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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 93(3): 391-395 (2021)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2021.930391

みにれびゅうMini Review

免疫疾患治療薬を目指した1型TNF受容体選択的アンタゴニストの創製と構造最適化Development of TNFR1-selective antagonistic TNF-α mutant as new biologics for treatment of immunological disorders

神戸学院大学薬学部生体機能制御学研究室Laboratory of Cellular and Molecular Physiology, The Faculty of Pharmaceutical Sciences, Kobe Gakuin University ◇ 〒650–8586 兵庫県神戸市中央区港島1–1–3 ◇ 1–1–3 Minatojima, Chuo-ku, Kobe, Hyogo 650–8586, Japan

受付日:2021年1月22日Received: January 22, 2021
発行日:2021年6月25日Published: June 25, 2021
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1. はじめに

慢性関節リウマチや多発性硬化症をはじめとする自己免疫疾患は,自己の身体に対して免疫機構が過剰に応答する疾患である.慢性関節リウマチでは,手足の関節に免疫細胞が集積し,関節炎や骨破壊が生じる.多発性硬化症では,中枢神経の髄鞘に対して過度な免疫応答が起こり,神経伝達が障害を来すことで手足の麻痺が生じる.自己免疫疾患の原因は不明な点が多く,遺伝子異常やウイルス感染,リンパ球機能障害などさまざまな要因が関与すると考えられているものの,過剰な免疫応答が生じる病態には,腫瘍壊死因子(TNF-α)やインターロイキン6(IL-6)など,炎症性サイトカインが関わることが明らかとなっている.現在,これらのサイトカイン自体もしくはその受容体の機能を特異的に阻害するバイオ医薬品が治療に利用されており,TNF-αを標的としたインフリキシマブ,エタネルセプト,アダリムマブ,ゴリムマブ,IL-6受容体を標的としたトシリズマブ,サリルマブなど,同一標的に対して複数の医薬品が競合する状況にあることからも,炎症性サイトカイン制御の重要性が示唆される.一方で,サイトカインは一群の受容体ファミリーを介して多彩な生理機能を持つため,体内の組織によっては,その阻害が,免疫疾患の治療効果を示すだけでなく,生体の機能維持に必要な作用まで抑制してしまう1).そのため,個々のサイトカインの分子機能メカニズムに基づき,それらのシグナルをより緻密に制御可能になれば,新たなバイオ医薬品創製の可能性が拡がる.本観点から我々は,高い受容体特異的結合性を持ち,サイトカイン阻害活性に優れた機能性人工タンパク質を創製する創薬テクノロジーとして,独自のサイトカイン機能改変技術とその構造最適化技術を確立してきた.

本稿では,自己免疫疾患において炎症シグナルの中心的役割を担うサイトカインの一つであるTNF-αの制御を目指した創薬アプローチとして,1型TNF受容体(TNFR1)の阻害による炎症抑制と2型TNF受容体(TNFR2)の温存による免疫恒常性の維持を両立するTNF受容体選択的アンタゴニストの創製と構造最適化について概説する.

2. TNFを標的とした自己免疫疾患治療

自己免疫疾患患者ではTNF-αの血中濃度が上昇しており,TNF-αと病態との連関が示されてきた2).また,TNF-αは,発がんや感染症に対する生体防御機構の調節にも重要な役割を担っており,炎症病態の発症・悪化と生体防御機構の発現のバランス,2種類の受容体サブタイプ(TNFR1およびTNFR2)を介した生理作用の違いなどについて研究が進められてきた3, 4).近年では,CD4陽性T細胞の亜集団の一つであり,他の免疫細胞に対する抑制活性を持つ制御性T細胞(regulatory T cell:Treg)においてTNFR2が優位に発現しており,Tregの細胞増殖や免疫抑制活性の増強に関わることがわかるなど,生体の免疫抑制機能におけるTNFR2シグナルの重要性も明らかになってきた5)

現在,関節リウマチ等の免疫疾患に対して,体内のTNF-αの作用の中和を目的に,中和抗体(インフリキシマブ,アダリムマブ)や可溶型TNF受容体(エタネルセプト)などのTNF-α阻害薬が臨床に供されており,患者のquality of life(QOL)を格段に向上させている.しかし,TNF-αは本来,宿主の生体防御機構にも重要な役割を担うため,TNF-α阻害薬の使用は,感染症や発がんに対する宿主の抵抗性を必然的に減弱させてしまう6).また,同じ自己免疫疾患の中でも,多発性硬化症の場合は逆に病態悪化が認められるため,TNF-α阻害薬の使用は禁忌である.その一方,実験的自己免疫性脳脊髄炎マウスではTNFR2欠損により病態の進行が認められ,TNFR2シグナルに着目した新たな治療薬の可能性が示唆された.

3. TNFR1選択的アンタゴニストTNF変異体タンパク質の創製と薬理作用

TNF-αには可溶型と膜結合型の二つの分子型が存在しており,可溶型TNF-αに比べ,膜結合型TNF-αはTNFR2を強く活性化する.これまで種々の疾患モデル動物を使った検討が行われてきた結果,可溶型TNF-αのTNFR1を介した過剰な作用が炎症反応の惹起や悪化に,可溶型/膜結合型TNF-αのTNFR2を介した作用がウイルス感染防御や多発性硬化症の病態抑制に関与していることが報告されている7, 8).また,前述のとおり,TNFR2シグナルは過剰な免疫応答のブレーキとなるTregの機能に関わることが示唆されている.これらの報告は,TNFR1を介したTNF-αの活性発現を選択的に阻害し,TNFR2を介した活性を温存できれば,感染防御能などの生体恒常性を低下させることなく免疫疾患の治療が可能となり,既存のTNF-α阻害薬の適応がない多発性硬化症などの脱髄疾患にも有効となることを期待させる.

そこで我々は,受容体を標的に,TNFR1シグナルだけを競合的に阻害する新規モダリティのTNF-α阻害薬として,リガンドである可溶型TNF-αを改変することで,TNFR1選択的アンタゴニストとして働くサイトカイン機能改変体を創製した(図1A).ファージディスプレイテクノロジーを活用することで,タンパク質構造中の複数のアミノ酸を一挙に置換した変異体ライブラリを構築し,その膨大なレパートリーの変異体の中から目的とする機能を有する人工タンパク質を得ることができる.ファージライブラリは,低分子抗体や機能性ペプチド・活性増強型サイトカインなどの創製に利用されている.我々は本技術に基づき,独自のサイトカイン機能改変体の作製を試みてきた.これまでに,TNF-αの活性発現や三量体形成に重要なアミノ酸残基K11やK65, K90など全6個のリシン残基を一挙に他のアミノ酸に置換することで,TNF-αと同等以上の生物活性や受容体親和性を有する機能性リシン欠損TNF-αを創製することに成功している9).さらに,リシン欠損TNF-αを鋳型として,TNF-αとTNFR1の相互作用領域に相当する6か所のアミノ酸残基を一挙に20種類のアミノ酸にランダムに置換したTNF-α変異体ファージライブラリを構築した.この中から,TNFR1に強く結合するファージクローンを選別操作(パンニング)によって絞り込んだ後,TNFR1およびTNFR2に対する結合力と生物活性に基づくスクリーニングを行うことで,TNFR2とは結合せず,TNFR1に対してはTNF-αと同等の親和性を持ちながら,シグナルを伝達しない「TNFR1選択的アンタゴニストTNF変異体タンパク質(R1antTNF)」を得た(図1B10).また,R1antTNFはリシン由来のアミノ基を欠損しているため,N末端だけにアミノ基を有する.これは,タンパク質医薬品の体内動態の改善に汎用されるポリエチレングリコール(PEG)修飾を適用する場合に,活性と分子均一性の確保に有用である.実際に,5-kDa PEGを結合したR1antTNF(5-kDa PEG-R1antTNF)は,未修飾体と比較して,in vitroにおけるアンタゴニスト活性が低下することなく,血中滞留性が向上した11).5-kDa PEG-R1antTNFの自己免疫疾患治療薬としての有効性を検証するため,関節リウマチのモデル動物での関節炎抑制効果,ならびに既存のTNF-α阻害薬の問題点である感染症リスクへの影響についてアデノウイルスベクターを用いたモデル実験にて評価した.その結果,5-kDa PEG-R1antTNFは,関節炎に対する治療効果を発揮する一方,ウイルス感染に対する防御能の低下は抑えられることが示唆された.また,多発性硬化症の疾患モデルとして利用される実験的自己免疫性脳脊髄炎マウスにおいても,5-kDa PEG-R1antTNFが症状の抑制に有効であることを明らかにした12)

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図1 TNFR1選択的アンタゴニストTNF変異体タンパク質(R1antTNF)について

(A)TNFR1アンタゴニストによるTNFR1シグナルの選択的な阻害メカニズム.R1antTNFは,TNFR1に結合するが,シグナルを伝達しない.また,TNFR2には結合しない.したがって,TNFR1に対してのみTNF-αシグナルを競合的に阻害する.(B)TNFR1選択的アンタゴニストTNF変異体タンパク質の探索方法.リシン欠損TNF-α遺伝子を鋳型として,ランダムプライマーを用いたPCRによってTNFR1との相互作用領域の6アミノ酸残基を網羅的に20種類のアミノ酸に置換したTNF-α変異体cDNAライブラリを構築した.この遺伝子ライブラリを大腸菌に導入し,ヘルパーファージを感染させた後,一挙に発現させることで,繊維状ファージM13表面に膨大なレパートリーのTNF-α変異体が提示されたTNF-α変異体ファージライブラリを作製した.TNFR1に結合する変異体を濃縮(パンニング)した後,スクリーニングによって,アンタゴニスト活性の高い変異体を選別し,R1antTNFを同定した.

したがって,R1antTNFは,TNFR1シグナルの阻害による抗炎症作用を持ちながら,内因性TNF-αによるTNFR2を介した感染防御作用を維持することで,TNF-α阻害薬の使用によって懸念される感染症リスクの上昇を回避できること,すなわち,安全かつ有効な自己免疫疾患治療薬となりうることが示された.

4. サイトカイン機能改変体の一本鎖構造安定化技術

5-kDa PEG-R1antTNFは,我々が着目したTNFR1シグナル選択的な阻害メカニズムによって,自己免疫疾患のモデル動物に対する有効性を示した.その一方で,5-kDa PEG 1分子で修飾したPEG-R1antTNFでは治療に有効な血中濃度を維持するためには,いまだ短い投与間隔で頻回投与する必要があったことから,PEGの分子量を増大させることで血中安定性を延長できる可能性が考えられた.また,TNFスーパーファミリーに属するサイトカインは,それぞれに特徴的なTNF受容体スーパーファミリーと結合するが,これには三量体構造の形成が欠かせない.R1antTNFもTNF-α由来のホモ三量体構造である.そのため,N末端アミノ基へのPEG修飾反応後は,1価/2価/3価PEG修飾体の混合物となり,均一な分子量を持つPEG修飾体を得るための分離操作が必要であるなど,PEG-R1antTNFの収量の低さも課題であった.

そこで我々は,これらの問題の解決に向け,R1antTNFの構造最適化を図った.三量体構造の安定性およびPEG修飾体の分子均一性や収率を向上させるため,R1antTNFを構成する三つの単量体のN末端とC末端を交互にGSペプチドリンカーで連結することで,1本のアミノ酸鎖が三量体様の構造を形成した一本鎖R1antTNF(single-chain R1antTNF:scR1antTNF)を創製した13).これまで,TNFスーパーファミリーのアゴニスト活性の増強を目的として,一本鎖化が試みられているが14),アンタゴニストの構造最適化に活用した例は報告がない.表面プラズモン共鳴解析や細胞傷害アッセイ,サーマルシフト解析などの結果,scR1antTNFは,アンタゴニスト活性を維持したまま,構造安定性が向上していることが判明した.これは,ペプチドリンカーがR1antTNFの側面に位置するTNFR1相互作用領域とは異なる分子上面を架橋するため,アンタゴニストとしての活性や機能は影響を受けなかったが,リンカーによる単量体どうしの物理的連結が分子構造をrigidにしたためであると考えられた.さらに,一本鎖化は,三つの単量体のそれぞれに存在したN末端アミノ基を分子全体で1か所とし,PEG修飾体の分子均一性や収率のさらなる改善に有用であった.

5. 構造最適化に基づくR1antTNFの高機能化

一本鎖構造の特徴を活かすことで,5-kDa PEG-R1antTNFを上回る血中半減期や治療効果を目指して,scR1antTNFに対する部位特異的PEG修飾およびFcキメラ化を適用した2種類の新規scR1antTNF誘導体を作製した(図2A).

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図2 一本鎖TNFR1アンタゴニスト誘導体の構造と薬理作用

A)一本鎖TNFR1アンタゴニスト誘導体の構造モデル.三量体をペプチドリンカーで一本鎖化したscR1antTNFを,分岐型(20-kDa×2)PEGで化学修飾した40-kDa PEG-scR1antTNF, およびヒトIgG-Fc融合体として発現させたscR1antTNF-Fcのモデル構造を示す.(B)マウス腹腔内へ単回投与(50 µg/mouse)後の血中濃度の推移.(C)CIAマウスの関節炎スコアの推移.CIAマウスは,DBA/1マウスにウシII型コラーゲンとアジュバントを免疫して作製した.免疫3週間後(Day 22)からscR1antTNF誘導体を腹腔内投与(週2回)し,四肢の炎症を経時的にスコア化した.(D)Day 35のマウス前肢の炎症所見.scR1antTNF誘導体は四肢の腫脹を抑制した.(E)Day 35のマウス所属リンパ節におけるTregの割合.scR1antTNF誘導体投与群では,Tregの増加が認められた.(文献13, 15より改変)

1)40-kDa PEG-scR1antTNF

scR1antTNFのN末端に分岐型(20-kDa×2)PEGを化学修飾したPEG修飾scR1antTNF(40-kDa PEG-scR1antTNF)である13).分岐型PEG NHSエステルを反応させ,N末端アミノ基にPEGを共有結合した.一本鎖化により,修飾可能なアミノ基はN末端だけに存在するため,1価PEG修飾体だけを高い収率で作製できるようになった.マウスin vivoにおける薬物動態を調べた結果,未修飾体に比べて血中滞留性が大きく向上した(図2B).一方,in vitroの解析において,TNFR1への結合親和性やTNF阻害活性の低下は認められなかった.

2)scR1antTNF-Fc

scR1antTNFのC末端にヒトIgG抗体Fc領域(huIgG-Fc)を融合したscR1antTNF-Fc融合タンパク質(scR1antTNF-Fc)である15).scR1antTNF遺伝子のC末端側にhuIgG-Fc遺伝子を連結したcDNAを哺乳類細胞に導入し,Fc融合タンパク質を発現させた.R1antTNFの一本鎖化により,三量体構造で1か所になったC末端に対するFc融合が可能となった.マウスでの薬物動態解析の結果,既存のTNF-α阻害薬であるエタネルセプトと同等の長い血中半減期を示した(図2B).受容体結合親和性やアンタゴニスト活性などの分子特性は維持された.

これらscR1antTNF誘導体の薬理作用を,関節リウマチのモデルであるコラーゲン誘導関節炎(collagen-induced arthritis:CIA)マウスを用いて評価した15).その結果,40-kDa PEG-scR1antTNFおよびscR1antTNF-Fcは,いずれも関節炎を抑制した(図2C, D).5-kDa PEG-R1antTNFでは,血中濃度の維持のために1日2回の頻回投与が必要であったが,これらの誘導体は,血中半減期が延長したことで週2回の投与で同等の効果を示し,投与回数や投与量を低減できた.また,作用メカニズムを検証するため,エタネルセプト,40-kDa PEG-scR1antTNF, scR1antTNF-Fcをそれぞれ投与したCIAマウスのリンパ節中の免疫細胞の割合を比較した.その結果,scR1antTNF誘導体投与群では,生理食塩水投与群に比べてCD4Foxp3 Tregが増加していたのに対して,エタネルセプト投与群ではTregの増加は認められなかった(図2E).したがって,TNFR1アンタゴニストは,抗炎症効果に加えて,TNFR2シグナルの温存によるTregの免疫抑制機能が期待できるものと考えられた.以上のように,分子構造の最適化によって,TNFR1選択的アンタゴニストを高機能化することに成功した.

6. おわりに

本稿では,サイトカイン機能改変体の一例として,新規モダリティのTNF-α阻害薬の開発を目指し,「ファージディスプレイテクノロジーを基盤としたタンパク質機能改変技術によるTNF-α機能改変体の創製」,また「一本鎖構造安定化に基づく分子構造の最適化」について概説した.TNF-αの分子機能メカニズムに着目して創製したTNFR1アンタゴニストは,新たなバイオ医薬品となりうる.このように,サイトカインシグナルを緻密かつ自在に制御するサイトカイン機能改変体を活用することで,自己免疫疾患だけでなく,がん治療などさまざまな分野の医療に貢献できるものと期待している.

謝辞Acknowledgments

本稿は,大阪大学大学院薬学研究科毒性学分野(堤 康央教授),国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所バイオ創薬プロジェクト(鎌田春彦リーダー)との共同研究の成果に基づくものです.この場をお借りして深く御礼申し上げます.

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著者紹介Author Profile

井上 雅己(いのうえ まさき)

神戸学院大学薬学部助教.博士(薬学).

略歴

広島県出身.2002年広島大学医学部総合薬学科卒業.13年同大学院医歯薬学総合研究科博士課程後期修了.04年からロート製薬株式会社研究員,(独)医薬基盤・健康・栄養研究所研究員を経て,16年より現職.

研究テーマと抱負

がんや免疫疾患の治療薬を目指して,サイトカイン機能改変体や高機能抗体を開発しています.

趣味

バドミントンと料理.

角田 慎一(つのだ しんいち)

神戸学院大学薬学部教授.博士(薬学).

略歴

1994年大阪大学薬学部卒業.99年同大学院博士課程修了.2001~04年(独)産業技術総合研究所研究員.05~16年(独)医薬基盤・健康・栄養研究所研究員.16年~現職.

研究テーマと抱負

タンパク質工学を駆使した物創りを基盤として,がんや免疫難病の治療薬を開発したい.

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