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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 93(1): 52-58 (2021)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2021.930052

特集Special Review

食と腸内細菌による宿主の代謝制御Host metabolic regulation via diet and gut microbiota

1東京農工大学大学院農学研究院Graduate School of Agriculture, Tokyo University of Agriculture and Technology ◇ 〒183–8509 東京都府中市幸町3–5–8 ◇ 3–5–8 Saiwai-cho, Fuchu-shi, Tokyo 183–8509, Japan

2京都大学大学院生命科学研究科Graduate School of Biostudies, Kyoto University ◇ 〒606–8501 京都府京都市左京区吉田近衛町 ◇ Yoshida-Konoecho, Sakyo-ku, Kyoto-shi, Kyoto 606–8501, Japan

発行日:2021年2月25日Published: February 25, 2021
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我々が生命を維持するためには食事によるエネルギー摂取が非常に重要である.しかしながら,近年の食の欧米化に伴い,過度な食事や高脂肪・高炭水化物食(高エネルギー食)による過剰エネルギー摂取が,肥満・糖尿病に代表される代謝性疾患を引き起こすことが問題となっている.また,腸内細菌が代謝性疾患と密接に関与することが科学的根拠に基づき明らかにされ,近年では,網羅的な腸内細菌叢の解析から,肥満症などの病態と直接的に関与する腸内細菌種やその代謝物の同定が積極的に行われ,宿主の生体恒常性維持に重要な役割を果たすことが期待されている.本稿では,食事と腸内細菌叢の変化が生活習慣病に及ぼす最新の知見を,筆者らの研究成果とともに概説する.

1. 腸内細菌と宿主エネルギー代謝調節

ヒトの腸管内腔には,約1000種類,総数100兆個にも及ぶ細菌で構成された腸内細菌叢が形成されており,宿主の生体恒常性維持に深く関与していることが明らかとなりつつある.2006年にGordonらの研究グループは,肥満者と肥満マウスの腸内細菌叢の構成が健常者や健常マウスと比較して,Firmicutes門とBacteroidetes門の比率が増加していることを確認した.さらに,肥満マウスおよび健常マウスの腸内細菌叢をそれぞれ無菌マウスに移植すると,肥満マウスの腸内細菌叢を移植されたマウスは肥満の症状(脂肪重量の増加)を呈することが明らかとなった1, 2).また,2013年には,双子の肥満者と痩身者の腸内細菌叢を無菌マウスに移植することで,遺伝的背景を除いた生活環境のみによる肥満を対象として腸内細菌叢との関連性を検討した.その結果,肥満者由来の腸内細菌叢を移植されたマウスは,痩身者由来の腸内細菌叢を移植されたマウスに比べて,肥満の症状を呈することが明らかとなった3).さらに,近年では宿主のエネルギー代謝調節に寄与する実質的な要因を明らかにするために,腸内細菌叢の網羅的な検討から原因菌の特定,単一菌種の同定や機能解析を対象に研究が進められている.たとえば,腸内細菌が菌体外表面に有する非常にユニークな物質が,宿主側のToll様受容体(Toll like receptors:TLRs)などのパターン認識受容体を介することで,宿主のエネルギー代謝調節に寄与することが明らかとなっている.腸内細菌の鞭毛を構成するタンパク質の一種であるFlagellinはTLR5のリガンドとして知られているが,このTLR5を欠損したマウスは過食を示す結果,肥満やインスリン抵抗性を発症することが示されている4).また,このTlr5遺伝子欠損マウスの腸内細菌叢を無菌マウスに移植すると,Tlr5遺伝子欠損マウスと同様に肥満症状を示すことから,TLR5シグナルが腸内細菌叢の構成を制御し,その結果,宿主のエネルギー代謝調節に寄与することが示唆された.さらに,興味深いことに,新生仔期における宿主の腸管上皮細胞のTLR5を介したReg3γ産生が,腸内細菌の定着に強力に影響を及ぼすことも示されている5).腸内細菌の細胞壁構成成分の一つであるリポ多糖は宿主のTLR4に認識されるが,腸管上皮細胞特異的にTLR4を欠損することで肥満症状が悪化することも示されており6),従来,自然免疫系において重要となるTLRsなどのパターン認識受容体群が宿主のエネルギー代謝調節にも密接に関与することが示唆された.

また,近年では,腸内細菌の一種でVerrucomicrobia門に属するAkkermansia muciniphilaが,肥満や糖尿病などの代謝性疾患の発症・増悪に関与していることが明らかにされ,注目を集めている7).たとえば,肥満マウスにA. muciniphilaを投与すると,腸管バリア機能の増強と宿主エネルギー代謝の改善作用が示され,その分子機序の一端として,A. muciniphilaの細胞壁外膜タンパク質であるAmuc_1100の宿主のTLR2を介した作用であることも明らかにされている8).実際に,肥満症患者へのA. muciniphila投与によって,体重の減少傾向とインスリン感受性の亢進が観察された9).また,II型糖尿病の治療薬の一つであるメトホルミンの投与が,II型糖尿病患者の症状の改善と相関して,A. muciniphilaの増加を促すことも明らかにされており10),今後,肥満や糖尿病などの代謝性疾患に対するA. muciniphilaのより詳細な関係性の解明が期待される(図1).

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図1 Akkermansia muciniphilaと代謝性疾患

2. 食事と腸内細菌

さまざまな病態と密接に関与することが示唆され始めている腸内細菌は,食事やストレスなどの環境因子によっても劇的にその構成が影響を受けることが明らかとなっている.食事による腸内細菌の変化は短期間で劇的に誘導されることが知られており,たとえば,ヒトに対する食事介入試験において,動物性食品を5日間摂取した被験者の腸内細菌叢は,胆汁酸耐性を示す菌種(Alistipes属,Bilophila属やBacteroides属など)が増加した一方で,植物性食品を摂取した被験者の腸内細菌叢には食物繊維を分解する菌種(Roseburia属やEubacterium rectaleなど)の増加が確認された11).また,地中海食のような野菜・穀類を中心とした食事を日常的に摂取しているヒトの腸内細菌叢には,難消化性多糖を分解するPrevotella属やLachnospira属が豊富に存在していることが明らかとなり,その代謝物である短鎖脂肪酸も生体内に高濃度で存在することが示されている12).一方,コリンやカルニチンなどを豊富に含む動物性食品を中心とした食事を摂取するヒトの腸内細菌叢は,Ruminococcus属や連鎖球菌などが増加していることが観察され,腸内細菌由来の代謝物の一つであるTMA(trimethylamine)と,TMAを原料として肝臓で産生される心血管疾患発症の原因物質,TMAO(trimethylamine N-oxide)が高濃度で検出されることが報告されている13).さらに,食事中の脂肪酸組成の違いも腸内細菌叢の構成に大きく寄与し,その結果,肥満やインスリン抵抗性の惹起に関与するとの報告もなされている.多価不飽和脂肪酸(DHAやEPAなど)の豊富な魚油を摂取させたマウスにおいては,Akkermansia属,Lactobacillus属やBifidobacterium属などが増加したが,飽和脂肪酸の豊富なラードを摂取させたマウスにおいてはBilophila属やBacteroides属の増加と,それに伴う血中エンドトキシン濃度の上昇,脂肪組織炎症やインスリン抵抗性が観察された14).このように,我々が日常的に摂取する食事は直接的に腸内細菌叢の構成に影響を及ぼし,宿主の生体恒常性維持に強く影響を及ぼすことが示唆されている.

筆者らは,食事中に含まれる多価不飽和脂肪酸と腸内細菌叢の相互作用が宿主の脂肪酸受容体を介したエネルギー代謝調節に及ぼす影響を検討した.通常食摂取マウスと高脂肪食摂取マウスにおける腸内細菌叢の解析と,多価不飽和脂肪酸およびその腸内細菌代謝物群の定量解析を行った結果,高脂肪食摂取マウスの盲腸内において,Lactobacillus属の顕著な減少を確認し,また,多価不飽和脂肪酸で必須脂肪酸であるリノール酸は増加する一方,リノール酸由来腸内細菌初期代謝物であるHYA(10-hydroxy-cis-12-octadecenoic acid)を含めた複数種の腸内細菌代謝物に劇的な減少を確認した.また,リノール酸を高脂肪食に補充したマウスでは,アラキドン酸カスケードを介した脂肪組織炎症が亢進したのに対し,HYAを高脂肪食に補充したマウスでは,リノール酸を補充した場合に観察された脂肪組織炎症には影響することなく,高脂肪食誘導性肥満の症状を改善した.さらに,健常マウスにHYAを投与した結果,腸管ホルモンでインクレチンであるGLP-1(glucagon like peptide-1)の分泌亢進による耐糖能改善作用が観察されたのに対し,HYAを認識する長鎖脂肪酸受容体(GPR40およびGPR120)の遺伝子欠損マウスでは,これらの代謝機能改善効果が消失したことから,HYAによるGLP-1分泌亢進には長鎖脂肪酸受容体が関与していることを明らかにした.さらに,ヒト由来腸内細菌の一種でHYAの産生能を有するLactobacillus属を定着させたマウスにおいても,盲腸内におけるHYA産生量の増加に伴い,高脂肪食誘導性肥満に対する改善作用が観察された.これらの結果より,腸内細菌が食事中に含まれるリノール酸の代謝を制御することで,高脂肪食により誘導される宿主の肥満抵抗性に関与することを明らかにした.今後,腸内環境を制御する食習慣や,腸内細菌代謝物の肥満やII型糖尿病などの代謝性疾患に対する新たな治療法への応用が期待される(図215)

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図2 食事脂質由来腸内細菌代謝物とエネルギー代謝調節

また,必須アミノ酸の一つであるヒスチジンは食事から摂取する必要のある栄養素であるが,近年の研究で,腸内細菌による代謝を受け,イミダゾールプロピオン酸に変換されることが報告された.興味深いことに,このイミダゾールプロピオン酸はII型糖尿病患者において高値を示すことが報告され,実際に,健常マウスへの投与によってインスリン抵抗性の悪化を引き起こすことが示されている16).また,食酢などに豊富に含まれるD-アミノ酸も,腸内細菌の代謝によって合成されることが近年の研究によって明らかにされた.従来,生体内において多量に存在するL-アミノ酸が生体内のタンパク質合成のために重要であると捉えられ,D-アミノ酸は存在しない(または微量で生理機能を示さない)と考えられてきた.しかしながら,質量分析技術の発展により,L-アミノ酸とD-アミノ酸の分離と高感度での検出が可能となり,生体内においても一定濃度のD-アミノ酸が存在することが明らかとなった.また,ヒトやマウスなどの哺乳類の有する代謝酵素では合成できない複数のD-アミノ酸(D-アラニン,D-グルタミン酸およびD-プロリン)を腸内細菌が合成できることも示され,宿主の生体恒常性に関与することが明らかとなりつつある.実際,生体内において合成された腸内細菌由来のD-アミノ酸は宿主の有する代謝酵素によって過酸化水素に変換され,腸管病原性細菌の定着阻害17)に寄与することや腎保護作用18)に寄与することも報告されており,今後,未知な食由来腸内細菌代謝物が宿主の生体恒常性維持に影響を及ぼすことが期待される(図3).このように,食事の種類や栄養環境の違いが腸内細菌叢の構成を直接的に制御しており,その結果,宿主の生体恒常性維持と密接に関与することが示されている.近年,肥満症やII型糖尿病などの臨床現場において注目を集めている低炭水化物食に代表されるようなケトジェニックダイエットもまた,腸内細菌叢の構成に大きく影響を及ぼすことも明らかにされており19, 20),今後,腸内細菌研究による宿主への影響は,摂取した食事の質や種類なども踏まえた統合的な理解をなすことが重要である.さらに今日では,食物繊維などの難消化性多糖を基質とした腸内細菌代謝物,短鎖脂肪酸が宿主の生体調節作用に寄与する実質的な分子実体として注目を集めている.

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図3 食と腸内細菌変化

3. 食由来腸内細菌代謝物,短鎖脂肪酸と宿主生体恒常性維持

短鎖脂肪酸は,炭素数が2から6個の脂肪酸の総称であり,主に酢酸,プロピオン酸および酪酸がよく知られている.近年の腸内細菌研究により,これら短鎖脂肪酸が,食物繊維を含む難消化性多糖を基質として腸内細菌の発酵により生じる代謝物であることが明らかとなった.実際に,腸内細菌に属するAcetobacter属やGluconobacter属が酢酸を産生し,Clostridium属やButyrivibrio属が酪酸の産生に関与することが示されている21).一方,食物繊維の少ない高脂肪食などを負荷したマウスや,腸内細菌の存在しない無菌マウスあるいは抗生物質処置マウスにおいては,劇的に生体内の短鎖脂肪酸濃度が減少することも示されている.短鎖脂肪酸の供給源として難消化性多糖を負荷することで,生体内における短鎖脂肪酸濃度の上昇に伴う食物アレルギーの抑制,心血管疾患リスクの低減や摂食調節などの腸–脳相関を介した代謝改善作用なども報告されている22).したがって,食物繊維を含む難消化性多糖の摂取は,腸内細菌発酵による短鎖脂肪酸産生を介して,宿主の生体恒常性維持に強く影響を及ぼすことでさまざまな疾患に関与することが期待される.一方,短鎖脂肪酸の単独投与ではその多くが消化管上部で吸収されるため,大腸などの消化管下部で作用させるために,難消化性多糖のイヌリンとプロピオン酸のエステル体(inulin-propionate ester:IPE)が開発され,ヒトに対する作用が報告されている.IPEを健常者や肥満者に摂取させると,腸内細菌の作用により消化管下部で効率的に短鎖脂肪酸へ代謝されることが示されている.このとき,IPEを肥満者に投与した結果,摂食調節を担うPYY(peptide YY)とGLP-1の産生が亢進し,食事摂取量と内臓脂肪量の減少に伴い耐糖能の改善が認められた23).また,IPEの摂取により,インスリン分泌の亢進に伴うインスリン感受性の亢進,全身性の炎症抑制(炎症性サイトカインの減少)やIPE資化菌であるBacteroides属の増加など腸内環境変化が観察された24).したがって,消化管下部に効率的に短鎖脂肪酸を供給することは,腸内環境変化を介して宿主のエネルギー代謝調節に影響を及ぼすことが示唆された.

抗生物質投与による腸内細菌除去マウスや無菌マウスなどにおいては,有菌環境で飼育されたマウスと比較して,腸管関連リンパ組織などの未成熟,抗菌ペプチド産生の低下や免疫細胞の減少など,宿主免疫系の異常が多数報告されている.実際に,抗生物質投与マウスや無菌マウスにおいては好塩基球などの応答に異常を来たし,アレルギーの発症・増悪が顕著であることが報告されている.また,最近,食物アレルギーの発症を負に制御できる菌種が特定され注目を集めている.シカゴ大学のNaglerらは,食物アレルギーの乳幼児と健常な乳幼児の腸内細菌叢解析を行った結果,Anaerostipes caccaeが健常な乳幼児に存在することを見いだした.非常に興味深いことに,A. caccaeは短鎖脂肪酸の一種である酪酸の産生に関与することも示されており,少なくとも一部に,食物アレルギーの病態への酪酸の関与が示唆されている.今後,治療薬の開発も視野に入れた酪酸のさらなる機能解明が期待される25).さらに,関節リウマチなどの自己免疫疾患においては,酪酸による制御性B細胞の分化促進を介して,自己免疫疾患の病態が軽減することも知られており,腸内細菌の存在とその代謝物の一つである酪酸が宿主の生体恒常性維持と密接に関与している可能性も示唆されている26)

また,短鎖脂肪酸が生体内における遺伝子にエピジェネティックな変化を誘導することも報告されている.特に,短鎖脂肪酸の一種である酪酸は,ヒストン脱アセチル化酵素に対して強い阻害活性を有しており,制御性T細胞(regulatory T cell:Treg cell)のマスター転写因子であるFoxp3の遺伝子プロモーター領域およびエンハンサー領域のヒストンのアセチル化を亢進させ,ナイーブT細胞からTreg細胞への分化を促進する結果,Treg細胞増加に伴う腸炎症状の軽減が報告されている27).また,興味深いことに,無菌マウスに短鎖脂肪酸を負荷すると,通常飼育環境下のマウスと類似したエピジェネティックな変化が観察されたという報告もあげられており,短鎖脂肪酸による生体恒常性維持の詳細な分子基盤を明らかにすることで,遺伝子のエピジェネティック変化と密接な関連が指摘されている各種疾患の予防をはじめとした幅広い医学的応用が期待される.

4. 短鎖脂肪酸受容体とエネルギー代謝調節

細胞膜上受容体[Gタンパク質共役受容体(G-protein coupled receptors:GPCRs)]が同定され,生体内における短鎖脂肪酸の受容・認識機構が分子論的に明らかになり,食物繊維などの難消化性多糖や腸内細菌による宿主エネルギー代謝調節が短鎖脂肪酸とGPCRsを介した作用であることが示唆され,食由来腸内細菌代謝物,短鎖脂肪酸は単なるエネルギー源としてだけなく受容体を介したシグナル分子としても機能することが明らかとなった28).その中で筆者らは,短鎖脂肪酸受容体GPR41とGPR43が食と腸内細菌,そして宿主のエネルギー代謝調節における重要な因子として機能することを明らかにした.これら二つのGPCRsは,EC50が数十μMを示す短鎖脂肪酸により活性化される受容体として同定され,ヒトにおける短鎖脂肪酸の末梢血濃度は,酢酸で数百μM,プロピオン酸と酪酸は数十μMであり,さらに,食後では倍以上に達することから,生理的条件下においても十分に活性化される受容体であると考えられている.GPR41は百日咳毒素感受性Gi/o経路が活性化される結果,細胞内cAMP濃度の抑制とMAPK(Mitogen-activated protein kinase)経路の活性化を誘導する.また,GPR43に関しては,GPR41と同様にGi/o経路が活性化される一方で,Gq経路も活性化され,細胞内カルシウム濃度の上昇も伴うデュアルカップリング型GPCRsとして知られている.GPR41は主に腸管と交感神経節に高発現しており,これらの組織を介してエネルギー代謝調節に寄与することが報告されている.GPR41は腸管のL細胞でPYYと共発現しており,無菌マウスと通常マウスにおける血中PYY濃度を比較すると,無菌マウスで有意にその濃度が低値を示し,Gpr41遺伝子欠損マウスでは,血中PYY濃度が腸内細菌の有無にかかわらず通常マウスと同程度であったことから,腸内細菌由来短鎖脂肪酸がGPR41を介したPYYの分泌に関与することで摂食量を調節し,エネルギー代謝調節に関与することが示された29).一方,筆者らは生体内で最も発現レベルの高い交感神経節におけるGPR41の機能を検討した.その結果,Gpr41遺伝子欠損マウスは野生型マウスと比較して,心拍数や熱産生などの交感神経系の機能障害を伴うエネルギー消費量の減少が確認された30).また,短鎖脂肪酸刺激により,野生型マウスにおいては,交感神経細胞からのGi/oシグナルを介したMAPK経路の活性化によるノルアドレナリン分泌の促進と交感神経系の活性化が観察されたが,Gpr41遺伝子欠損マウスではその作用が消失した.すなわち,腸内細菌によって産生された短鎖脂肪酸は交感神経節のGPR41に認識されることで,エネルギー消費を促進し,生体内のエネルギー代謝調節に寄与することを示している31)

GPR43は腸管,脂肪組織および免疫系組織に高発現しており,さまざまな生体恒常性維持に関与していることが報告されている.腸管におけるGPR43はGPR41と同様に内分泌細胞のL細胞に高発現しており,短鎖脂肪酸刺激によるL細胞からのGqシグナル経路を介したGLP-1分泌の促進が報告されているが,Gpr43遺伝子欠損マウスではGLP-1分泌促進作用が消失し,インスリン分泌の低下とインスリン抵抗性を示した.したがって,短鎖脂肪酸刺激によるGPR43のGLP-1分泌の促進は,糖代謝制御を伴うエネルギー代謝調節に寄与すると考えられる.一方,脂肪組織におけるGPR43は特に白色脂肪組織で豊富に発現している.興味深いことに,Gpr43遺伝子欠損マウスは体重や脂肪重量の増加などの肥満の症状を呈したが,脂肪組織特異的にGPR43を過剰発現させたaP2-Gpr43トランスジェニックマウスは痩身の傾向を示した.また,これらのGpr43遺伝子欠損マウスの肥満症状は,無菌マウスや抗生物質処置マウスでは消失したことから,GPR43のリガンドとなる短鎖脂肪酸は腸内細菌に依存していることが示唆された.さらに,GPR43の肥満抑制メカニズムを検討した結果,GPR43が脂肪細胞特異的にGi/oシグナルを介してインスリンシグナルを制御し,糖や脂肪酸の脂肪細胞への取り込みを抑制する結果,脂肪細胞の肥大化(肥満)を防ぐことを明らかとした(図332).このように,宿主が摂取する食事が直接的にエネルギー恒常性維持に関与するだけでなく,食由来腸内細菌代謝物が宿主側の受容体を介して,宿主のエネルギー代謝調節に大きく影響を及ぼすことが示された.さらに近年では,胎児期や乳幼児期などにおける母親の栄養環境もまた,腸内細菌叢の変化を介した母胎連関による子供の成長にまで影響を及ぼす可能性が示唆されている.

胎児期や乳児期などの栄養状態が成人後の健康に影響を及ぼす考え方の一つとして,DOHaD(developmental origins of health and disease)仮説が以前から注目されている.たとえば,妊娠マウスに難消化性多糖を豊富に含む飼料を負荷すると,その子供はアレルギー性気管支疾患の症状が緩和されるが,難消化性多糖を含まない飼料の負荷では,逆に症状が悪化することが報告されている.この作用は,酢酸の直接投与によっても症状が抑制されることから,少なくとも,胎児期における母体の短鎖脂肪酸摂取が子供の成長後のアレルギー性気管支疾患の症状を緩和することが示唆されている33)

筆者らは,母親の腸内細菌叢が胎児の発達と出生後の疾患への感受性に及ぼす可能性に着目し,母胎連関における食由来腸内細菌代謝物,短鎖脂肪酸とその受容体を介したエネルギー代謝調節における影響を評価した.妊娠マウスを有菌環境下あるいは無菌環境下で飼育し,分娩後は成長環境を同一にするために,両群の出生仔を通常環境下で仮親飼育によって成育させた.離乳後,高脂肪食誘導性肥満を誘発した結果,有菌母親マウスから産まれた子供と比較して無菌母親マウスから産まれた子供は劇的な肥満を発症し,高血糖,高脂血症やインスリン抵抗性などの重度な肥満症状が観察された.また,妊娠中の母親が摂取する食事の種類に着目し,有菌環境下で低食物繊維食負荷群と高食物繊維食負荷群で同様の検討を行った結果,高食物繊維食負荷群の子供は,高脂肪食誘導性肥満に対して抵抗性を示した.このとき,母親マウスが摂取した食物繊維が腸内細菌の代謝によって産生される短鎖脂肪酸に着目した結果,母親マウスの腸管内で産生された短鎖脂肪酸が,血液を介して子宮内の胎仔にまで移行していることを確認した.そこで,子供の肥満抵抗性に対する短鎖脂肪酸の影響を明らかにするために,無菌環境下で飼育した妊娠マウスに短鎖脂肪酸の一つであるプロピオン酸を補充した結果,子供は高脂肪食誘導性肥満に対して抵抗性を示した.また,無菌環境下で飼育した妊娠マウスに高食物繊維食を摂取させた場合では,母子ともに血中短鎖脂肪酸は低濃度を示し,子供は劇的な肥満症の症状を呈したことから,妊娠中の母親の摂取する食事と腸内細菌の相互作用によって産生する短鎖脂肪酸が胎仔期の子供の成長に影響を及ぼす結果,出生後の子供の肥満を予防することが示された.さらに,胎仔期における短鎖脂肪酸の影響を検討するために,胎仔期の交感神経,腸管および膵臓における短鎖脂肪酸受容体GPR41とGPR43の発現解析を行った結果,各短鎖脂肪酸受容体が胎仔期に高発現していることを見いだした.母親マウスの子宮内においては,無菌環境が維持されていることから,胎仔期における短鎖脂肪酸の供給源は母親の腸内細菌と食事に依存しているため,胎仔で観察された各短鎖脂肪酸受容体は,母親の血液を介した短鎖脂肪酸を認識していることが示唆された.その結果,胎仔に発現するGPR41やGPR43が短鎖脂肪酸によって活性化され,神経細胞,腸内分泌細胞や膵β細胞の分化を促進する結果,代謝・内分泌系の正常な成熟に寄与し,子供の成長に伴うエネルギー代謝調節に影響を及ぼすことを明らかにした.本研究により,妊娠中の母体の腸内細菌叢由来の短鎖脂肪酸が胎仔の短鎖脂肪酸受容体を介して,出生後の仔の肥満に対する抵抗性に寄与する新たな母胎連関の分子メカニズムを明らかにした34).これらの知見は,妊娠中の母体の腸内環境が,生活習慣病を防ぐための子孫の代謝プログラミング決定に重要であることを示唆しており,母体の腸内環境と子の生活習慣病発症というDOHaD仮説の新たな連関を提唱するものである.また,母体への食事介入や栄養管理を介した先制医療や予防医学,さらには腸内細菌代謝物や,その生体側の受容体を標的とした新たな代謝性疾患治療薬の開発に寄与する可能性が大いに期待される.これらの結果は,短鎖脂肪酸が示す疾患制御における分子メカニズムの一端として,GPCRsが肥満やII型糖尿病などの代謝性疾患に対する有力な治療標的になることを示唆している(図4).

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図4 腸内細菌代謝物の母胎連関

5. おわりに

腸内細菌叢が,腸内細菌の有する菌体成分やその代謝物を介して宿主の生体恒常性維持に密接に関与することが明らかとなり,腸内細菌叢や代謝物産生に大きく影響を及ぼす「食」の重要性が再認識されつつある.さらに近年では,中鎖脂肪酸・ケトン食のような,エネルギー代謝に寄与する分子実体の合成を生体内で誘導することにより,代謝機能改善を促す食事も注目を集めている.特に食由来代謝物研究においては,精製した代謝物そのものを投与する方法,代謝物の原料となる食事を投与する方法,あるいはプロバイオティクスで生体内での効率的な代謝物産生を促す方法などが模索されており,新たな機能性食品の創出の可能性が期待される.また,これら代謝物が宿主の生体恒常性を維持するために重要な因子であることからも,腸内環境の網羅的な解析が,我々の健康増進を手助けする新規な治療法の開発につながると期待される.

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著者紹介Author Profile

宮本 潤基(みやもと じゅんき)

東京農工大学大学院農学研究院応用生命化学プログラム食品機能学研究室テニュアトラック准教授.博士(農学).

略歴

2012年広島大学生物生産学部卒業.17年同大学院生物圏科学研究科修了.14年日本学術振興会特別研究員DC1.17年東京農工大学大学院農学研究院特任助教.20年より現職

研究テーマと抱負

食–腸内細菌–宿主を軸とした生体調節機能の解明,特に食事脂質と脂肪酸受容体を介した分子レベルでの解明を目指す.

ウェブサイト

https://tuatmiyamotolab.wixsite.com/food

趣味

スポーツ(サッカー).

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