多価不飽和脂肪酸と脳機能
城西大学薬学部薬科学科栄養生理学 ◇ 〒350–0295 埼玉県坂戸市けやき台1–1
発行日:2020年10月25日
脳には脂質が豊富に存在しており,その中でも多価不飽和脂肪酸は,細胞膜リン脂質の構成要素である.膜の構成要素である多価不飽和脂肪酸は,脳機能にも影響を与え,その種類が細胞膜を介した神経伝達やその後の細胞情報伝達に影響し,情動や神経変性疾患に関連することも明らかになっている.ここでは,脳機能に対する多価不飽和脂肪酸について,膜の流動性に対する影響,神経伝達に対する影響,脳の発達や機能維持に重要な神経幹細胞の増殖や分化に対する多価不飽和脂肪酸とその代謝物の影響をまとめた.多価不飽和脂肪酸の脳機能に対する重要性が明らかになりつつあり,今後多価不飽和脂肪酸を標的とした疾患の予防や治療がさらに発展すると考えられる.
© 2020 公益社団法人日本生化学会
This page was created on 2020-08-31T14:35:17.183+09:00
This page was last modified on 2020-09-28T08:14:13.000+09:00
このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。