生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

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Journal of Japanese Biochemical Society 93(2): 212-220 (2021)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2021.930212

総説Review

時間遅れと遺伝子発現振動Time delay and oscillatory gene expression

京都大学ウイルス・再生医科学研究所Institute for Frontier Life and Medical Sciences, Kyoto University ◇ 〒606–8507 京都市左京区聖護院川原町53 ◇ 53 Shogoin-Kawahara-cho, Sakyo-ku, Kyoto 606–8507, Japan

発行日:2021年4月25日Published: April 25, 2021
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多くの生命現象で機能因子の発現量が振動しており,振動しないときとは異なる活性が発揮されることがわかってきた.体節形成過程では,Hes7の発現振動が分節時計のペースメーカーとして中心的な役割を担うこと,Hes7の発現が振動しないと体節が癒合することが明らかになった.一方,神経発生過程では,神経幹細胞がHes1の発現振動によって活性化状態に,持続発現によって静止状態に維持されることがわかった.因子の発現量が振動するかしないかは,ネガティブ・フィードバックにかかる時間遅れや細胞間のカップリングにかかる時間遅れに依存した.体節形成過程と神経発生過程とを中心に遺伝子発現振動の分子機構や意義,特に時間遅れの重要性について概説する.

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