Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 93(1): 124-136 (2021)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2021.930124

総説Review

ロイコトリエンB4受容体の生理・病態における役割Physiological and pathophysiological roles of leukotriene B4 receptors

順天堂大学大学院医学研究科生化学・細胞機能制御学講座Department of Biochemistry, Graduate School of Medicine, Juntendo University ◇ 〒113-8421 東京都文京区本郷2–1–1 ◇ Hongo 2–1–1, Bunkyo-ku, Tokyo 113–8421, Japan

発行日:2021年2月25日Published: February 25, 2021
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ロイコトリエンB4はアラキドン酸から産生される強力な生理活性脂質であり,白血球遊走や血管透過性の亢進をもたらし,気管支喘息やアレルギー反応を悪化させる.BLT1はロイコトリエンB4の高親和性受容体であり,好中球・好酸球をはじめとしたさまざまな白血球サブセットに発現し,これらの細胞の炎症部位への遊走を引き起こす.BLT1拮抗薬は,気管支喘息,関節リウマチ,動脈硬化,炎症性腸疾患や骨粗鬆症の治療薬として期待される.ロイコトリエンB4の低親和性受容体として同定されたBLT2は酸化脂肪酸12-HHTで活性化され,上皮創傷時の治癒促進や皮膚バリア機能維持に重要である.非ステロイド性消炎鎮痛剤は12-HHTの産生を抑え,皮膚や角膜の創傷治癒を遅延させることが遺伝子改変マウスを用いた実験で確かめられた.

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