ステロール代謝と骨格筋機能:医・食・薬からの統合的知見
東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻 ◇ 〒113–8657 東京都文京区弥生1–1–1
発行日:2021年2月25日
体重の約40%を占める骨格筋は人体最大の臓器であり,運動機能を発揮する上で必須の役割を果たしている他,全身の代謝の上でも中心的な役割を担っている.運動は筋量や筋力の維持・増強だけでなく,代謝機能や認知機能の改善にも効果を有するなど,有益な効果を発揮する.一方,加齢に伴う筋量や筋力の低下(サルコペニア)は寝たきりなどの要介護状態に陥る主要な原因になっており,超高齢社会に突入した我が国において,その予防法や治療法の開発はきわめて重要な課題となっている.臨床的・栄養学的知見よりステロール代謝に関連するメタボライトが骨格筋において重要かつ多彩な機能を果たしていることが明らかになってきた.本稿では,骨格筋の機能維持に重要な役割を果たしているステロール代謝について,医・食・薬の視点から概説する.
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