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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 93(2): 191-202 (2021)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2021.930191

総説Review

CaMKIIの新しいシナプス可塑性機構Novel mechanism of synaptic plasticity mediated by CaMKII

京都大学大学院医学研究科Kyoto University Graduate School of Medicine ◇ 〒606–8501 京都市左京区吉田近衛町A棟401号室 ◇ Room 401, Building A, Yoshidakonoe, Sakyo-ku, Kyoto 606–8501, Japan

発行日:2021年4月25日Published: April 25, 2021
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Ca2+/カルモジュリン依存性キナーゼII(CaMKII)は長期増強現象に必須なキナーゼとして知られてきた.しかし,その12量体構造の意義や,キナーゼであるのにかかわらずシナプスで最多のタンパク質である点は謎であった.我々は,CaMKIIが液–液相分離を起こすことがその機能の本質ではないかと考え,その実証を試みた.その結果,CaMKIIは基質の一つであるNMDA受容体サブユニットGluN2Bと液-液相分離を起こした.この機構により,シナプスでは2種類のグルタミン酸受容体ナノドメインを形成し,それによりAMPA型受容体を活性帯の直下に濃縮する機構であることが示唆された.これは新しい,長期増強現象のメカニズムである可能性がある.さらに,CaMKIIは線維状アクチンを束化する活性も持ち,液–液相分離との関連が興味深い.一方,ヒトでの変異は,精神発達障害や自閉症,てんかんの原因となる.

1. 長期増強現象とCa2+/カルモジュリン依存性タンパク質キナーゼ

記憶形成時に同時に発火した神経細胞どうしのシナプスは,長期的に強化される.この性質をシナプス反応の長期増強現象[long-term potentiation(LTP),図1]と呼び,それにより,それらの細胞はその後も同時に発火する,「神経細胞集成体」を形成すると考えられる1).記憶想起時にはこの神経細胞集成体が再活性化されると考えられている.シナプス反応のLTPは1973年に海馬歯状回で報告されて以来2),記憶の細胞基盤として多くの興味を集めてきた.

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図1 海馬長期増強現象

短時間のテタヌス刺激(高頻度刺激,例100 Hz, 1秒)によりそれ以降のシナプス反応が長期にわたり増強する.未発表データ.

シナプスにはAMPA型グルタミン酸受容体(以下AMPA受容体)とNMDA型グルタミン酸受容体(以下NMDA受容体)の2種類のグルタミン酸受容体が存在する(図2).AMPA受容体は通常のシナプス伝達に寄与する一方,頻回刺激(記憶形成時の神経活動の亢進を模倣していると考えられる)により一過性にNMDA受容体が活性化し,カルシウムイオン(Ca2+)が細胞内に流入することがLTPを誘導する3).細胞内に流入したCa2+は細胞内伝達系を活性化し,その結果,最終的にAMPA受容体を介したシナプス伝達を増強する.Ca2+はタンパク質キナーゼCや一部のアデニル酸シクラーゼを活性化する他,カルモジュリンと結合し,Ca2+/カルモジュリン依存性タンパク質キナーゼを活性化させる.なかでも注目を集めてきたのは,タンパク質セリン/トレオニンキナーゼであるCa2+/カルモジュリン依存性タンパク質キナーゼII(CaMKII)である4)

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図2 2種類のグルタミン酸受容体

AMPA型グルタミン酸受容体はNaイオンのみ透過し,通常のシナプス伝達に関与する.NMDA型グルタミン酸受容体は,細胞が強く脱分極したときのみ開口し,シナプスにCa2+を流入させる.その結果,細胞内情報伝達系が活性化される.

CaMKIIはセロトニン合成の律速段階酵素であるトリプトファン水酸化酵素の活性化因子として藤澤仁,山内卓ら5–7)によって,またほぼ同時期にその他いくつかのグループ8–11)によっても独立に発見された.CAMK2A(αサブユニット),CAMK2B(βサブユニット),CAMK2G(γサブユニット),CAMK2D(δサブユニット)の四つの遺伝子でコードされ(図3),それぞれ選択的スプライシングにより多数のバリアントを形成する12–14)

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図3 CaMKIIの構造と活性化機構

(A)CaMKIIαならびにβサブユニットのドメイン構造.主なリン酸化部位をPで示す.(B)凍結電子顕微鏡画像と結晶構造を元にモデル化されたCaMKIIαのホロ酵素の立体構造.色は左と統一されている.PDB Accession 5U6Y(Myers, et al. 2017)を元に作成.(C)CaMKIIの活性化様式.通常は自己阻害ドメインがキナーゼドメインを不活性化している.Ca2+/CaMがCaM結合ドメインに結合すると活性化される.その結果自己阻害ドメインがリン酸化され,Ca2+非存在下でも活性が継続する.

特筆すべきは,CaMKIIはCa2+/カルモジュリンにより活性化されると,自己阻害ドメインにあるトレオニン286(T286)が自己リン酸化されることで,自己阻害がかからなくなり,活性持続型になる点である15).そのことから,数秒の単位と考えられているLTP後のCa2+の上昇16)を,持続的なキナーゼ活性と変換させる機能があると予想され,これに基づきLismanらはCaMKIIに記憶分子としての役割を提唱した17).実際にCaMKIIの阻害薬を神経細胞に作用させるとLTPが阻害される18, 19).活性化CaMKIIの細胞内導入により,LTP様のシナプス反応が亢進し,かつそれ以上のLTPも起こらなくなった20–23).一方,CaMKII遺伝子を破壊した動物個体ではLTPのみならず,記憶学習も障害される24, 25).さらにT286をアラニン(A)に置換したノックイン動物も作製され,同様に記憶が障害されることも確認された26).これらの事実から,CaMKIIがLTPに密接に関与していることは明らかである.

2. CaMKIIは持続的に活性化されるか

それでは,CaMKIIの活性化はLTP誘導後どの程度続くのであろうか.Kennedyらは抗リン酸化T286に対する抗体を作製し,LTP誘導によってT286のリン酸化が上昇するかを検討した27).その結果,LTP誘導後30分の時点で,T286リン酸化CaMKIIの量が上昇していることがわかった.福永らはスライス標品でLTPを誘導し,その後生化学的な解析をすることで,LTP後持続活性型のCaMKIIが上昇することを見いだしている28, 29).しかし一方,CaMKIIのFörster共鳴エネルギー移動(Förster Resonance Energy Transfer:FRET)センサーCamui30, 31)を用い,ケージ化グルタミン酸の脱ケージ化(グルタミン酸を光分解性の保護基により不活化しておき,光照射により局所で活性化する技術)により,単一の樹状突起スパインでCaMKIIの活性化を観察すると,CaMKIIの活性化はごく短期間であり,刺激後1分以内に基線レベルまで戻った(図432–34).T286A変異体を用いると,活性化の持続時間はさらに短くなり,T286のリン酸化が寄与することは確認されたが,それでもLismanのモデル17)から予想されるような,持続的な活性化は観察されなかった.さらに,燕麦の向光性に関与する光感受性タンパク質のLOV2ドメインを用いて作製した,光活性型CaMKII阻害ペプチドphoto-activatable AIP(PA-AIP2)を用い,LTP誘導時と誘導後1分後にそれぞれAIPを活性化させたところ,誘導時に活性化したときにはLTPは阻害されたが,1分遅らせたのみで抑制されなくなった35, 36).一方で,CaMKIIの細胞内濃度は非常に高く,単量体換算で20~80 µMとされており32),光活性化されたPA-AIP2がはたして十分にCaMKIIを抑制することができるかは不明である.

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図4 FRETで観察したLTP誘導時のCaMKIIの活性化

CaMKIIの活性は,刺激で一過性に増強するが,その後,すぐに基線レベルまで低下する.疑似カラーでは青が活性化を示すことに注意.Saneyoshiら(2019)34) から改変.

3. LTPに必要なCaMKIIの基質

CaMKIIは多機能性リン酸化酵素であり,数百に及ぶ基質が知られている(Phosphosite Plusデーターベース:https://www.phosphosite.org/).それがLTPに必要なCaMKIIの基質を同定するのを難しくしている.

よく知られている基質にAMPA受容体がある.LTP誘導により,AMPA受容体のカルボキシ末端に存在するセリン(S)831がCaMKIIによりリン酸化され37–42),その結果受容体の活性が上がるという図式が想定されてきた43).実際に,LTPに伴いチャネルのコンダクタンスの上昇が観察されている44).この部位のノックイン動物も作製され,LTPの減少と記憶・学習障害が認められた45)

ところが,その後,グルタミン酸受容体の構造上46),リン酸化部位S831は受容体のチャネルとは離れた部位に存在し,この図式に疑問が持たれた.我々がPhos-tag SDS-PAGE47)を用い,リン酸化される受容体の割合を調べたところ,リン酸化されているAMPA受容体の量は1%以下と非常に少なく,これまでの図式は成り立たないことがわかった48).ある程度の割合の受容体がリン酸化されている前提で話が考えられてきたが,皮肉なことに,よく使われる抗リン酸化AMPA受容体抗体の感度が十分高かったため,実際には非常に低い割合のリン酸化を検出していたわけである.今後はリン酸化されるタンパク質の絶対量を議論する必要がある.

一方で,AMPA受容体の補助サブユニットであるStargazin[およびそれを含む一群のタンパク質transmembrane AMPA receptor regulatory proteins(TARP)]はCaMKIIによって,高い割合でリン酸化されることが知られている48–50).このリン酸化の意義は議論があり,リン脂質との相互作用を促すことで,AMPA受容体の細胞表面での分布と安定性を変化させる一方49, 50),シナプス後部足場タンパク質であるPSD-95との相互作用を減弱させるという報告もある51)

SynGAPは低分子Gタンパク質であるRasの不活性化因子である.シナプス後膜肥厚(post-synaptic densities:PSD)ではCaMKIIに次いで発現量の多いタンパク質である52, 53).SynGAPはCaMKIIの活性化によりシナプスから離散し,その結果,Rasが活性化される54).RasはAMPA受容体をシナプスに移行させる活性があり,それによりLTPが起こるという考えが提唱されている55).実際,FRETセンサーを用いた研究から,RasがLTP誘導後シナプスで20分程度は活性を保ち続けることがわかっている56)

他にもCaMKIIの基質は多数あり,どれがLTPに重要であるかという決着はまだついていない.

4. CaMKIIとGluN2Bの結合によるCaMKIIの活性化とシナプス移行

かねてからCaMKIIには可溶型と顆粒型(膜画分に結合している型)があることが知られてきた57).実験動物の断頭後の直後よりも1時間後に調製した膜画分,特にPSDに結合するCaMKIIが増加することも見いだされてきた58).当初は,虚血による非生理学現象と思われてきた.ところが同様な現象が,精製したCaMKIIとPSDや脳スライス標品でも再現され,しかもこれがCaMKIIの自己リン酸化によって制御されていることがわかった59).GFPを融合したCaMKIIでの生細胞イメージング実験で,LTPに伴いCaMKIIが自己リン酸化依存的にシナプスへ移行することが見事に実証された60–62)

CaMKIIが神経活動依存的にシナプスに集積するのであれば,PSDタンパク質のどれかに結合していると考えられる.Colbranらはゲルオーバーレイアッセイにより,190 kDa付近にCaMKIIの結合タンパク質があることを見いだし,それがNMDA受容体GluN2B(NR2B)サブユニットであることを示した(図563).この結合により,CaMKIIがNMDA受容体の直下に置かれることになり,カルシウム流入がより効率よくCaMKIIを活性化する機構であると想定された.興味深いことにCaMKIIとの結合はGluN2Bサブユニット特異的で,GluN2AやGluN1など他のサブユニットとは結合しない63).GluN2BのCaMKII結合部位をノックインにより変異させると,CaMKIIの活動依存性のシナプス移行が阻害されると同時に,シナプス可塑性の異常,ならびに記憶学習の障害も観察された64)

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図5 活性化されたCaMKIIのGluN2Bサブユニット依存的シナプス移行

活性されたCaMKIIはNMDA受容体GluN2Bのカルボキシ末端に結合することで,シナプスへ移行する.

BayerらはGluN2BとCaMKIIの結合をより詳細に解析し,GluN2BのCaMKIIとの相互作用部位はCaMKIIの自己阻害ドメインと相同性があり(図6),同じ部位(T286周囲の配列であることからT-siteと呼ばれる)に結合すると考えられた65).我々は最近GluN2Bに結合した状態のCaMKIIの結晶化に成功している(図666)

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図6 CaMKII T-siteと基質タンパク質との結合

CaMKII(触媒サブユニット,緑)とNMDA受容体GluN2Bサブユニット(細胞内領域,マゼンタ)との共結晶のX線構造.複数の基質との比較により,L-X-R/K-QモチーフがT-siteとの結合に重要であることがわかった.Ozden et al. (2020) bioRxive 2020.10.25.354241.

興味深いことに,この結合により,CaMKIIはCa2+/カルモジュリン非存在下でも活性化状態を保った.すなわち,T-siteにGluN2Bが結合することで,自己阻害が機能しなくなり,一部のCaMKIIがシナプス直下で活性を保つと考えられる.これは,一見前述したCaMKIIのFRETセンサーを用いてCaMKIIの活性化が一時的であるというLeeらの実験の結果(図432)と整合性がないが,CaMKIIは一つのPSDに5600分子(単量体換算),一方NMDA受容体は20分子と53),量が圧倒的に違うため,NMDA受容体に結合することができず,結合して活性型になるのはごく一部と予想される.また,Leeらは,基線レベルを原点として刺激前との差をみているが,刺激前のCaMKII活性の有無には言及していない.そのため,刺激前のシナプスでCaMKIIの活性があることも十分考えられる.この点は,より詳細な研究が必要となる.

5. reciprocally-activating kinase-effector complex(RAKEC)

さらに實吉らは低分子Gタンパク質Racの活性化因子(グアニンヌクレオチド交換因子GEF)であるTiam1もGluN2Bと同様,Ca2+/カルモジュリン依存性にCaMKIIのT-siteに結合し(図6),CaMKIIの活性を持続させることを見いだした(図734).Tiam1はCaMKIIによりリン酸化され活性化するため,Tiam1とCaMKIIの複合体は,相互に活性化させることで,その活性を持続させるメカニズムではないかと考え,これをreciprocally-activating kinase-effector complex(RAKEC)と名づけた.FRETを用い,CaMKIIとTiam1の結合をモニターしたところ,LTP誘導から少なくとも30分にわたって継続した34).このメカニズムにより,一過性のカルシウムが持続的な生化学的シグナルに変換されると考えられ,細胞内シグナルの一種の特異点であるといえる.これと一致して,下流のRacの活性化も持続した34, 67).実際にTiam1のCaMKII結合部位の変異のノックインマウスは学習障害を示した68)

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図7 RAKECによる一過性のカルシウムシグナルによる持続的な情報分子の活性化

NMDA受容体の活性化とCa2+の上昇は一過性である.しかし,CaMKIIとTiam1は安定した複合体を形成する.Tiam1はCaMKIIの自己阻害ドメインと拮抗して結合するため,CaMKIIの活性化が保たれる.一方,Tiam1はCaMKIIによるリン酸化によって活性化されるので,複合体が形成されている間は,その下流シグナルは持続する.このメカニズムをreciprocally-activating kinase-effector complex(RAKEC)と呼ぶことを提唱した(Saneyoshi, 2019)34)

それでは,RAKECはさらに一般化できるであろうか.GluN2BとTiam1以外にもCaMKIIのT-siteに結合するタンパク質はEther à-go-go(eag)potassium channel(Drosophila),GJD2/コネキシン36, LRRC7/densin-180, endogenous CaMKII inhibitor peptide(CaMKIIN),L型Ca2+チャネル,低分子Gタンパク質であるRem2などいくつかが同定されている(図669–74).CaMKIIの圧倒的な発現量を鑑みれば,さらに他にもCaMKIIのT-siteと結合するタンパク質があると予想される.

6. CaMKIIによって起こされる液–液相分離(LLPS)

CaMKIIはキナーゼとしては非典型的な性質を持つ.まず,量が非常に多く,たとえば海馬では全タンパク質の2%,PSDの10~20%を占める53, 75, 76).この量は,アクチンやチューブリンなど,細胞骨格タンパク質に匹敵する.キナーゼであれば,酵素反応により1分子のキナーゼが多数の基質をリン酸化することができるので,こんなに多量にある必要はない.また特徴的な回転対称型の12量体構造をしている(図377–79).キナーゼがこのような形態を持つ必要はなく,何らかの構造的な役割があるのではないかと考えられた4)

最近,細胞内の非膜オルガネラの形成に液–液相分離(liquid–liquid phase separation:LLPS)の関与が注目されている.LLPSとはソフトマター物理学でかねてからの研究対象であり,特に生物学的なLLPSではタンパク質やRNAなどの高分子化合物が,囲む膜を必要とせず,自発的に濃集相を形成する現象である.最近LLPSが,核小体,タンパク質–RNA複合体,ストレス顆粒など数多くの生命科学的現象に関わると考えられるようになった80, 81).シナプスへのタンパク質の集積にも関与すると考えられ,シナプス顆粒タンパク質のシナプシン,PSD足場タンパク質であるSynGAP1, PSD-95, Homer, Shank, GKAPなどもLLPSを起こすことが報告された82–85)

LLPSを起こしやすいタンパク質にはいくつかの性質が知られている80, 81).一つは多価の相互作用であり,多量体形成や,複数の結合ドメインを持つ場合が相当する.もう一つは,特定の立体構造を持たない天然変性領域を持つことである.天然変性領域にはセリン,グルタミン,グルタミン酸,アルギニン,リシンなどの電荷を持つアミノ酸が多い一方,バリン,ロイシン,イソロイシンなどの疎水性アミノ酸は少ない.そのため,これらの残基による静電気的相互作用がLLPSに寄与する.

我々は,CaMKIIの多量に存在する点,12量体タンパク質であるという点,さらにGluN2BやTiam1といった一部の基質と安定した複合体を作る点がLLPSを起こすのに最適な性質を持っているのではないかと考えた.CaMKIIの結合するGluN2Bの細胞内カルボキシ末端は,ほぼ全領域が天然変性領域である点もこれと矛盾しない.そのため,細川,劉らはCaMKIIとGluN2Bのカルボキシ末端(実際の受容体のオリゴマー構造を模倣するため,二量体の蛍光タンパク質と融合した)を精製した上で,混合し,蛍光顕微鏡下で観察した.Ca2+の非存在下ではいずれのタンパク質もLLPSを起こさなかった(図886).しかし,Ca2+/カルモジュリンで刺激すると,タンパク質のボール状の液滴が観察され,LLPSが起こったことが示唆された.しかも,いったん起こった相分離はEGTAでCa2+をキレートしても継続した.CaMKIIがLLPSを起こすのには,キナーゼ活性は必要なかったが,それがEGTA添加後にも継続するためにはT286の自己リン酸化が必要であった.T286A変異体や触媒部位に変異を入れた場合は,Ca2+を添加するとLLPSが起こるが,EGTAを加えると消失した.

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図8 CaMKIIとGluN2Bの液–液相分離

CaMKIIとGluN2Bカルボキシ末端(GluN2Bc)を精製した.GluN2Bcは実際の受容体でのstoichiometryに合わせるため,二量体蛍光タンパク質でラベルした.CaMKII, GluN2Bc, カルモジュリンはCa2+非存在下では液–液相分離を起こさなかったが,Ca2+の添加により,分離した.さらにEGTAの存在下でもそれは持続した.EGTA添加後の持続には,T286の自己リン酸化が必要であることが,ATPを除外した実験,またT286A変異体を用いた実験から結論づけられる86)

神経細胞に発現したGFP-CaMKIIを,シナプスで蛍光退色させると数分で回復することから,シナプスのCaMKIIはシナプスに濃縮されてはいても,動的な状態にあることが示唆されていた62, 87).このことは実際にPSDのCaMKIIがLLPS状態であることを示唆している.これらの結果から,CaMKIIのシナプスでの意義は,Ca2+依存性にLLPSを起こすことにあるのではないかと考えられた.

さらに我々は代表的なPSD足場タンパク質である,PSD-95, AMPA受容体補助サブユニットStargazinの細胞内カルボキシ末端,シナプス接着因子ニューロリギンの細胞内カルボキシ末端をCaMKII, GluN2B細胞内カルボキシ末端,カルモジュリンとともにLLPSを形成するかを検討した.Ca2+の非存在下では,CaMKII以外のタンパク質がLLPSを起こした(図986).これは足場タンパク質としてのPSD-95の役割によると考えられた.ここにCa2+を添加するとCaMKIIが濃縮相に加わった.さらに興味深いことに,濃縮相がさらに二つに分離した(相内相形成).CaMKIIとGluN2Bがともに外側の相を形成し,Stargazin, PSD-95,ニューロリギンが内側の相を形成した.実際に超高解像顕微鏡による初代培養神経細胞のシナプスにおけるPSD内のタンパク質分布を観察すると,AMPA受容体とNMDA受容体は互いに強く分離して存在する.さらに,CaMKIIとGluN2Bとの相互作用をCN21処理により抑制すると,AMPA受容体とNMDA受容体の分離が減少した(図1086).このことは,CaMKIIがPSD内部のタンパク質の分布を制御していることを示唆している.ニューロリギンは,シナプス前部のニューレキシンと相互作用する88).ニューレキシンはシナプス顆粒の放出部位である,活性帯の構成タンパク質とも相互作用するので,このメカニズムにより,AMPA受容体がシナプス顆粒の放出部位直下に濃縮される可能性がある.AMPA受容体は,シナプスのグルタミン酸に対して飽和していない89–91).また,シナプス前部から放出されたグルタミン酸はシナプス間隙でごく局所にしか広がらない.そのため,活性化されたCaMKIIによってAMPA受容体がシナプス顆粒放出部位直下に濃縮されることにより,AMPA受容体活性が増加することが,シナプス可塑性の一つのメカニズムである可能性がある(図1192)

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図9 CaMKIIの液–液相分離によるAMPA受容体とNMDA受容体の分離

図8の実験にAMPA受容体補助サブユニットであるStargazinのカルボキシ末端(STGc),シナプス接着因子であるニューロリギンのカルボキシ末端(NLGNc),シナプス足場タンパク質であるPSD-95(図で表示されていない)を加えた.Ca2+非存在下ではNLGNc, STGc, GluN2Bc, PSD-95は相分離を起こす一方,CaMKIIは希釈相に存在した.Ca2+の添加によりSTGc, NLGNcとPSD-95が相内相を形成し,GluN2BとCaMKIIから分離した.AMPR:AMPA受容体,NMDAR:NMDA受容体86)

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図10 CaMKIIによるAMPA受容体とNMDA受容体のナノドメイン制御

超高解像度顕微鏡dSTORM法にてAMPA受容体とNMDA受容体のナノドメインを可視化した.CaMKIIとNMDA受容体GluN2Bとの相互作用をCN21にて阻害すると,ナノドメインの分離が減少した.AMPR:AMPA受容体,NMDAR:NMDA受容体86)

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図11 CaMKIIの新たな働きによるシナプス可塑性

CaMKIIによりAMPA受容体とNMDA受容体のナノドメインが分離し,さらにより多くのAMPA受容体が活性帯の直下に濃集される.その結果,シナプス反応が大きくなる.これは新しいシナプス可塑性のメカニズムである可能性がある86)

LLPSには外部のタンパク質を選別し取り込んだり排斥したりする性質があり,取り込まれるタンパク質はクライアントと呼ばれる.すなわち,LTPの誘導に伴い,シナプスのGluN2BとCaMKIIが相互作用し,シナプスでLLPSを起こすと,それに対してクライアントタンパク質が取り込まれると考えられる.これにより,LTPに伴うシナプスの再構成が起こると考えられる62).実際にどのようなクライアントがあるかどうかが今後の重要な課題になっていくであろう.

7. アクチン結合因子としてのCaMKII

CaMKIIサブユニットのうち,β, γ, δサブユニットには調節ドメインと会合ドメインの間に特有の配列がある.この領域は天然変性領域であり,線維状アクチン(F-アクチン)と結合することが知られている(図3A,緑)93).前脳ではαとβサブユニットが平均約3:1の割合で共発現している.CaMKIIは12量体であるため,一つのホロ酵素(オリゴマー)に平均して3分子程度のβサブユニットを含んでいると考えられる8).そのため,一つのホロ酵素が複数のF-アクチンと同時に相互作用し,これにより単に結合するだけではなく,F-アクチンを束化するのではないかと考えられた.我々はこれを実証するため,電子顕微鏡観察(図12)と生化学的解析を行い,CaMKIIβサブユニットがF-アクチンを束化することを確認した94, 95).さらにサブユニット特異的なshRNAを神経細胞で用いたところ,βサブユニットに対するshRNAを用いたときにのみスパイン形態が縮小した.一方,αサブユニットに対するshRNAでは変化がなかった94).このスパインの縮小は,βサブユニットの野生型だけではなく,キナーゼ活性を失わせた変異体でもレスキューできたことから,CaMKIIの酵素活性が必要なのではなく,F-アクチン束化活性が重要であることが示唆された94)

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図12 CaMKIIによるF-アクチンの束化

F-アクチンをCaMKIIα/βヘテロオリゴマーの非存在下(左),存在下(右)で電子顕微鏡で観察した.CaMKIIα/β存在下では束化が観察された.

アクチン結合部位には,多数のセリン,トレオニンが存在し,そのほとんどが自己リン酸化され,それによりF-アクチンとの結合が減弱する(図3A96).FRETを用い,CaMKIIβサブユニットとF-アクチンとの結合をモニターしたところ,LTP誘導直後に両者は乖離し,1分程度で再結合することがわかった97).この間に,コフィリンやArp2/3などのアクチン調節因子がアクチンに作用し,スパインの形態を変化させる.この過程をセリン,トレオニンをアラニンに変異させて阻害すると,LTPも阻害された97)

アクチン束化因子としてのCaMKIIの役割にLLPSがどのように関与しているかはまだ不明であり,今後の研究の進展が待たれる.

8. CaMKIIとヒト疾患

近年のエクソームシーケンシングの発展により,ヒトにおいてCaMKIIの遺伝変異が見いだされた.秋田らは976人の知的能力障害(知的発達症)の全エクソーム解析を行い,3例のCaMKIIαサブユニット,2例のCaMKIIβサブユニットのde novo変異を見いだしている98).またKüryらはヨーロッパならびにアメリカで見つかったそれぞれ12例,7例のde novo変異99),さらに1例のCaMKIIγサブユニットの変異100)を,ChiaらもヨルダンのCaMKIIαサブユニット変異1家系2例を報告している101).いずれも患者は臨床的には重篤な知的能力障害,症例によっては痙攣や,画像上,脳萎縮を呈する例もある.またIossifovらは自閉症を示す患者のエクソーム解析からCaMKIIαサブユニット変異を1例見いだしている102)

これらは主にコーディング領域の変異であるが,イントロンのスプライス領域と考えられる変異も見つかっている.コーディング領域の変異は,キナーゼドメインにあるもの,自己阻害ドメインにあるもの,会合ドメインにあるものなど多岐にわたる.興味深いことに,CaMKIIαサブユニットのPro212, Pro235の変異は秋田ら,Küryらのいずれにも独立して見いだされており,CaMKII機能へ重要であることが示唆される.また自閉症患者でみられたCaMKIIαのE183V変異体は,E183V変異もKüryらによっても検出されている.この変異はノックイン動物も作られ,詳細に解析されている103)

我々にとって興味深いのは,F98S変異である99).F98は,BayerらによりT-siteを構成しGluN2Bとの結合に重要なアミノ酸残基として同定されており,CaMKIIのLLPSを阻害することが予想される.したがって,ヒトでの変異により重篤な症状が出たということは,CaMKIIのLLPS形成能がその機能に重要であること示している.

9. おわりに

LTPは最初の報告から40年以上,CaMKIIも発見以来すでに30年以上が過ぎ,関わっている研究者も世代交代している.それでもなお新たな知見が集まりつつあり,その研究の奥深さを感じざるをえない.いまだにCaMKIIがLTPにいかに寄与しているかについてはすべてが明らかになっておらず,今後の発展を期待したい.

謝辞Acknowledgments

本稿で紹介した研究に関わった多くの共同研究者の方々に感謝いたします.また,溝口萌さん,白川日菜実さん,杉山優衣さんにはコメントをいただきましたことを感謝いたします.理研理事長ファンド,京都大学SPIRITS 2019, 科研費18H05434, 20K21462, 上原記念財団,内藤記念科学振興財団,武田科学振興財団,日本応用酵素協会,Human Frontier Science Foundationの援助を得て行われました.この場をお借りしてお礼申し上げます.

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99) Küry, S., van Woerden, G.M., Besnard, T., Proietti Onori, M., Latypova, X., Towne, M.C., Cho, M.T., Prescott, T.E., Ploeg, M.A., Sanders, S., et al.; Undiagnosed Diseases Network; GEM HUGO; Deciphering Developmental Disorders Study. (2017) De novo mutations in protein kinase genes CAMK2A and CAMK2B cause intellectual disability. Am. J. Hum. Genet., 101, 768–788.

100) Proietti Onori, M., Koopal, B., Everman, D.B., Worthington, J.D., Jones, J.R., Ploeg, M.A., Mientjes, E., van Bon, B.W., Kleefstra, T., Schulman, H., et al. (2018) The intellectual disability-associated CAMK2G p.Arg292Pro mutation acts as a pathogenic gain-of-function. Hum. Mutat., 39, 2008–2024.

101) Chia, P.H., Zhong, F.L., Niwa, S., Bonnard, C., Utami, K.H., Zeng, R., Lee, H., Eskin, A., Nelson, S.F., Xie, W.H., et al. (2018) A homozygous loss-of-function CAMK2A mutation causes growth delay, frequent seizures and severe intellectual disability. eLife, 7, 7.

102) Iossifov, I., O’Roak, B.J., Sanders, S.J., Ronemus, M., Krumm, N., Levy, D., Stessman, H.A., Witherspoon, K.T., Vives, L., Patterson, K.E., et al. (2014) The contribution of de novo coding mutations to autism spectrum disorder. Nature, 515, 216–221.

103) Stephenson, J.R., Wang, X., Perfitt, T.L., Parrish, W.P., Shonesy, B.C., Marks, C.R., Mortlock, D.P., Nakagawa, T., Sutcliffe, J.S., & Colbran, R.J. (2017) A novel human CAMK2A mutation disrupts dendritic morphology and synaptic transmission, and causes ASD-related behaviors. J. Neurosci., 37, 2216–2233.

著者紹介Author Profile

林 康紀(はやし やすのり)

京都大学大学院医学研究科システム神経薬理学分野教授.博士(医学).

略歴

1990年京都大学医学部卒業.94年同大学院修了.日本学術振興会特別研究員(東京大学医学部),ポスドク(コールドスプリングハーバー研究所)を経て,2000年理研-MIT神経科学研究センターにて独立,09年理研脳科学総合研究センターチームリーダー,16年より現職.

研究テーマと抱負

記憶の分子基盤に興味を持っている.最近はさらにシステムレベルの課題にも取り組む.一緒に研究してくれる若手を募集中.

ウェブサイト

http://glutamate.med.kyoto-u.ac.jp

趣味

鉄道旅行.

細川 智永(ほそかわ ともひさ)

名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻情報機構学講師.博士(理学).

略歴

2004年東京都立大学理学部卒 業.10年同大学院修了,PhD取得.同年から理化学研究所脳科学総合研究セン ター(理研BSI)の林康紀チームにてポスドク.17年より林教授に付いて京都大学に移籍.21年より現職.

研究テーマと抱負

シナプスの形成と役割,特にシナプス活動に伴う構造的長期増強とシナプス後膜肥厚(PSD)の蛋白質の動態に興味を持っている.シナプス可塑性の分子機構の核心を明らかにし,その医学的応用を通して社会貢献したい.

趣味

筋トレ.

劉 品吾

京都大学大学院医学研究科システム神経薬理学分野教務補佐員.博士(医科学).

略歴

2011年台湾の中央大学理学部卒 業,15年台湾大学心理学研究科修了,20年京都大学大学院医学研究科修了.同年より現職.21年PhD取得.

研究テーマと抱負

記憶に基づく動物行動に興味を持っている.分子レベルと行動レベルにはいまだに深い溝があり,これからそれを埋めて対応付けていきたい.分子から行動まですべてをこなす研究者になりたい.

趣味

料理と小旅行.

實吉 岳郎(さねよし たけお)

京都大学大学院医学研究科システム神経薬理学分野准教授.博士(医学).

略歴

1996年北海道大学農学部卒業,2002年東京大学大学院医学系研究科修了.米国オレゴン健康科学大学ボラム研究所,産業技術総合研究所,理化学研究所を経て,16年より現職.

研究テーマ

記憶を維持する分子メカニズム.

抱負

物質は入れ替わるが,記憶は変わらない,この仕組みを解明したい.

趣味

魚釣り.

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