの進行を予防または,改善する効果が認められている6–9)また,ARAも加齢に伴い脳内の量が減少すること10),ARAの摂取により加齢に伴う脳内での減少が抑制されることや,認知機能が改善することが動物実験やヒトで報告されている11, 12).本稿では,脳に豊富な脂肪酸,特に不飽和脂肪酸と脳機能の関係について,その一部を紹介する(図1).

Journal of Japanese Biochemical Society 92(5): 626-631 (2020)

図1 多価不飽和脂肪酸およびその代謝物の脳機能調節機構

2. 脂質による細胞膜の流動性の調節と機能

脳に限らず細胞は,脂質二重層を形成し,基本的にはリン脂質,コレステロール,受容体などのタンパク質からなる細胞膜を持つ.細胞膜は単に細胞の中と外を隔てる膜として存在しているわけではなく,細胞外からの刺激に反応したり,隣接する細胞に情報を伝達したりする機能を持つ.脳の中に存在する細胞のニューロンやアストロサイトは軸索や樹状突起を伸ばし,互いに複雑に相互作用し,その機能を果たしている.また,ニューロンとニューロンの接合部位であるシナプスのシナプス前膜では,エキソサイトーシスにより神経伝達物質がシナプス間隙に放出され,シナプス後膜には,この神経伝達物質に対する受容体が存在する.細胞膜貫通型の受容体の多くは,神経伝達物質などと結合することによりそのコンホメーションを大きく変化させ,イオンの透過性亢進や細胞内情報伝達の促進を行っている.また,ニューロン一つあたり14,000から70,000のイオンチャネルが存在していると見積もられている13).このような細胞膜の複雑な構造や細胞膜で起こる過程を維持するためには,細胞膜の流動性を維持することが不可欠である.膜の流動性は,コレステロールとリン脂質の比により変化し,この比が小さいほど膜の流動性が高いとされている.また,加齢によるニューロンでの膜の流動性の低下が,シナプス可塑性や神経伝達物質放出の低下と関連があることも報告されている14–16).膜の流動性に変化をもたらす要因として,リン脂質に結合する2分子の脂肪酸の種類があげられる.DHAやARAなどの多価不飽和脂肪酸や一価不飽和脂肪酸のオレイン酸が多いほどその流動性が高くなることが報告されている17–19).しかし,膜の流動性が高ければいいのか,膜の不飽和度が高ければいいのかについては議論の必要がある.最近の研究では,細胞膜の不飽和脂肪酸の種類により受容体の活性が変化することや,基質に対する受容体の応答も変化することも報告されている.これらのことから,膜に存在する不飽和脂肪酸の種類とそのバランスが重要であると考えられる.

3. 神経伝達物質とその受容体に対する脂肪酸の影響

神経伝達物質とその受容体は,脳の機能と密接に関わっている.多価不飽和脂肪酸による脳機能の調節機構として,神経伝達物質とその受容体に対する作用が報告されている.前述のように,脳内のDHA濃度の低下により記憶学習能力,気分,ストレスに対する応答や攻撃性が変化することが報告されている.マウスを用いた研究で,ALA摂取制限により,脳のDHA濃度が75%以上減少し,Y迷路,モリス水迷路,高架式十字迷路などの行動試験の結果,通常食と比較して学習能力が低下することが報告されている20).Haraumaらの研究では,生体内での多価不飽和脂肪酸の合成に重要なΔ6不飽和化酵素欠損マウスを用いて,LAやALAを摂取してもARAやEPA, DHAが合成できない状況下で,ARAやEPA, DHA補給がない場合,モリス水迷路試験で空間認知機能の指標となる回避潜時が有意に延長することが明らかになっている21).また,同グループからΔ6不飽和化酵素欠損ヘテロマウスでは,前頭皮質での5-ヒドロキシインドール酢酸とセロトニンの比(5-HIAA/5-HT),線条体での3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルエチレングリコールとノルエピネフリンの比(MHPG/NE)が,野生型マウスと比較して優位に減少し,探索行動が低下することが報告されている22).別の研究からも,ω3多価不飽和脂肪酸と神経伝達物質濃度やその受容体の発現量や活性の変動が報告されている23).ALA摂取制限によりドパミン受容体の発現量が増加し,電子顕微鏡を用いたシナプスの超微形態解析の結果,シナプス前ニューロンのシナプス小胞密度の減少が観察された24, 25).ARAがイオンチャネルを直接活性化したり抑制したりすること,また,GABA受容体のイオンチャネルの機能活性を増強することも報告されている26).Yamadaらは,さまざまなω3/ω6の比率の異なるエサで飼育したマウスを用い,文脈性恐怖条件づけ試験で,マウスのすくみ行動時間を指標とし恐怖記憶の強さを検討した.その結果,ω3/ω6の比率の高いエサで飼育するとマウス脳内のω3/ω6の比率は高くなり,すくみ行動時間の割合が低下すること,その機構として恐怖記憶の形成に関わる扁桃体でのカンナビノイドCB1受容体の活性を高め過剰な活動を抑えることにより,恐怖記憶が軽減することを報告している27, 28).このように,多価不飽和脂肪酸はさまざまな機構により神経伝達物質とその受容体を調節することにより脳の機能を修飾することが明らかとなっている.

4. 神経幹細胞の増殖や分化に対する多価不飽和脂肪酸およびその代謝物の効果

神経幹細胞は,胎児期や新生児期の脳に多く存在し,脳機能の発達に重要な役割をしている.成体の脳でも神経幹細胞が存在することがヒトをはじめ多くの生物で確認されている.成体で神経幹細胞は,脳の機能維持に重要な役割を果たしている.また,神経幹細胞の増殖や分化の異常と精神神経疾患との関係が明らかになっている29–31).Kawakitaらは,DHAのラットへの経口投与により脳内,特に海馬の神経新生が促進されることを報告した32).その後,さまざまな動物種,実験モデルでDHAによる神経新生促進作用が報告されている33).一方,ARA投与により老齢ラットの海馬での加齢による神経新生減少が抑制されるとの報告もある34).初代培養の神経幹細胞を用いた実験では,DHA, EPA, ARA,ドコサペンタエン酸(docosapentaenoic acid:DPAω-6)などの多価不飽和脂肪酸は神経幹細胞に直接作用し,増殖や分化を促進することが明らかになっている35–37).しかし,その作用は脂肪酸の種類により異なり,DHA, EPA, DPAω-6では神経幹細胞からニューロンへの分化を促進するが,一方,ARAは神経幹細胞からグリアへの分化促進が報告されている.多価不飽和脂肪酸は生体内で,未変化体として直接作用するだけでなく,シクロオキシゲナーゼやリポキシゲナーゼやシトクロームP450により代謝され,さまざまな生理活性を有する酸化代謝物が生成する.脳内でもさまざまな多価不飽和脂肪酸の酸化代謝物が同定され,その機能が明らかになっている.Sakayoriらは,マウス胎仔の脳内でARAのエポキシ代謝物のエポキシエイコサトリエン酸が増加し,DHAのエポキシ代謝物のエポキシドコサペンタエン酸が減少することを見いだし,これら代謝物を直接神経幹細胞を培養する培地に添加すると,エポキシエイコサトリエン酸はμMオーダーでニューロンへの分化を抑制し,アストロサイトへの分化を促進させること,一方,エポキシドコサペンタエン酸は,ニューロンへの分化を亢進することを明らかにした38).多価不飽和脂肪酸の酸化代謝物として多くの化合物が同定されており,今後網羅的にこれらの化合物が神経幹細胞の増殖や分化に与える影響を検討するとともに,これら代謝物の作用機序の解明が必要である.

不飽和脂肪酸の代謝物の一つとして不飽和脂肪酸とエタノールアミンが結合したN-アシルエタノールアミンがある.代表として,アラキドン酸由来のアナンダミドと2-アラキドノイルグリセロールがよく知られている.アナンダミドは内因性カンナビノイド受容体のリガンドで,カンナビノイド様作用を示す.カンナビノイド受容体は脳に広範囲に分布し,運動,記憶,学習など脳の高次機能に関わっている.アナンダミドを培養神経幹細胞に添加することにより,分化運命が変化することが報告されている39, 40).アナンダミドは,アラキドン酸が結合した化合物であるが,アラキドン酸の代わりにオレイン酸が結合したoleoylethanolamideは,ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体α(peroxisome proliferator-activated receptor α:PPARα)を介して脳虚血後のグリア細胞を活性化することが報告されている41).また,筆者らの実験では,培養神経幹細胞にoleoylethanolamideを添加すると,ニューロンへの分化が促進されることを見いだしている.

N-docosahexaenoylethanolamine(synaptamide)はDHA代謝産物であり,エンドカンナビノイド様の構造を持つ.synaptamideにニューロンを成熟させる作用があることが報告されている42, 43).筆者らは,synaptamideに神経幹細胞からニューロンへの分化促進作用があるかどうかを検討した44).神経幹細胞の培養液にDHAを添加し4日後,synaptamideが培地内に存在したことから,神経幹細胞内でDHAはsynaptamideに代謝されることが明らかとなった.synaptamideを直接神経幹細胞に添加すると,synaptamide濃度依存的に神経幹細胞からニューロンへの分化が促進された.その作用は,DHAよりも低濃度から認められた.また,この作用はprotein kinase A(PKA)/cAMP response element binding protein(CREB)の活性化を介していることも薬理学的・遺伝学的手法を用いて明らかにした.synaptamideはアナンダミドと構造が類似しているためアナンダミド受容体(CB1)に結合している可能性があるが,CB受容体とsynaptamideとの親和性はアナンダミドのそれと比較して10~50倍低いことが報告されている45).このことから異なる受容体が関与していることが予測された.Ji-Won Leeらは,synaptamide特異的な受容体としてGPR110を同定し,GPR110は,synaptamide以外のoleoylethanolamideやアナンダミドとはほとんど結合しないことを報告している46)

5. おわりに

これまで紹介したように,多価不飽和脂肪酸は脳にとって非常に重要である.一方で,これから解決しなければならない課題も残されている.その一つとして,生体がいかにして多価不飽和脂肪酸の種類を識別しているのかがあり,これについてはよくわかっていないことが多い.EPA, DHA, ARAは構造的にも類似している.ARAとEPAはともに炭素数が20であることから,リン脂質のsn-2位での競合が起こり,どちらか一方を多く摂取すると,他方のリン脂質中での存在量が減少することが知られている.また,シクロオキシゲナーゼやリポキシゲナーゼによりエイコサノイドに代謝されるが,その生成物には炎症の惹起に関与するものや炎症の収束に関与するものがあり,作用はさまざまである.前述のように脳内にはARAの存在量は多いが,EPAはほとんど検出されない.最近の研究では,脳内にARAが少ない状態で,食餌からEPAが補給されると脳内でEPAが蓄積することが報告されている21).また,これまでの研究でEPAは脳内に取り込まれた後急速に代謝されることが報告されている47, 48).このことからEPAは脳での存在量は少ないが,末梢での抗炎症作用だけでなく,脳に取り込まれ,脳機能に影響を与えると考えられている.このため,EPAは単にDHAの前駆体としてだけでなく,それ自体にも脳に対する効果が認められている.うつ病ではDHAよりもむしろEPAの方が,予防効果が高いことが示されている49, 50).一方で,アルツハイマー型認知症ではDHAでより効果が高い可能性が示唆されている51).また,遺伝性アルツハイマー病患者から作製したiPS細胞を用いたスクリーニングでも,DHAにはニューロンを保護する効果があったことが報告されている52)

多価不飽和脂肪酸の受容体としてGタンパク質共役型受容体(G-protein-coupled receptor:GPR)40, 110, 120,ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(PPARs),レチノイドX受容体(RXR)などが,その他,脂肪酸結合タンパク質(fatty acid-binding proteins:FABPs)や脂肪酸輸送タンパク質(fatty acid transport proteins:FATPs)が報告されている51, 53).これらのタンパク質で基質特異性が検討されているが,個々の多価不飽和脂肪酸による異なる応答性を説明することは難しい.さまざまな研究の結果から,EPA, DHA, ARAの作用の違いを説明できるようになってきているが,すべてではない.今後さらに研究が進み,新規受容体の発見,受容体結合後の細胞内情報伝達経路の違いが明らかになることが期待される.DHAやEPAは,近年その機能性が注目され,魚などの食品やサプリメントとして摂取する機会も多い.また,DHAやEPAは医薬品として臨床応用されている.脳に対する多価不飽和脂肪酸の多彩な機能が明らかになることによって,精神・神経変性疾患などに対する薬としての応用利用も進むと考えられる.

謝辞Acknowledgments

この論文を執筆するにあたり,脳と多価不飽和脂肪酸の研究をご指導してくださった島根大学医学部橋本道男特任教授,同大学環境生理学講座の先生方,スタッフに感謝申し上げます.また,研究の遂行にあたりご協力いただいている城西大学薬学部薬科学科栄養生理学研究室の学部生,大学院生,研究支援センターのスタッフにも感謝申し上げます.

引用文献References

1) Svennerholm, L. (1968) Distribution and fatty acid composition of phosphoglycerides in normal human brain. J. Lipid Res., 9, 570–579.

2) Klenk, E. & Montag, W. (1958) The C22 polyenoic acids in the glycerophosphatides of the brain. J. Neurochem., 2, 233–242.

3) Mallick, R., Basak, S., & Duttaroy, A.K. (2019) Docosahexaenoic acid, 22 : 6n-3: Its roles in the structure and function of the brain. Int. J. Dev. Neurosci., 79, 21–31.

4) Fedorova, I. & Salem, N. Jr. (2006) Omega-3 fatty acids and rodent behavior. Prostaglandins Leukot. Essent. Fatty Acids, 75, 271–289.

5) Harauma, A. & Moriguchi, T. (2011) Dietary n-3 fatty acid deficiency in mice enhances anxiety induced by chronic mild stress. Lipids, 46, 409–416.

6) Hamazaki, T., Sawazaki, S., Itomura, M., Asaoka, E., Nagao, Y., Nishimura, N., Yazawa, K., Kuwamori, T., & Kobayashi, M. (1996) The effect of docosahexaenoic acid on aggression in young adults: A placebo-controlled double-blind study. J. Clin. Invest., 97, 1129–1133.

7) Hashimoto, M., Katakura, M., Tanabe, Y., Al Mamun, A., Inoue, T., Hossain, S., Arita, M., & Shido, O. (2015) N-3 fatty acids effectively improve the reference memory-related learning ability associated with increased brain docosahexaenoic acid-derived docosanoids in aged rats. Biochim. Biophys. Acta Mol. Cell Biol. Lipids, 1851, 203–209.

8) Gamoh, S., Hashimoto, M., Hossain, S., & Masumura, S. (2001) Chronic administration of docosahexaenoic acid improves the performance of radial arm maze task in aged rats. Clin. Exp. Pharmacol. Physiol., 28, 266–270.

9) Gamoh, S., Hashimoto, M., Sugioka, K., Shahdat Hossain, M., Hata, N., Misawa, Y., & Masumura, S. (1999) Chronic administration of docosahexaenoic acid improves reference memory-related learning ability in young rats. Neuroscience, 93, 237–241.

10) McNamara, R.K., Liu, Y., Jandacek, R., Rider, T., & Tso, P. (2008) The aging human orbitofrontal cortex: Decreasing polyunsaturated fatty acid composition and associated increases in lipogenic gene expression and stearoyl-CoA desaturase activity. Prostaglandins Leukot. Essent. Fatty Acids, 78, 293–304.

11) Kotani, S., Sakaguchi, E., Warashina, S., Matsukawa, N., Ishikura, Y., Kiso, Y., Sakakibara, M., Yoshimoto, T., Guo, J., & Yamashima, T. (2006) Dietary supplementation of arachidonic and docosahexaenoic acids improves cognitive dysfunction. Neurosci. Res., 56, 159–164.

12) Okaichi, Y., Ishikura, Y., Akimoto, K., Kawashima, H., Toyoda-Ono, Y., Kiso, Y., & Okaichi, H. (2005) Arachidonic acid improves aged rats’ spatial cognition. Physiol. Behav., 84, 617–623.

13) Buchholtz, F., Schinor, N., & Schneider, F.W. (2002) Stochastic Nonlinear Dynamics: How Many Ion Channels are in a Single Neuron? J. Phys. Chem. B, 106, 5086–5090.

14) Skowronska-Krawczyk, D. & Budin, I. (2020) Aging membranes: Unexplored functions for lipids in the lifespan of the central nervous system. Exp. Gerontol., 131, 110817.

15) Lynch, M.A. & Voss, K.L. (1994) Membrane arachidonic acid concentration correlates with age and induction of long-term potentiation in the dentate gyrus in the rat. Eur. J. Neurosci., 6, 1008–1014.

16) Stubbs, C.D. & Smith, A.D. (1984) The modification of mammalian membrane polyunsaturated fatty acid composition in relation to membrane fluidity and function. BBA-Rev. Biomembr., 779, 89–137.

17) Morales-Martínez, A., Zamorano-Carrillo, A., Montes, S., El-Hafidi, M., Sánchez-Mendoza, A., Soria-Castro, E., Martínez-Lazcano, J.C., Martínez-Gopar, P.E., Ríos, C., & Pérez-Severiano, F. (2019) Rich fatty acids diet of fish and olive oils modifies membrane properties in striatal rat synaptosomes. Nutr. Neurosci., 1–12.

18) Mason, R.P., Jacob, R.F., Shrivastava, S., Sherratt, S.C.R., & Chattopadhyay, A. (2016) Eicosapentaenoic acid reduces membrane fluidity, inhibits cholesterol domain formation, and normalizes bilayer width in atherosclerotic-like model membranes. Biochim. Biophys. Acta Biomembr., 1858, 3131–3140.

19) Tallima, H. & El Ridi, R. (2018) Arachidonic acid: Physiological roles and potential health benefits—A review. J. Adv. Res., 11, 33–41.

20) Lim, S.Y., Hoshiba, J., Moriguchi, T., & Salem, N. Jr. (2005) N-3 fatty acid deficiency induced by a modified artificial rearing method leads to poorer performance in spatial learning tasks. Pediatr. Res., 58, 741–748.

21) Harauma, A., Hatanaka, E., Yasuda, H., Nakamura, M.T., Salem, N. Jr., & Moriguchi, T. (2017) Effects of arachidonic acid, eicosapentaenoic acid and docosahexaenoic acid on brain development using artificial rearing of delta-6-desaturase knockout mice. Prostaglandins Leukot. Essent. Fatty Acids, 127, 32–39.

22) Harauma, A., Sueyasu, T., Tokuda, H., Yasuda, H., Hoshi, Y., Kaneda, Y., Rogi, T., Shibata, H., Nakamura, M.T., & Moriguchi, T. (2020) Changes in behavior and fatty acid composition induced by long-term reduction in murine Δ6-desaturation activity. Prostaglandins Leukot. Essent. Fatty Acids, 155, 102079.

23) Appleton, K.M., Rogers, P.J., & Ness, A.R. (2008) Is there a role for n-3 long-chain polyunsaturated fatty acids in the regulation of mood and behaviour? A review of the evidence to date from epidemiological studies, clinical studies and intervention trials. Nutr. Res. Rev., 21, 13–41.

24) Zimmer, L., Delpal, S., Guilloteau, D., Aïoun, J., Durand, G., & Chalon, S. (2000) Chronic n-3 polyunsaturated fatty acid deficiency alters dopamine vesicle density in the rat frontal cortex. Neurosci. Lett., 284, 25–28.

25) Yoshida, S., Yasuda, A., Kawazato, H., Sakai, K., Shimada, T., Takeshita, M., Yuasa, S., Kobayashi, T., Watanabe, S., & Okuyama, H. (2002) Synaptic vesicle ultrastructural changes in the rat hippocampus induced by a combination of α-linolenate deficiency and a learning task. J. Neurochem., 68, 1261–1268.

26) Tallima, H. & El Ridi, R. (2018) Arachidonic acid: Physiological roles and potential health benefits—A review. J. Adv. Res., 11, 33–41.

27) Takeuchi, E., Yamada, D., Suzuki, S., Saitoh, A., Itoh, M., Hayashi, T., Yamada, M., Wada, K., & Sekiguchi, M. (2020) Participation of the nucleus accumbens dopaminergic system in the antidepressant-like actions of a diet rich in omega-3 polyunsaturated fatty acids. PLoS One, 15, e0230647.

28) Yamada, D., Takeo, J., Koppensteiner, P., Wada, K., & Sekiguchi, M. (2014) Modulation of fear memory by dietary polyunsaturated fatty acids via cannabinoid receptors. Neuropsychopharmacology, 39, 1852–1860.

29) Guidi, S., Ciani, E., Severi, S., Contestabile, A., & Bartesaghi, R. (2005) Postnatal neurogenesis in the dentate gyrus of the guinea pig. Hippocampus, 15, 285–301.

30) Berger, T., Lee, H., Young, A.H., Aarsland, D., & Thuret, S. (2020) Adult hippocampal neurogenesis in major depressive disorder and alzheimer’s disease. Trends Mol. Med., S1471-4914, 30100–30103.

31) Dokter, M. & von Bohlen und Halbach, O. (2012) Neurogenesis within the adult hippocampus under physiological conditions and in depression. Neural Regen. Res., 7, 552–559.

32) Kawakita, E., Hashimoto, M., & Shido, O. (2006) Docosahexaenoic acid promotes neurogenesis in vitro and in vivo. Neuroscience, 139, 991–997.

33) Crupi, R., Marino, A., & Cuzzocrea, S. (2013) n-3 fatty acids: role in neurogenesis and neuroplasticity. Curr. Med. Chem., 20, 2953–2963.

34) Tokuda, H., Kontani, M., Kawashima, H., Kiso, Y., Shibata, H., & Osumi, N. (2014) Differential effect of arachidonic acid and docosahexaenoic acid on age-related decreases in hippocampal neurogenesis. Neurosci. Res., 88, 58–66.

35) Rashid, M.A., Katakura, M., Kharebava, G., Kevala, K., & Kim, H.Y. (2013) N-docosahexaenoylethanolamine is a potent neurogenic factor for neural stem cell differentiation. J. Neurochem., 125, 869–884.

36) Sakayori, N., Maekawa, M., Numayama-Tsuruta, K., Katura, T., Moriya, T., & Osumi, N. (2011) Distinctive effects of arachidonic acid and docosahexaenoic acid on neural stem/progenitor cells. Genes Cells, 16, 778–790.

37) Katakura, M., Hashimoto, M., Okui, T., Shahdat, H.M., Matsuzaki, K., & Shido, O. (2013) Omega-3 polyunsaturated fatty acids enhance neuronal differentiation in cultured rat neural stem cells. Stem Cells Int., 2013, 490476.

38) Sakayori, N., Kikkawa, T., Tokuda, H., Kiryu, E., Yoshizaki, K., Kawashima, H., Yamada, T., Arai, H., Kang, J.X., Katagiri, H., et al. (2016) Maternal dietary imbalance between omega-6 and omega-3 polyunsaturated fatty acids impairs neocortical development via epoxy metabolites. Stem Cells, 34, 470–482.

39) Soltys, J., Yushak, M., & Mao-Draayer, Y. (2010) Regulation of neural progenitor cell fate by anandamide. Biochem. Biophys. Res. Commun., 400, 21–26.

40) Compagnucci, C., Di Siena, S., Bustamante, M.B., Di Giacomo, D., Di Tommaso, M., Maccarrone, M., Grimaldi, P., & Sette, C. (2013) Type-1 (CB1) cannabinoid receptor promotes neuronal differentiation and maturation of neural stem cells. PLoS One, 8, e54271.

41) Luo, D., Zhang, Y., Yuan, X., Pan, Y., Yang, L., Zhao, Y., Zhuo, R., Chen, C., Peng, L., & Zhou, Y. (2019) Oleoylethanolamide inhibits glial activation via moudulating PPARα and promotes motor function recovery after brain ischemia. Pharmacol. Res., 141, 530–540.

42) Kim, H.Y. & Spector, A.A. (2013) Synaptamide, endocannabinoid-like derivative of docosahexaenoic acid with cannabinoid-independent function. Prostaglandins Leukot. Essent. Fatty Acids, 88, 121–125.

43) Kim, H.Y., Spector, A.A., & Xiong, Z.M. (2011) A synaptogenic amide N-docosahexaenoylethanolamide promotes hippocampal development. Prostaglandins Other Lipid Mediat., 96, 114–120.

44) Rashid, M.A., Katakura, M., Kharebava, G., Kevala, K., & Kim, H.Y. (2013) N-docosahexaenoylethanolamine is a potent neurogenic factor for neural stem cell differentiation. J. Neurochem., 125, 869–884.

45) Yang, R., Fredman, G., Krishnamoorthy, S., Agrawal, N., Irimia, D., Piomelli, D., & Serhan, C.N. (2011) Decoding functional metabolomics with docosahexaenoyl ethanolamide (DHEA) identifies novel bioactive signals. J. Biol. Chem., 286, 31532–31541.

46) Lee, J.W., Huang, B.X., Kwon, H.S., Rashid, M.A., Kharebava, G., Desai, A., Patnaik, S., Marugan, J., & Kim, H.Y. (2016) Orphan GPR110 (ADGRF1) targeted by N-docosahexaenoylethanolamine in development of neurons and cognitive function. Nat. Commun., 7, 13123.

47) Bazinet, R.P., Metherel, A.H., Chen, C.T., Shaikh, S.R., Nadjar, A., Joffre, C., & Layé, S. (2020) Brain eicosapentaenoic acid metabolism as a lead for novel therapeutics in major depression. Brain Behav. Immun., 85, 21–28.

48) Chen, C.T. & Bazinet, R.P. (2015) β-oxidation and rapid metabolism, but not uptake regulate brain eicosapentaenoic acid levels. Prostaglandins Leukot. Essent. Fatty Acids, 92, 33–40.

49) Mocking, R.J.T., Harmsen, I., Assies, J., Koeter, M.W.J., Ruhé, H.G., & Schene, A.H. (2016) Meta-analysis and meta-regression of omega-3 polyunsaturated fatty acid supplementation for major depressive disorder. Transl. Psychiatry, 6, e756–e756.

50) Hamazaki, K. (2019) Role of omega-3 polyunsaturated fatty acids in mental health—studies from Japan. J. Oleo Sci., 68, 511–515.

51) Song, C., Shieh, C.H., Wu, Y.S., Kalueff, A., Gaikwad, S., & Su, K.P. (2016) The role of omega-3 polyunsaturated fatty acids eicosapentaenoic and docosahexaenoic acids in the treatment of major depression and Alzheimer’s disease: Acting separately or synergistically? Prog. Lipid Res., 62, 41–54.

52) Kondo, T., Asai, M., Tsukita, K., Kutoku, Y., Ohsawa, Y., Sunada, Y., Imamura, K., Egawa, N., Yahata, N., Okita, K., et al. (2013) Modeling Alzheimer’s disease with iPSCs reveals stress phenotypes associated with intracellular Aβ and differential drug responsiveness. Cell Stem Cell, 12, 487–496.

53) Nile, A.H. & Hannoush, R.N. (2019) Fatty acid recognition in the Frizzled receptor family. J. Biol. Chem., 294, 726–736.

著者紹介Author Profile

片倉 賢紀(かたくら まさのり)

城西大学薬学部薬科学科栄養生理学准教授.博士(薬学),博士(医学).

略歴

1999年城西大学薬学部卒業.2005年同大学院博士後期課程卒業.同年より同大学医療栄養学科助手,06年より島根大学医学部助手,15年より現職.

研究テーマと抱負

慢性腎不全より腎臓だけでなく脳,網膜,心臓,肝臓など全身の臓器が受ける影響と多価不飽和脂肪酸摂取による予防効果について,原因物質の同定,細胞への影響,組織学的変化や個体の行動変化を検討しています.

ウェブサイト

https://www.josai.ac.jp/~mkatakur/index.html/(城西大学薬学部薬科学科栄養生理学)

https://www.josai.ac.jp/education/gra_pharmacy/index.html/(城西大学薬学研究科)

趣味

スポーツ観戦.

This page was created on 2020-08-31T14:35:17.183+09:00
This page was last modified on 2020-09-28T08:14:13.000+09:00


このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。