Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 93(3): 291-297 (2021)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2021.930291

特集Special Review

生細胞における遺伝暗号の改変と応用In vivo engineering of the genetic code and its applications

理化学研究所・生命機能科学研究センターRIKEN Center for Biosystems Dynamics Research ◇ 〒230–0045 神奈川県横浜市鶴見区末広町1–7–22 ◇ 1–7–22 Suehiro-cho, Tsurumi-ku, Yokohama, Kanagawa 230–0045, Japan

発行日:2021年6月25日Published: June 25, 2021
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tRNAとコドンを中心に遺伝暗号の改変について解説する.非天然アミノ酸を遺伝的にコード化するためのコドンの人為的な再定義においては,tRNAの役割を含めた遺伝情報の翻訳分子機構の改変が必要である.加えてゲノムにおけるコドンの分布を再アレンジすることも求められる.この二つの側面を調和させながらコドンの再定義が進められるが,この二つは必ずしも同時に完了しなくてもよく,ずれから生じるコドン定義のあいまいさは生物システムによって許容されているようである.これまでに多様な非天然アミノ酸がタンパク質へ組み込まれ,さまざまな有用性が示されてきたが,非天然アミノ酸レパートリーに基づいた新しいタンパク質科学・工学はまだ端緒についたところである.遺伝暗号の人為的進化と応用について,今後の研究の方向性も含めて議論したい.

1. はじめに

1)普遍遺伝暗号とアミノ酸の遺伝的コード化

本稿では主に,大腸菌における非天然アミノ酸のタンパク質への組込みと,非天然アミノ酸レパートリーに基づく新しいタンパク質工学の見通しについて解説する.前者については最近のトレンドとして「コドン再定義(codon reassignment)」について説明し,後者については「超タンパク質」1)のコンセプトを導入する.タンパク質への非天然アミノ酸の導入は大腸菌以外にも動物細胞や生物個体でも実現しているが,基本的な考え方は同じなので関連する範囲でのみふれたい.非天然塩基も今後の遺伝暗号改変においてますます重要になる要素だが,筆者の専門ではないことと,基本的なコンセプトについては非天然塩基にふれずに説明できると考えているので本稿では扱わない(平尾による本会誌の解説記事2)を参照されたい).

タンパク質がアミノ酸から生合成されるとは,遺伝情報が遺伝暗号に従って翻訳されることである.遺伝暗号はしばしば「普遍遺伝暗号」(図1)と形容されるように,基本的にすべての生物種で共通していると考えられている.ミトコンドリアの異常遺伝暗号は,普遍暗号から逸脱した例として知られているが,普遍暗号と同じ起源を持つと考えられている.核内遺伝暗号についても複数の生物種において普遍暗号からの逸脱が知られているが,ミトコンドリアの遺伝暗号ほど大きな変化ではない.一方,アミノ酸のレパートリーは常に共通であり,これらのことは現存するすべての生物が同じ祖先を持つことを示唆している.今後新しい発見が出てくる可能性は否定できないが,今のところ天然アミノ酸のレパートリーは20種類の標準アミノ酸に,セレノシステイン,ピロリジンの2種類の非標準アミノ酸を加えた22種類である.これらのアミノ酸はタンパク質の生合成の後でさまざまな翻訳後修飾を受けて多様なアミノ酸を生成するが,翻訳の段階でタンパク質に取り込まれるアミノ酸は22種類に限られている.アミノ酸が対応するコドンを持ち,DNAの遺伝情報内に居場所を持っていることを「アミノ酸が遺伝的にコード化されている(genetically encoded)」と呼んでおり,筆者の研究分野は,非天然アミノ酸の遺伝的コード化に関わるものである.遺伝的にコード化されたアミノ酸は生物の翻訳システムに乗ることでタンパク質に取り込まれる.

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図1 普遍遺伝暗号(左)と改変された二つの遺伝暗号

大腸菌RFzero株の遺伝暗号(中央)では,終止コドン(UAG)がクロロチロシン(ClY)に再定義されている(グレー部分)11).三つのコドン(グレー部分)をゲノムから除いた遺伝暗号(右)は61個のコドンから構成されている10)

2)tRNAとアミノアシルtRNA合成酵素の役割

アミノ酸の遺伝的コード化に働く二つの重要な分子についてふれておきたい.一つは転移リボ核酸(transfer RNA:tRNA)であり最重要である.tRNAはコドンと塩基対を形成する部位(アンチコドン)を持っており,特定のコドンを認識することができる一方,アミノ酸と共有結合する部位も有しており,コドンとアミノ酸を結びつける働きをしている.つまり,tRNAに結合したアミノ酸は,アンチコドンに対応するコドンの位置でタンパク質に取り込まれる.たとえば,チロシンはチロシン特異的tRNA(以下,チロシンtRNA)と結合した後,チロシン・コドンがmRNA上に現れる位置でタンパク質に取り込まれるが,非天然アミノ酸も対応するtRNAとコドンを介してタンパク質に取り込まれるという原則は同じである.ここで,アミノ酸をtRNAに結合させる酵素としてアミノアシルtRNA合成酵素(aminoacyl-tRNA synthetase:aaRS)が登場する.チロシンは,aaRSの1種であるチロシルtRNA合成酵素(tyrosyl-tRNA synthetase:TyrRS)に触媒されて,チロシンtRNAに結合させられる.tRNAとaaRSが一体となってコドンをアミノ酸に翻訳しているということができるだろう.非天然アミノ酸についても同様であり,非天然アミノ酸を遺伝的にコード化する努力の多くが,非天然アミノ酸に特異的なtRNAとaaRSのペアを開発することに費やされており,現状においても依然として困難な開発であり続けている.tRNA・aaRSペアを開発する難しさは擬人的な表現ではあるが,自然界についても当てはまる.天然アミノ酸のレパートリーが全生物で共通であるということは,新規なtRNA・aaRSペアが長い進化の過程で生み出されなかったということである.これだけ多様な生物種がほぼ同一の遺伝暗号(もしくはアミノ酸レパートリー)の下に成立していることは驚くべきことだが,他方,このことはtRNA・aaRSペアの“開発”が自然界においても容易ではなかったことを示唆している.新たにtRNA・aaRSペアを開発することは生物の未来を創り出す試みであり,生物の長い歴史に比べて研究開発はたかだか40年前に始まったにすぎず,まったく端緒についたばかりである.

2. 普遍遺伝暗号からの逸脱~アンバー・サプレッション

1)Crickのテーゼ

遺伝暗号の解読は1960年代に華々しく進んだが,1968年には普遍遺伝暗号からの逸脱の例が報告されている.これは,大腸菌におけるアンバー・サプレッサーtRNAに関するものである3).三つの終止コドンの一つであるUAGコドンはアンバー・コドンの愛称を持っている.アンバー・サプレッション(amber suppression)とは,UAGコドンがアミノ酸のコドンとして読み取られてしまい,このコドンの位置でmRNAの翻訳が終結しない現象である(図2).関わっている分子はtRNAであり,チロシンtRNAのアンチコドンが変異してUAGコドンを読み取ることができるようになった結果,終止コドンであるべきUAGコドンが,翻訳終結とチロシンの二つの意味を持つことになった.ここで注意したいのは,変異したチロシンtRNAの出現で,UAGコドンは数%程度の確率でチロシンに翻訳されることになったが,100%の確率ではないということである.このため,UAGコドンは終止コドンとしても機能し続けており,UAGコドンが翻訳終結を導くか,チロシンの取り込みを導くかは確率的な事象になる.なんとももどかしい感じだが,このような「コドン定義のあいまいさ」は,非天然アミノ酸をタンパク質に導入する際にはきわめて有用であり,現在でもサプレッサーtRNAを使ってUAGコドンを非天然アミノ酸に翻訳する手法は広く使われている4).仮に生物システムが融通の効かないものであれば,終止コドンがアミノ酸に翻訳される状況は生物にとって致死的になったかもしれない.大腸菌ではサプレッサーtRNAの存在が1960年代から知られていた一方で,哺乳類細胞には内在性のサプレッサーtRNAの存在は知られていない.2000年ごろ,哺乳類細胞を使って非天然アミノ酸をタンパク質に導入することが試みられたが,その際にアンバー・サプレッサーtRNAの発現が動物細胞に致死的な効果を生じる可能性が懸念された.実際には,哺乳類細胞でも終止コドンのあいまい性は許容されることがわかり,UAGコドンを介して非天然アミノ酸をタンパク質に導入することが可能であることが示された5, 6)

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図2 アンバー・サプレッション

翻訳終結因子は終止コドンUAGを読み取ってタンパク質合成を終了させる.サプレッサーtRNAが存在すると終止コドンがアミノ酸に翻訳されてタンパク質合成は継続することになり,下流の終止コドンで終了となる.この結果,一つの遺伝子から2種類のタンパク質が合成されることになる.

アンバー・サプレッションによって生産されるタンパク質産物に関しては,UAGコドンの位置で正しく翻訳終結することで生産されたタンパク質と,UAGコドンがアミノ酸(または非天然アミノ酸)に翻訳されたのち次の終止コドンで翻訳終結したタンパク質の2種類が生産される(図2).前者の短いタンパク質が正しい産物だとすると,後者のより長いタンパク質の生産は生物にとってはむだな負担である.さらに問題なのは,UAGコドンが完全にアミノ酸のコドンに再定義されたときに,前者の正しいタンパク質産物が作られなくなることだろう.ここで,F.H.C. Crickの有名なテーゼ(1968年)が想起される7).このテーゼは「遺伝暗号の偶然凍結説」の論拠にもなっているが,「遺伝暗号の改変は致死的である.なぜなら,改変によって多数のタンパク質のアミノ酸配列が同時に変化してしまうので,このような変化は致死的になるだろう」というものである.これまで終止コドンであったり,あるアミノ酸のコドンであったりしたコドンが,急に別のアミノ酸を意味するようになると,多くのタンパク質を一斉に変化させてしまい,このことは生物システムによって許容されないだろうという指摘である.しかし,それではいくつかの生物種にみられるような遺伝暗号の変化をどう説明するのか? Osawa-Jukes説(1989年)はCrickのテーゼに抵触しない形で普遍暗号から変化を説明するために提唱された8).この興味深い仮説については後ほどふれたい.Crickのテーゼは論理的にすっきりしていて大変魅力的だが,サプレッサーtRNAの存在や近年成功している遺伝暗号改変の実績からすると,現実は必ずしもこのテーゼのとおりではないことがわかっている.

2)非天然アミノ酸を組み込んだタンパク質の生産

非天然アミノ酸をタンパク質に組み込むためには,まず,大腸菌などの生産宿主細胞においてUAGコドンを認識するtRNAと,非天然アミノ酸をこのtRNAに結合させるaaRSを発現させておく.非天然アミノ酸を組み込みたい部位のコドンをUAGコドンに変えた変異遺伝子を作製して生産宿主に導入すれば,非天然アミノ酸を組み込んだ目的タンパク質が組換えタンパク質として発現される(図2).目的タンパク質の翻訳終結位置にはUAGコドン以外の終止コドン(UAAかUGA)を置く.UAGコドンで翻訳終結した短いタンパク質も生じるので,このタンパク質を目的産物から分離する作業は必要になる.非天然アミノ酸をtRNAに結合させるaaRSを開発することが重要になるが,aaRSの開発は非常に大きなテーマなので本稿ではふれる余裕がない.自然界に存在するaaRSのアミノ酸結合部位を改変して開発されていると述べるにとどめたい.非天然アミノ酸に特異的なtRNA・aaRSペアを発現させることで,目的の組換えタンパク質だけではなく生産宿主細胞(大腸菌,動物細胞など)のタンパク質にも非天然アミノ酸が組み込まれることになるが,この影響が目的タンパク質の生産において問題になった経験はない.生産宿主細胞はUAGコドンが一定の確率で非天然アミノ酸に翻訳されることを十分許容しているようである.目的タンパク質の生産量を改善するためには,UAGコドンを100%の効率で非天然アミノ酸に翻訳したいところである.ここで,コドン定義のあいまいさを払拭して,コドン再定義を行ったときに生じうる生物システムへの悪影響がどのように回避できるかという問題に立ち戻りたい.ここで用語として,あるコドンが完全に別の意味を持つようになることを「コドン再定義」と呼んでいる.この場合は,UAGコドンが翻訳終止の意味を失って,あるアミノ酸に特異的なコドンとして働くことに相当する.

3. コドン再定義~ゲノムの改変

1)Osawa-Jukes仮説とUAGコドンのゲノムからの消去

UAGコドンの再定義について説明するには,tRNA以外の細胞内因子についてもふれなければならない.そもそもUAGコドンが終止コドンとして働くのは,mRNA上のUAGコドンを読み取ってタンパク質合成を終結させる分子(翻訳終結因子)が存在するからである(図2).UAGコドンを読み取るtRNAを発現させた場合,UAGコドンは翻訳終結因子とこのtRNAの間で競合的に読み取られることになり,これがUAGコドンのあいまいな翻訳の実態である.大腸菌ではこの競合因子はRF-1と呼ばれる分子であり,UAGコドンを100%の確率で非天然アミノ酸に翻訳するためにはRF-1を細胞から除かなければならないが,あいにくRF-1遺伝子は必須遺伝子である.仮にゲノム中のUAGコドンをすべて他の終止コドンに置き換えることで,ゲノムからUAGコドンを一掃することができれば,そのときはRF-1は不要になり,RF-1遺伝子をノックアウトして細胞から除くことができだろう.このように,いったんあるコドンがゲノムから消失し,対応する細胞因子も消失した後に,このコドンが新しい意味を持ってゲノムに再出現することでコドンが再定義されるというメカニズムを提唱したのがOsawa-Jukes仮説である(図38).この説では,コドンの意味の変更は,コドンがすべてのタンパク質のコーディング・フレームから姿を消した後に起こることになるので,Crickのテーゼとも矛盾していない.2013年,G. M. ChurchとF. J. Isaacsのグループは最新のゲノム工学の技術を用いて,実際に大腸菌ゲノムの約300遺伝子に存在するUAGコドンを一掃することに成功した.この結果,RF-1のノックアウトが可能になり,UAGコドンを非天然アミノ酸のコドンとして再定義できることが実証された9).この成果は,Osawa-Jukes仮説を実験室内で実証した成果といえる.同様に2019年に,UAGコドンに加えてセリンのコドンであるUCA, UCGコドンをゲノムからすべて除いた大腸菌が開発されている10).セリンは六つのコドンを持つので,UCAとUCGコドンは他のセリン・コドンに置き換えられた.この大腸菌ではRF-1に加えて,UCA, UCGセリン・コドンを翻訳するtRNA分子の遺伝子もノックアウトされており,消去された三つのコドンを認識する分子は存在しない.この結果,遺伝暗号は64個ではなく,61個のコドンから構成されることになった(図1).

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図3 Osawa-Jukes仮説8)を大腸菌におけるUAGコドン再定義のストーリーに当てはめて作図した

三つの段階を経て再定義が進む.(左)ゲノム中に多くのUAGコドンが存在し,認識する細胞内因子が存在する.(中央)ゲノムからUAGコドンが消え,認識する細胞内因子も消失する.(右)ゲノムにUAGコドンが再出現し,新しくtRNAが出現することでアミノ酸のコドンとして再定義される.

2)UAGコドンをゲノムに残したコドン再定義

上記の二つの研究では,大腸菌ゲノムの大規模エンジニアリングによって論理的にすっきりしたコドン再定義が実現しているが,その反面,遺伝暗号について考えさせる面白みには欠けている.筆者らはこれらの報告の前の2010年に,二つの条件がそろえばRF-1のノックアウトは致死的ではなく,UAGコドンの非天然アミノ酸への再定義が可能であることを示していた11).条件の一つは,UAGコドンを持つ約300個の遺伝子の中でたった七つが必須遺伝子であることに注目し,これらの7個のUAGコドンを他の終止コドンに置換することである.他の300個近い遺伝子の末端にはそのままUAGコドンが残ることになる.もう一つの条件はアンバー・サプレッサーtRNAを発現させておくことである.RF-1が細胞から除かれた後は,このtRNAがUAGコドンを認識する分子として残ることになる.このような方法でUAGコドンがアミノ酸のコドンとして再定義された大腸菌株を「RFzero」と命名した(図1).第二の条件から予想されるとおり,この株の生育はUAGコドンの翻訳に依存している11, 12).つまり,UAGコドンが非天然アミノ酸に再定義されたとき,この非天然アミノ酸を加えた培地上でしかRFzero株は増殖できない.非天然アミノ酸はもともと生物には異物であるはずだが,RFzero株にとっては必須な栄養素になってしまっている.RFzeroの増殖速度は,UAGコドンがどの非天然アミノ酸に再定義されるかによって異なるが,親株と同程度の速さで増殖できるケースもある13).RFzero株ではUAGコドンがアミノ酸に翻訳されるので,UAGコドンを末端に持つ遺伝子の翻訳は遺伝子の下流に終止コドン(UAAかUGA)が現れるまで続き,その結果としてC末端が延長されたタンパク質が発現する(図2).七つの必須遺伝子以外の300個近い遺伝子については,このような延長された翻訳が許容されている.富栄養培地で増殖する際にすべての遺伝子が発現しているわけではないので,C末端が延伸したタンパク質変異体のすべてではなく,相当数が活性を有していて野生型タンパク質の機能を代替しているだろうという推測される.ここで,C末端が延伸したタンパク質変異体の発現量も向上させるために,UAGコドンのアミノ酸への翻訳効率を上げる操作をするとRFzero株の増殖速度が向上することがわかっている12).このことは,正しい長さの野生型タンパク質が発現できない遺伝暗号の下では,長いタンパク質変異体の発現量の増加はむしろ好ましいことを示唆している.

筆者らは,大腸菌でUAGコドンの同義語置換をさらに進める実験を行い,95個(300遺伝子の約3分の1)の遺伝子についてUAGコドンを他の終止コドンに置換する実験を行った14).七つの必須遺伝子以外に同義語置換を行った88個の遺伝子は,必須遺伝子ではないが大腸菌の増殖に重要であることがわかっている遺伝子を選んだ.興味深いことに,これら95個のUAGコドンをゲノムから除いた後では,アンバー・サプレッサーtRNAの発現はもはや必要ではなく,RF-1遺伝子のノックアウトが可能であることがわかった.ここで作製した大腸菌株は「B-95.ΔA」と命名された.富栄養培地でB-95.ΔA株は親株と同じ速度で増殖する.この株にはサプレッサーtRNAもRF-1も存在しないので,UAGコドンを認識する分子が存在しないことになる.つまり,分子機構の視点からはUAGコドンは“意味のない”コドン(unassigned codon)になっているが,一方で,200個近いUAGコドンはゲノム上に残ったままである.このようなちぐはぐな状況が許容される理由についてだが,詳細な説明は省くがB-95.ΔA株では残ったUAGコドンは疑似的に終止コドンとして働いていることがわかっている.RF-1を除去した後は,非天然アミノ酸に特異的なtRNA・aaRSペアをB-95.ΔA株に導入することで,UAGコドンは非天然アミノ酸のコドンに再定義される.再定義後は,200個の遺伝子は本来の終結部位に非天然アミノ酸を組み込んだ長いタンパク質産物を発現することになるので,RFzero株と類似の状況が生じることになる.

3)非正規変異

Church-Isaacらが開発した大腸菌株のように300個のUAGコドンをゲノムから除いた方が大腸菌の性質としても望ましいように思えるが,文献値で比較する限りB-95.ΔA株の増殖速度は遅いわけではない.むしろ,高温条件下や低栄養培地での増殖は親株なみによい.それでも,B-95.ΔA株が今後どのように進化できるかを想像してみよう.ゲノムに残されたUAGコドンは本来終止コドンとして働くべき場所にあるので,他の終止コドン(UAAやUAG)に変異し続けると考えるのが論理的だろう.本当にB-95.ΔA株はその方向に進化するだろうか? 現在,UAGコドンを非天然アミノ酸に再定義したB-95.ΔA株の継代培養の実験を続けている.まだ成果をとりまとめる段階ではないが,UAGコドンの同義語置換が進んでゲノムから消失するという期待とは違う方向に進んでいるようである.進行中の実験では,非天然アミノ酸のコドンであるUAGコドンがタンパク質のコーディング・フレーム中に出現するケースが認められた.非天然アミノ酸がプロテオームに入り込んでいくことが大腸菌の生存に有利である場合には,単にUAGコドンが除かれるという方向性とは違う結果になるのかもしれない.UAGコドンをヨードチロシンに再定義したRFzero株にT7ファージを感染させて進化させる実験が他のグループによって行われている15).この中で,ファージが大腸菌に感染する際に機能するタンパク質の遺伝子内で,あるアミノ酸のコドンがUAGコドンに変異し,ヨードチロシンがこのタンパク質に組み込まれていることが見いだされた.ヨードチロシンが具体的にこのタンパク質のどのような性質や機能に影響を与えているかは未解明である.ファージではゲノムも小さくタンパク質の種類も少ないので得られる情報は少ない.大腸菌ゲノムの進化実験から,改変遺伝暗号の下で生物のプロテオームがどのように進化するのかについての知見が得られると期待している.

ここで今後の研究の指針とするために「非正規変異(noncanonical mutation)」という用語を導入したい.通常のアミノ酸どうしの置換ではなく,タンパク質中の通常のアミノ酸が非天然アミノ酸に置換する変異を指す言葉である.これまでに,非天然アミノ酸をタンパク質に組み込んだ研究は非常に多く行われている.非天然アミノ酸を導入したい部位には人為的にUAGコドンを導入している.もともと遺伝暗号の改変は,非天然アミノ酸の持つ化学的な性質をタンパク質に付与するために始められた16, 17).これまでに蛍光を持つ非天然アミノ酸や,光応答性を有する非天然アミノ酸,化学コンジュゲート作製のためのアジド基を含有する非天然アミノ酸などがタンパク質に組み込まれてきた.翻訳修飾を再現するために,自然界にみられる修飾アミノ酸(アセチルリシンなど)の一部についてはそのままタンパク質に組み込むことも可能である.これらの研究では非天然アミノ酸の導入の効果は期待されるとおりである.一方,進化実験で偶発的に生じる非正規変異についての報告はほとんどなく,非天然アミノ酸の組込みがタンパク質の性質や構造をどのように変えうるのかについての知見は実は少ない.非正規変異によって研究者の想像を超える効果を見いだし,そのような知見を蓄積することでタンパク質科学の新しい領域が拓ける可能性があり,この観点からも進化実験の成果に期待したい.

4. 改変遺伝暗号の有用性~超タンパク質の開発に向けて

1)超タンパク質

非天然アミノ酸をタンパク質に組み込む研究は40年近い歴史を持ち,タンパク質の改変に応用した研究例は枚挙に暇ない.しかし,ほとんどの場合で,非天然アミノ酸の化学的性質や構造をタンパク質に付加するものであり,タンパク質自体の性質を変えないことが指向されている.光クロスリンクによってタンパク質どうしの相互作用を調べたいとき,光反応性の非天然アミノ酸は相互作用の特異性を変えないようにタンパク質に導入される18).抗体の化学コンジュゲートの作製を容易にするために,アジド基を含有した非天然アミノ酸が利用できるが,組み込まれた非天然アミノ酸が抗体の性質を変えてしまうことはない19).リシンアセチル化のような翻訳後修飾をタンパク質に導入する場合も,タンパク質の性質を改変することは想定されていない13).このように非天然アミノ酸は付加的なパーツとしてタンパク質に導入されてきている.一方で,アミノ酸残基を非天然アミノ酸に置換することで,タンパク質の構造・機能にアミノ酸残基がどのように寄与しているかを調べる研究も多数存在するが20, 21),新しいタンパク質変異体の開発を目的としたものではない.

30年以上前に「20種類のアミノ酸に加えて非天然のアミノ酸をも含むタンパク質」に対して「超タンパク質」の呼称が提案された1).当時は,非天然アミノ酸を導入するための充実した技術インフラもなく,呼称としては定着しなかったが,今後目指すべき方向性を示しているように思える.つまり,非天然アミノ酸をタンパク質の構造に必須なものとして組み込むことで,タンパク質の性質や機能を変えることは今では有望な研究課題である.特に,コドン再定義によって一つのタンパク質分子に組み込むことができる非天然アミノ酸の個数,種類が今後,飛躍的に増えるだろう.現在でも同じ非天然アミノ酸であれば,一つのタンパク質分子中に数個以上組み込むことが可能である.問題はそのような技術を使ってどのようなタンパク質が開発できるかという点にある.RFzero株の開発後に筆者らはこの課題に取り組むことを決め,酵素の構造安定化への応用を試みた.タンパク質の耐熱化については数多くの研究成果が報告されており,好熱細菌から得られる酵素は実用性も高い.我々の目的は,非天然アミノ酸を1か所程度導入しても十分な効果が得られないようなケースで,複数箇所に導入することでタンパク質の改良を行うことであった.

2)タンパク質の構造安定化と抗体の抗原親和性の改良

ブロモチロシンまたはクロロチロシンをグルタチオンS-トランスフェラーゼ(glutathione S-transferase:GST)に導入することとし,最初に,分子中に15個含まれるチロシンを1個ずつこれらのチロシン誘導体に置換して構造安定化がわずかでも向上する部位を特定した22).部位の組合わせによっては同時にチロシン誘導体を導入することで熱安定性をかえって損なうケースがみられた.そのような組合わせを避けた上で効果的な部位(7か所)を選んで,同時にブロモチロシンまたはクロロチロシンを組み込んだところ,得られた酵素変異体の構造安定性はΔG値で20%の向上が達成された.他にも2種類の酵素(アゾリダクターゼ,トランスグルタミナーゼ23))にも同じ安定化アプローチを試して成功している.ブロモチロシンを7か所に組み込んだGST変異体のX線結晶解析を行った結果(図4),これらのブロモチロシンはタンパク質内部に位置しており,ハロゲン原子が残基間の隙間を埋めていることが明らかとなった22).さらに構造計算によってハロゲン原子が周囲の残基とvan der Waals相互作用および静電相互作用していることが明らかになり,これらの相互作用がブロモチロシンまたはクロロチロシン残基の組込みによるタンパク質分子の構造安定化の主因であると考えられる.他のグループの研究ではフルオロロイシンをαヘリックスに組み込むことで,ロイシン・ジッパー構造が劇的に安定化されることが示されている24).同じハロゲンでも,フルオロ化による構造安定化は,ブロモ化やクロロ化とは構造安定化のメカニズムは異なっている.現状では,フルオロロイシン含有ペプチドは化学合成によってしか合成できないが,将来,フルオロロイシンの遺伝的コード化によって,タンパク質においてもフルオロ化の効果が活用できるだろう.一方,ブロモ原子やクロロ原子が残基間の隙間を埋めるというメカニズムは,抗体と抗原との相互作用の安定化にも効果的であると考えられた.そこで,タンパク質の構造安定化と同様のアプローチを適用し,抗EGF受容体抗体やRituximab由来のFab分子の抗原結合活性を10~20倍近く改善できることを示すことができた25).このレベルの活性改善は劇的ではないが,むしろ,ハロゲン原子の付加という“マイルドな”構造変化によって,抗体の活性を適度に低下させられるというデータにも注目している.100倍程度のレンジで抗原結合活性を上下にコントロールできる点に実用性が見いだされるかもしれない.一方,このようなシステマティックな部位特異的変異の導入に対して,ランダム部位に非天然アミノ酸を導入してFab分子変異体を単離するというアプローチも有効であることが報告されている26).重要なことは,非天然アミノ酸を使ってタンパク質を“内側から”変えるという発想である.通常のアミノ酸レパートリーを使ったタンパク質工学ではあたり前の発想だが,コドン再定義によって同様の考え方が非天然アミノ酸に対しても今後,実践されていくだろう.非天然アミノ酸レパートリーに基づいたタンパク質の新しい構築原理を探求することは興味深い研究課題になっている.

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図4 非天然アミノ酸を組み込んだ酵素の立体構造22)

クロロチロシンをGST(二量体)の1分子あたり7か所に組み込んだ.クロロチロシンは水色のスティックで,α鎖はピンク,βシートは黄緑で表示した.

5. おわりに~バイオロジクスへの応用

非天然アミノ酸の活用でほとんど手つかずの研究領域が,抗体以外のバイオロジクス(タンパク質性医薬品)への応用ではないかと思う.トロンビンの特定部位のチロシンが硫酸化されると薬効が増すことが知られており,遺伝的にコード化された硫酸チロシンを導入してトロンビン修飾体を作製することで,その効果が確認されている27).この修飾は生体内で起きていることが知られているが,ニトロ化,ハロゲン化などの非天然型の修飾がバイオロジクスの薬効を高める可能性はないだろうか? ペプチドではフェニルアラニン残基のニトロ化によって抗原性が高まる可能性が示されており,ワクチン開発を促進するだろうと議論されている28, 29).上皮成長因子のメチオニン残基を非天然アミノ酸であるノルロイシンに置換することで,酸化耐性を付与する研究は40年前に報告されている16).非天然アミノ酸を導入した効果を生体内で確かめる必要があるので研究の敷居は高いと思われるが,非天然アミノ酸レパートリーをバイオロジクスの改良に用いることは今後の有力な研究の方向性ではないかと考えている.

謝辞Acknowledgments

超タンパク質の命名は故宮澤辰雄先生によるものである.先生の退官直前に1年間師事する僥倖に恵まれた.本稿で記述した研究を行うことができたのは,先生によって新しい研究分野が開拓されたおかげである.お亡くなりになって30年近く経つが,この間に本研究分野は飛躍的に進展したと思う一方で,まだ端緒についたばかりだとも感じている.本稿で紹介した研究成果は多くの共同研究者と行ったものであり,ここに感謝申し上げたい.文献27, 28については大阪大学の吉岡靖雄博士と樋野展正博士にご教示をいただいた.

引用文献References

1) 河野俊之,神田大輔,横山茂之,宮澤辰雄(1987)第60回日本生化学会大会抄録集.生化学,59, 932.

2) 平尾一郎,木本路子(2015)DNAの文字を増やす合成生物学—Xenobiologyに向けて.生化学,87, 101–111.

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著者紹介Author Profile

坂本 健作(さかもと けんさく)

理化学研究所生命機能科学研究センター非天然アミノ酸技術研究チーム チームリーダー.博士(理学).

略歴

1964年大阪府に生まれる.87年東京大学理学部卒業.91年同大学院理学系研究科生物化学専攻博士課程中途退学.94年学位取得(東京大学).2018年より現職.

研究テーマと抱負

生物進化を未来に推し進めるという視点から遺伝暗号・タンパク質合成系の改変を行ってきた.非天然アミノ酸を加えることで拡張されたアミノ酸レパートリーによって成立する生物システムの新しい形に興味がある.

ウェブサイト

https://www.bdr.riken.jp/jp/research/labs/sakamoto-k/index.html

趣味

音楽鑑賞.ウエイトリフティング.

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