Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 93(4): 441-450 (2021)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2021.930441

総説Review

Protrudin複合体によるオルガネラ間コミュニケーションと神経機能Interorganelle communication by Protrudin complex and its neuronal function

名古屋市立大学大学院薬学研究科分子生物薬学分野Department of Molecular Biology, Graduate School of Pharmaceutical Sciences, Nagoya City University ◇ 〒467–8603 愛知県名古屋市瑞穂区田辺通3–1 ◇ 3–1 Tanabe-Dori, Mizuho-ku, Nagoya, Aichi 467–8603, Japan

発行日:2021年8月25日Published: August 25, 2021
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細胞内の膜接触部位は,オルガネラ膜どうしが各々のアイデンティティを保ちつつ近接している細胞内マイクロドメインで,分子情報の交換やオルガネラ膜の制御に働いている.近年そのオルガネラ間コミュニケーションの重要性が注目されているが,本稿では,小胞体とエンドソーム間の膜接触部位における,エンドソーム輸送やエンドソーム成熟の分子機構に焦点を当てる.特に小胞体エンドソーム膜接触部位では,Protrudin-PDZD8-VAP-Rab7複合体が,脂質輸送を介してオルガネラ動態制御に重要な役割を果たしている.その複合体構成因子の機能や作用機序,および神経系における役割を,最近の知見を含めて概説する.さらにProtrudin-PDZD8-VAP-Rab7複合体と,神経精神疾患との関連について述べる.

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